「建築基準法及び関連法解説」
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__________________________________________________
シックハウス対策・石綿
「 目 次
」
■ 001 シックハウス対策及び石綿について
(「国土交通省.htm」より抜粋)
その1 改正建築基準法に基づくシックハウス対策の概要
参考).シックハウス症候群と化学物質過敏症について
※.住宅性能表示制度
シックハウス症候群はなぜ起きるのか
主な要因/主な対策
シックハウス症候群 (化学物質による室内空気汚染)
その2 改正建築基準法に基づくシックハウス対策
1
ホルムアルデヒド対策
対策T 内装仕上げの制限
対策U
換気設備設置の義務付け
対策V 天井裏などの制限
2
ク
「対策T内装仕上げの制限/対策U換気設備設置の義務付け/対策V天井裏などの制限」の対策例.
■
シックハウス対策に係る法令等
■
シックハウス対策に係る規制の概要
シックハウス対策としての換気設備設置の義務付け
(令第20条の8)
換気回数と換気量について
換気対策の義務付け
(@居室,A居室以外の室,B天井裏等)
必要換気量の計算方法6つ
令第20条の7
建築材料についてのホルムアルデヒドに関する
・・・ は,次のとおりとする。
増改築に関する規制
※
シックハウス検討表
サンプルファイルダウンロード
■ 002 石綿の措置等について
(「国土交通省.htm」より抜粋)
法第28条の2
参考).石綿(アスベスト)と岩綿(ロックウール)の違いについて
令第20条の4
平成18年1172号 〔建築基準法関係告示〕
■ 001 シックハウス対策及び石綿について
(「国土交通省.htm」より抜粋)
快適で健康的な住宅で暮らすためにシックハウス対策のための規制導入改正建築基準法は平成15年7月1日に施行されました。
シックハウスの原因となる化学物質の室内濃度を下げるため,建築物に使用する建材や換気設備を規制する法律です。対象は住宅,学校,オフィス,病院等,全ての建築物の居室となります。
その1 改正建築基準法に基づくシックハウス対策の概要
1.ホルムアルデヒドに関する建材,換気設備の規制 (令第20条の5)
@ 内装仕上げの制限 (令第20条の7)
A 換気設備設置の義務付け (令第20条の8,令第20条の9)
B 天井裏などの制限 (平成15年国土交通省告示第274号第1第三号)
2.クロルピリホス(床下のしろあり駆除剤等)の使用禁止 (令第20条の5,令第20条の6)
シックハウス関連の法律,制度や基準
※.厚生労働省室内化学物質濃度指針値
化学物質室内濃度の大きな目安
※.建築基準法のシックハウス対策
必ず守らなければいけない法律
参考).シックハウス症候群と化学物質過敏症について
シックハウス症候群と化学物質過敏症は同じではない。シックハウス症候群は,化学物質などにより室内の空気が汚染された建物の中にいるときに出る症状の総称である。その場所を離れると症状が治まるともいわれている。
化学物質過敏症は,体内に蓄積された化学物質の影響により,非常に微量な化学物質に対しても反応をおこす症状で,自然界に存在する化学物質で発症するなど,住宅以外の様々な場所でも症状がおこるといわれている。
※.住宅性能表示制度
建て主の希望による室内空気環境の表示
● シックハウス対策はもちろん,住まいの安心チェックができる制度。
● これから新築される方,建売住宅・マンションなどを購入される方のために。
● シックハウス対策のための基準は,住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく住宅性能表示制度についても改正されました。
● 住宅性能表示制度は,「住宅の品質確保の促進等に関する法律」にもとづき,平成12年10月にスタートした新しい制度です。
シックハウス症候群はなぜ起きるのか
主な要因
@
住宅に使用されている建材や家具,日用品などから様々な化学物質が発散。
A 住宅の気密性が高くなった。
B ライフスタイルが変化し,換気が不足しがち。
主な対策
● 建材や家具,日用品などから発散する化学物質を減らす。
● 換気設備をつけて室内の空気をきれいにする。
シックハウス症候群 (化学物質による室内空気汚染)
新築やリフォームした住宅に入居した人の,目がチカチカする,鼻や喉が痛い,めまいや吐き気,頭痛がするなどの「シックハウス症候群」が問題になっています。その原因の一部は,建材や家具,日用品などから発散するホルムアルデヒドやVOC(トルエン,キシレン(※1),その他)などの揮発性の有機化合物と考えられています。「シックハウス症候群」については,まだ解明されていない部分もありますが,化学物質の濃度の高い空間に長期間暮らしていると様々な健康に有害な影響が出るおそれがあります。(
※1:共に接着剤や塗料の溶剤
→ VOC(揮発性有機化合物のこと)
)
参考).その他の原因化学物質 (2007W)
・
接着剤
ベンゼン :接着剤や塗料の溶剤(揮発性溶剤)。
・
木材保存
:土台などの木材の防腐剤用(現場処理・薬剤注入)。
ただし,加圧注入,浸透処理したものの放散量はきわめて少ない。
・
可塑剤 :材料を柔らかくする薬剤。
クロス,フローリングなどの加工に利用されている。
・
その他 :塩素系洗剤,芳香剤農薬,除草剤,花粉,排ガス,ダイオキシン等,上げればきりがない。
● 多様な化学物質の利用
建材(床,壁,天井等),家具 : ホルムアルデヒド等
床下 : しろあり駆除剤(クロルピリホス等)
● 建築物の気密性の向上
● 換気の不足
その2 改正建築基準法に基づくシックハウス対策
1 ホルムアルデヒド対策
ホルムアルデヒドは刺激性のある気体で木質建材などに使われています。以下の3つ(T〜V)の全ての対策が必要となります。
対策T 内装仕上げの制限
内装仕上げに使用するホルムアルデヒドを発散する建材には,次のような制限が行われます。
(F☆☆ 〜 F☆☆☆☆ : ホルムアルデヒド放散量の規格) (F☆☆☆☆はエフ
フォースターと読む)
建築材料の区分 | ホルムアルデヒドの発散 | JIS,JASなどの表示記号 | 内装仕上げの制限 |
建築基準法の規制対象外 |
少ない |
F☆☆☆☆ | 制限なしに使える |
第3種ホルムアルデヒド発散建築材料 | F☆☆☆ | 使用面積が制限される | |
第2種ホルムアルデヒド発散建築材料 | F☆☆ | ||
第1種ホルムアルデヒド発散建築材料 | 旧E2,Fc2又は表示なし | 使用禁止 |
規制対象となる建材は次の通りで,これらには,原則としてJIS,JAS又は国土交通大臣認定による等級付けが必要となります。
木質建材(合板,木質フローリング,パーティクルボード,MDFなど),壁紙,ホルムアルデヒドを含む断熱材,接着剤,塗料,仕上
塗材など
(規制対象の第1〜3種共,建築物に用いられた状態で5年以上経過しているものは,使用面積制限及び使用禁止対象から除く)
対策U
換気設備設置の義務付け
ホルムアルデヒドを発散する建材を使用しない場合でも,家具からの発散があるため,原則として全ての建築物に機械換気設備の設置が義務付けられます。
例えば住宅の場合,換気回数0.5回/h以上の機械換気設備(いわゆる24時間換気システムなど)の設置が必要となります。
※ 換気回数0.5回/hとは,1時間当たりに部屋の空気の半分が入れ替わることをいいます。
対策V 天井裏などの制限
天井裏,床下,壁内,収納スペースなどから居室へのホルムアルデヒドの流入を防ぐため,次の
@〜Bのいずれかの措置が必要となります。
@ 建材による措置 | 天井裏などに第1種,第2種のホルムアルデヒド発散建築材料を使用しない (F☆☆☆以上とする) |
A 気密層,通気止めによる措置 | 気密層又は通気止めを設けて天井裏などと居室とを区画する |
B 換気設備による措置 | 換気設備を居室に加えて天井裏なども換気できるものとする |
2 ク
クロルピリホスは有機リン系のしろあり駆除剤です。居室を有する建築物には使用が禁止(建築物に用いられた状態で5年以上経過しているものを除く)されます。
「対策T内装仕上げの制限/対策U換気設備設置の義務付け/対策V天井裏などの制限」の対策例.
一戸建て住宅及び共同住宅の住戸等 | ||
対策T 内装仕上げ | 対策U 換気設備 | 対策V 天井裏など |
F☆☆☆の場合,床面積の2倍まで F☆☆☆☆の場合,制限なし |
換気回数0.5回/hの24時間換気システムを設置 給気及び排気ファン 局所換気扇(停止時ダンパー付) (ドアアンダーカット又は同換気ガラリの利用OK) |
次のいずれか @建材:F☆☆☆以上 A気密層,通気止め B天井裏などを換気 |
国土交通省 ホームページ
メモ
建築基準法に基づくシックハウス対策について
■ シックハウス対策に係る法令等
■ シックハウス対策に係る法令等は,平成15年(2003年)7月1日に施行されました。
●建築基準法第28条の2(居室内における化学物質の発散に対する衛生上の措置)
●建築基準法施行令第20条の4(発散により衛生上の支障を生じさせるおそれのある化学物質)
●建築基準法施行令第20条の5(居室内において衛生上の支障を生ずるおそれがある物質)
●建築基準法施行令第20条の6(居室を有する建築物の建築材料についてのクロルピリホスに関する技術的基準)
●建築基準法施行令第20条の7(居室を有する建築物の建築材料についてのホルムアルデヒドに関する技術的基準)
●建築基準法施行令第20条の8(居室を有する建築物の換気設備についてのホルムアルデヒドに関する技術的基準)
●建築基準法施行令第20条の9(居室を有する建築物のホルムアルデヒドに関する技術的基準の特例)
●平成14年国土交通省告示第1112号「クロルピリホスを発散するおそれがない建築材料を定める件」
●平成14年国土交通省告示第1113号「第一種ホルムアルデヒド発散建築材料を定める件」
●平成14年国土交通省告示第1114号「第二種ホルムアルデヒド発散建築材料を定める件」
●平成14年国土交通省告示第1115号「第三種ホルムアルデヒド発散建築材料を定める件」
●平成15年国土交通省告示第273号「ホルムアルデヒドの発散による衛生上の支障がないようにするために必要な換気を確保することができる居室の構造方法を定める件」
●平成15年国土交通省告示第274号「ホルムアルデヒドの発散による衛生上の支障がないようにするために必要な換気を確保することができる換気設備の構造方法を定める件」
次の改正に伴い,シックハウス対策の規制の内容に係る変更はありませんが,条文の構成等が変更れています。
・
平成17年における建築基準法の一部改正(平成18年10月1日施行)(環境省のページ)
・
平成18年における建築基準法施行令の一部改正(平成18年10月1日施行)
・
・・・・・・
・
・・・・・・
■ シックハウス対策に係る規制の概要 (詳細は,国交省関係資料等をご覧下さい。)
■ シックハウス対策の規制を受ける化学物質
● クロルピリホス及びホルムアルデヒドが該当します。(令第20条の5)
■
クロルピリホスに関する規制
●
居室を有する建築物には,クロルピリホスを添加した建築材料の使用が禁止されています。(令第20条の6)
■
ホルムアルデヒドに関する規制
●
内装の仕上げの制限: 居室の種類及び換気回数に応じて,内装の仕上げに使用するホルムアルデヒド発散建築材料は面積制限を受けます。(令第20条の7)
●
換気設備の義務付け
: 内装の仕上げ等にホルムアルデヒド発散建築材料を使用しない場合であっても,家具等からもホルムアルデヒドが発散されるため,居室を有する全ての建築物に機械換気設備の設置が原則義務付けられています。(令第20条の8)
●
天井裏等の制限
:
天井裏等は,下地材をホルムアルデヒドの発散の少ない建築材料とするか,機械換気設備を天井裏等も換気できる構造とする必要があります。(平成15年国土交通省告示第274号第1第三号)
以下,ホルムアルデヒドに関する規制の詳細説明
シックハウス対策としての換気設備設置の義務付け
(令第20条の8)
ホルムアルデヒドを発散する建材を使用しない場合でも,家具からの発散があるため,原則として居室を有する全ての建築物に機械換気設備の設置が義務付けられます。
例えば住宅の場合,居室には換気回数 0.5回/h以上の機械換気設備(いわゆる24時間換気システムなど)の設置が必要となります。
24時間換気で満たすべき換気回数 (24時間換気システムはOFFスイッチに常時運転の注意書きがあること。)
住宅等の居室
: 0.5回/h
その他の居室(非住宅系) :
0.3回/h
住宅等の居室には,以下の用途も含まれる。
・住宅の居室居室
・下宿居室
・寄宿舎居室
・家具その他これに類する物品の販売業を営む店舗の売場
緩和).
天井の高さ(CH)が2.9m以上の居室では,高さに応じて換気回数の緩和がある。
例).2.9m≦CH<3.9mの場合 → 0.4回/h
なお,換気設備による換気回数が「0.5回/h以上0.7回/h未満」と「0.7回/h以上」のどちらに該当するかによって使用できる「ホルムアルデヒド発散建築材料」の等級ごとの使用可能面積が変わります。他,告示で以下が定められています。
平成15年273号〔建築基準法関係告示〕
ホルムアルデヒドの発散による衛生上の支障がないようにするために必要な換気を確保することができる居室の構造方法を定める件
参考).診療所兼住宅の建築物について
診療所の換気回数は?
換気の性能は必要換気量だけでなく,換気回数でも評価されます。
現在,厚生労働省の基準では屋内の空気が1時間あたり2回以上,外気と入れ替わる換気回数(2回/h)が推奨されています。建築基準法では0.5回/h以上です。
厚生労働省の基準は建築基準法より厳しい数値になっています。
診察室の換気量(m3/h)はどのくらい?
通常,小規模医療機関の建物では,換気量は在室・員当たり20m3/hで設計されていることが多いが,新型コロナウイルスの対応としては,厚・労働省が在室・員当たり30m3/hを
推奨している。
換気回数と換気量について
換気は,室内の汚れた空気を新鮮な外気と入れ替えることで,その効果は室内の空気が1時間に何回外気と入れ替わるかで表される。この回数を換気回数(回/h)といい,入れ替わる空気の量を換気量(m3/h)という。
必要な1時間あたりの換気の回数は,必要換気量を部屋の体積を割って求めます。部屋の体積分の空気を1時間に何回室内へと入れるか,という意味でもあります。例えば,100m3の部屋に50m3の空気を入れると,換気回数は0.5回だと言えます。
換気回数とは,次の式によって計算した数値をいうものとする。
n = V / (A h)
この式において,n,V,A 及び h は,それぞれ次の数値を表すものとする。
n
: 1時間当たりの換気回数
V
: 機械換気設備の有効換気量(次条第1項第一号ロに規定する方式を用いる機械換気設備で同号ロ(1)から(3)までに掲げる構造とするものにあっては,同号ロ(1)に規定する有効換気換算量)(単位
m3/h)
A
: 居室の床面積(単位 u)
h
: 居室の天井の高さ(単位 m)
シックハウス対策としての換気は,住宅全体について化学物質濃度を低下させるために,「全般換気」(住宅全体を換気),「機械換気」,「連続運転」(常時の汚染・臭気発生源(居室など)を換気)とする必要があります。
機械換気は,給気と排気の両方,またはどちらかにファンが必要ですが,その組み合わせにより「第1種換気」,「第2種換気」,「第3種換気」の3種類の方法に分類されます。
以下,機械換気の種類
第1種換気
: 給気と排気の両方とも換気ファンを用いるもの
第2種換気
: 給気は換気ファン,排気に換気口を用いるもの
第3種換気
: 排気は換気ファン,給気に換気口を用いるもの
(注.給気量又は排気量(換気量)は全圧力損失を考慮した能力とすること。)
換気対策の義務付け (@居室,A居室以外の室,B天井裏等)
@ 居室(居間,寝室,子供室,台所,書斎など居住,執務,作業等に継続的に使用する室)については,建築材料による対策と換気設備による対策の両方の対策が必要。
A 居室以外の室(廊下,階段,トイレ,浴室等)については,居室の換気のための換気経路としている場合は,居室と一体のものとして居室と同様の対策(居室として扱われる)が必要。この場合,その合計の床面積に天井高をかけた容積(居室以外の室の同容積(気積)も居室に含めること)に応じた換気量を持つ換気設備を設置する必要がある。全体を居室とみなした計算(合計)が必要ということ。
※例えば,住宅の居室それぞれに換気扇をつけることは少ないはず。
寝室などには給気口のみを設置し,トイレや浴室で排気する計画が一般的。
以下,換気経路(給気の空気の流れ)として,廊下やトイレ等の開き戸等の建具にガラリやアンダーカットを施せばOK。)
なお,換気経路としない場合は,居室と分離されているので対策は不要。
換気及び経路給気についての例
・ 開き戸(ガラリやアンダーカット)のあるもの,折れ戸,引き戸,ふすま,障子などで居室と仕切られ,換気経路になっている廊下は居室と一体とみなされます。
・ 居室からの排気をトイレ,浴室等からまとめて排気する場合はトイレ,浴室等は居室と一体とみなされます。
・ 給気経路になっている納戸,ウォークインクローゼット等は,居室と一体とみなされます。
B
居室に隣接している天井裏等(天井裏,収納スペース等)については,高い濃度のホルムアルデヒドが居室に流入しないよう,原則として下記
1)〜3)
のように,建築材料対策,気密層・通気止め対策又は換気設備対策のいずれかの対策が必要。
天井裏等とは,天井裏,屋根裏,床下,壁(内部)等のことですが,居室に設けられる収納スペース(押入れ,ウォークインクロゼット,造りつけ収納,床下収納等),ロフトも天井裏等に含まれます。ただし,収納スペースであっても,給気経路になっている場合は,居室と一体とみなします。
1).規制対象外の建築材料による措置 → 第1種、第2種のホルムアルデヒド発散建築材料を使用しない(F☆☆☆以上とする)
2).気密層,通気止めによる措置 →
気密層又は通気止めを設けて天井裏などと居室とを区画する
区画すれば 1),3)
のいずれの対策も不要
(気密層又は通気止めの方法についての解説は省略します。)
3).換気設備による措置 →
換気設備を居室に加えて天井裏なども換気できるものとする
※
天井裏等に含まれる収納,ロフト等が給気経路となっていない場合は,個別に換気計算が必要。(又は,建築材料の措置でもOK。)
(計算方法 省略)
天井裏等について換気設備による対策を行う場合は,以下のいずれかに該当する必要があります。
@.
居室の換気設備が第1種換気設備である場合は,居室内部の空気圧が天井裏等の空気圧を下回らないようにするか,天井裏等から別途,排気する。
A. 居室の換気設備を第2種換気設備とする。
B.
居室の換気設備が第3種換気設備の場合は,その設備で天井裏等も排気するか,専用の排気設備を天井裏等に設置する。
必要換気量の計算方法6つ
1.必要換気量の計算方法1:占有面積から計算する
まずは,1人あたりの占有面積から計算する方法です。
この場合,必要換気量(m3/h)は,20×居室の床面積(m2)÷1人あたりの占有面積(m2)で求めることができます。
この式の「20」は,20(m3/h・人)の意味です。この根拠は,成人男子が静かに座っている場合の二酸化炭素(CO2)排出量に基づいた1人あたりの必要な換気量を表しています。
・
必要換気量の計算例1:居室系の場合
居室系の場合,例えば床面積が10m2で天井の高さが2.5m,人員が2人の住宅の居室での換気量を計算します。
1人あたりの占有率から必要換気量を求めると,(20×10)÷(10÷2)=40(m3/h)となります。
次に,シックハウス対策での換気量から計算すると,住宅の居室の換気回数は0.5以上なので,0.5×10×2.5=12.5となり,必要換気量は12.5(m3/h)以上となります。
2つの計算で求めた値を両方満たす数値を,設計換気量として設定します。
・
必要換気量の計算例2:非居室系の場合
トイレや更衣室など,非居室系の場合は,部屋の換気回数を目安として計算します。
床面積が10m2で天井の高さが2.5m,常時人がいるわけではない更衣室の場合を例に挙げます。更衣室の換気回数の目安は5なので,5×10×2.5=125となり,必要換気量は125(m3/h)となります。
・
必要換気量の計算例3:事務所の場合
事務所の場合は,1人あたりの占有面積の目安が5uとなっています。
例えば床面積10m2天井の高さ2.5mの事務所の必要換気量を占有面積から計算すると,20×10÷5=40となり,必要換気量は40(m3/h)となります。
次に,シックハウス対策での換気量から計算すると,事務所は非住宅なので換気回数は0.3以上となります。0.3×10×2.5=7.5という式になり,必要換気量は7.5(m3/h)以上となります。
参考1).業務用施設での換気設備の基準となる1人当り占有面積例
建物区分 |
1人当り占有面積(N) |
備考 |
レストラン・喫茶店 |
3m2 |
営業の用途に供する部分の床面積 |
キャバレー・ビヤホール |
2m2 |
営業の用途に供する部分の床面積 |
料亭・貸席 |
3m2 |
営業の用途に供する部分の床面積 |
店舗マーケット |
3m2 |
営業の用途に供する部分の床面積 |
ダンスホール・ボウリング場 |
2m2 |
営業の用途に供する部分の床面積 |
旅館・ホテル |
10m2 |
営業の用途に供する部分の床面積 |
集会場・公会堂 |
0.5〜1m2 |
単位当り算定人員と同時に収容し得る人員 |
事務所 |
5m2 |
事務室の床面積 |
計算例
居間における必要換気量を求めます。
部屋の広さ13.2m2(8畳),人員4人の場合
(20×13.2)÷(13.2÷4)=80
m3/h
参考2).床面積当り必要換気量に基づく方法
必要換気量(m3/h)=室の床面積当り換気量(m3/m2・h)×室面積(u)
床面積当り必要換気量 (1m2あたり)
室名 |
標準在室密度(m2/人) |
必要換気量(m3/m2・h) |
事務所(個室) |
5.0 |
6.0 |
事務所(一般) |
4.2 |
7.2 |
銀行営業室 |
5.0 |
6.0 |
商店売場 |
3.3 |
9.1 |
デパート(一般売場) |
1.5 |
20.0 |
デパート(食品売場) |
1.0 |
30.0 |
デパート(特売場) |
0.5 |
60.0 |
レストラン・喫茶(普通) |
1.0 |
30.0 |
レストラン・喫茶(高級) |
1.7 |
17.7 |
宴会場 |
0.8 |
37.5 |
ホテル客室 |
10.0 |
3.0 |
劇場・映画館(普通) |
0.6 |
50.0 |
劇場・映画館(高級) |
0.8 |
37.5 |
休憩室 |
2.0 |
15.0 |
娯楽室 |
3.3 |
9.0 |
小会議室 |
1.0 |
30.0 |
バー |
1.7 |
17.7 |
美容室・理髪室 |
5.0 |
6.0 |
住宅・アパート |
3.3 |
9.0 |
食堂(営業用) |
1.0 |
30.0 |
食堂(非営業用) |
2.0 |
15.0 |
備考).
・ 必要換気量は,室内炭酸ガス許容濃度0.1%になるよう,1人あたりの換気量を30m3/hとして算出。
・
居室の必要換気量参考値(抜粋):(空調・衛生工学会規格「HASS
102 1972」より)
2.必要換気量の計算方法2
: シックハウス対策の換気量を計算する
シックハウス対策の換気量の計算方法です。これは,建築基準法で定められた24時間運転の換気量になり,居室系の部屋に義務付けられている換気量です。
必要換気量は,換気回数(回/h)×居室の床面積(m2)×天井の高さ(m)で求められます。
この換気回数は居室の種類によって違い,住居の居室等であれば0.5以上,それ以外の非住宅系であれば0.3以上が必要になります。
3.必要換気量の計算方法3
: 居室以外の部屋の必要換気回数を計算する
居室以外の部屋において,必要換気回数から必要換気量を求める方法です。トイレや更衣室,浴室など,居室以外の使用頻度が多くない部屋や水回りの換気量を計算する時に用いられます。
必要換気量は,毎時必要換気回数(回/h)×部屋の体積(m3)で求められます。
この必要換気回数の目安は建築設備設計基準によって決められています。例えばトイレや洗面所は1時間あたり5〜15回,ロッカーや更衣室は5回,書庫や倉庫は5回,配膳室は8回,浴室は5回などです。
4.必要換気量の計算方法4
: 汚染濃度から計算する
室内の汚染濃度から必要換気量を求める方法です。必要換気量は,空気環境を良好な状態のまま保つために必要な最小限の取入外気の量になります。
この場合の必要換気量は,汚染物質発生量(m3/h)÷(許容汚染物質濃度―外気汚染濃度)で求めることができます。
5.必要換気量の計算方法5 :
厨房などの器具から求める方法
電化厨房機器について (以下,「採光・換気」から転記)
● 参考).電化厨房機器を使用する場合の留意事項 (法28条3項,令20条の3,S45告示1826)
電気給湯器やIHクッキングヒーター(電磁誘導加熱式調理器)等は直接火気を使用するものでないため,火気使用室の換気設備の適用はないが,熱,水蒸気,臭気等のによる不快感除去や結露防止等良好な室内環境を保つのため,一定の換気設備を設けたい。
一般的な家庭用電化厨房の『建築設備設計・施工上の指導指針』ではミニキッチンで200m3/h,一般家庭用で300m3/h以上の換気量が望ましい目安とされています。
業務用の電化厨房については、必要換気量=30×定格消費電力(kW)で求める、または厨房の換気回数を20回/hにする、という目安があります。
注意).居室を兼用している厨房などは,シックハウス対策として換気設備(24時間常時換気)が必要となるので注意が必要。
6.必要換気量の計算方法6:理論廃ガス量から求める場合
詳細は左フレーム内INDEXの「採光・換気
」(火を使用する室,他)の【火を使用する室に設けなければならない換気設備等】を参照してください。
建築基準法施行令
【居室を有する建築物の建築材料についてのホルムアルデヒドに関する技術的基準】
第20条の7
建築材料についてのホルムアルデヒドに関する法第28条の2第三号の政令で定める技術的基準は,次のとおりとする。
一 居室(常時開放された開口部を通じてこれと相互に通気が確保される廊下その他の建築物の部分を含む。以下この節において同じ。)の壁,床及び天井(天井のない場合においては,屋根)並びにこれらの開口部に設ける戸その他の建具の室内に面する部分(回り縁,窓台その他これらに類する部分を除く。以下この条において「内装」という。)の仕上げには,夏季においてその表面積1m2につき0.12mg/時間を超える量のホルムアルデヒドを発散させるものとして国土交通大臣が定める建築材料(以下この条において「第1種ホルムアルデヒド発散建築材料」という。)を使用しないこと。(参考1)
二 居室の内装の仕上げに,夏季においてその表面積1uにつき0.02mg/時間を超え0.12mg/時間以下の量のホルムアルデヒドを発散させるものとして国土交通大臣が定める建築材料(以下この条において「第2種ホルムアルデヒド発散建築材料」という。)又は夏季においてその表面積1m2につき0.005mg/時間を超え0.02mg/時間以下の量のホルムアルデヒドを発散させるものとして国土交通大臣が定める建築材料(以下この条において「第3種ホルムアルデヒド発散建築材料」という。)を使用するときは,それぞれ,第2種ホルムアルデヒド発散建築材料を使用する内装の仕上げの部分の面積に次の表(一)の項に定める数値を乗じて得た面積又は第3種ホルムアルデヒド発散建築材料を使用する内装の仕上げの部分の面積に同表(二)の項に定める数値を乗じて得た面積(居室の内装の仕上げに第2種ホルムアルデヒド発散建築材料及び第3種ホルムアルデヒド発散建築材料を使用するときは,これらの面積の合計)が,当該居室の床面積を超えないこと。(参考2)
住宅等の居室 | 住宅等の居室以外の居室 | ||||
換気回数が0.7以上の機械換気設備を設け,又はこれに相当する換気が確保されるものとして,国土交通大臣が定めた構造方法を用い,若しくは国土交通大臣の認定を受けた居室 | その他の居室 | 換気回数が0.7以上の機械換気設備を設け,又はこれに相当する換気が確保されるものとして,国土交通大臣が定めた構造方法を用い,若しくは国土交通大臣の認定を受けた居室 | 換気回数が0.5以上0.7未満の機械換気設備を設け,又はこれに相当する換気が確保されるものとして,国土交通大臣が定めた構造方法を用い,若しくは国土交通大臣の認定を受けた居室 | その他の居室 | |
(一) | 1.20 | 2.80 | 0.88 | 1.40 | 3.00 |
(二) | 0.20 | 0.50 | 0.15 | 0.25 | 0.50 |
備考 一 この表において,住宅等の居室とは,住宅の居室並びに下宿の宿泊室,寄宿舎の寝室及び家具その他これに類する物品の販売業を営む店舗の売場(常時開放された開口部を通じてこれらと相互に通気が確保される廊下その他の建築物の部分を含む。)をいうものとする。 二 この表において,換気回数とは,次の式によつて計算した数値をいうものとする。 n=V/Ah この式において,n,V,A及びhは,それぞれ次の数値を表すものとする。 n 一時間当たりの換気回数 V 機械換気設備の有効換気量(次条第1項第一号ロに規定する方式を用いる機械換気設備で同号ロ(1)から(3)までに掲げる構造とするものにあつては,同号ロ(1)に規定する有効換気換算量)(単位 ㎥/時間) A 居室の床面積(単位 m2) h 居室の天井の高さ(単位 m) |
3 第1種ホルムアルデヒド発散建築材料又は第2種ホルムアルデヒド発散建築材料のうち,夏季においてその表面積1m2につき0.02mg/時間を超える量のホルムアルデヒドを発散させないものとして国土交通大臣の認定を受けたもの(次項の規定により国土交通大臣の認定を受けたものを除く。)については,第3種ホルムアルデヒド発散建築材料に該当するものとみなす。
4 第1種ホルムアルデヒド発散建築材料,第2種ホルムアルデヒド発散建築材料又は第3種ホルムアルデヒド発散建築材料のうち,夏季においてその表面積1m2につき0.005mg/時間を超える量のホルムアルデヒドを発散させないものとして国土交通大臣の認定を受けたものについては,これらの建築材料に該当しないものとみなす。
5 次条第1項第一号ハに掲げる基準に適合する中央管理方式の空気調和設備を設ける建築物の居室については,第1項の規定は,適用しない。
参考1).
居室の廊下との通気には,ドアーのアンダーカットを含む。
参考2).
● 第2種ホルムアルデヒド発散建築材料の使用面積×表(一)の項に定める数値≦当該居室の床面積
● 第3種ホルムアルデヒド発散建築材料の使用面積×表(二)の項に定める数値≦当該居室の床面積
● 第2種及び3種の両方を使用する場合
第2種ホルムアルデヒド発散建築材料の使用面積×表(一)の項に定める数値+第2種ホルムアルデヒド発散建築材料の使用面積×表(二)の項に定める数値≦当該居室の床面積
増改築に関する規制
増改築部分と既存部分の間が,ドアアンダーカットや換気ガラリなど通気措置がとられた建具などで仕切られている場合は,増改築部分と既存部分両方がシックハウス対策の規制の対象となる。この場合,換気設備については,既存部分も含めて必要換気量,換気経路等を検討し,適切な換気設備を設置するこどが必要となる。
増改築部分と既存部分の間が,壁もしくは通気措置のない建具などで仕切られている場合は,増改築部分だけがシックハウス対策の規制の対象となる。
また既存部分に使われている建材に対しては,
・築5年を過ぎた建物に使われている建材は規制の対象とはならない。
・築5年以内の建物に使われている建材で,ホルムアルデヒドの発散等級が確認できないものは,使用が禁止されている第1種ホルムアルデヒド発散建築材料とみなされる。
換気の確保について
まず新築やリフォーム時の初動の場合における換気量の確保が重要である。工事完了後は,化学物質の濃度が高いことが想定されるため,換気システムを確実に作動させる必要がある。
また竣工後には,確実に作動し設計した風量が確保されているかどうか,あるいは,0.5回/hの換気回数を確保するための動作モード等について確認することも必要である。
※
シックハウス検討表 サンプルファイルダウンロード (左のフレームの「法規関連資料のダウンロード」より)
福祉施設 |
a1_150_houki_check_shick_musoukai.dwg 注意 →
README 表示
:DWF HTM
(別ウィンドウで表示)
法規チェック図 シックハウス使用建築材料表,無窓階検討表 (図の右側に無窓階検討表が一緒になっているものです。) 表:Excelリンク表示 (.ver 2002) |
a1_150_houki_check_shick.xls
シックハウス使用建築材料表 (上記DWGから起動して保存したもの。 .ver 2002) |
|
a1_150_houki_check_musoukai.xls
消防法による無窓階の検討 (上記DWGから起動して保存したもの。 .ver 2002) |
住宅のシックハウス換気計算書_A4.xls (別ウィンドウで表示)
住宅のシックハウス換気計算書_A4.xls
(作成 Excel 2002)
(DWGへの挿入用)
T診療所シックハウス換気計算書_A3.xls (別ウィンドウで表示)
T診療所シックハウス換気計算書_A3.xls
(作成 Excel 2002)
診療所兼住宅ですが,上記「住宅のシックハウス換気計算書_A4」と換気方式及び表の作成方式が異なります。
参考).現在,厚生労働省の基準では屋内の空気が1時間あたり2回以上,外気と入れ替わる換気回数(2回/h)が推奨されています。建築基準法では0.5回/h以上です。厚生労働省の基準は建築基準法より厳しい数値になっています。
参考).換気計算書においては,換気種別列に「給気口及び排気口」(第3種)と直に表記したり,「自然給気口による給気量」(m3/h)の列を設けて数値を記入(例:150など)する方式もOKのようです。
■ 002 石綿の措置等について
(「国土交通省.htm」より抜粋)
国土交通省 法令等
(基準法)
【石綿その他の物質の飛散又は発散に対する衛生上の措置】
第28条の2
建築物は,石綿その他の物質の建築材料からの飛散又は発散による衛生上の支障がないよう,次に掲げる基準に適合するものとしなければならない。
一 建築材料に石綿その他の著しく衛生上有害なものとして政令で定める物質(次号及び第三号において「石綿等」という。)を添加しないこと。
二 石綿等をあらかじめ添加した建築材料(石綿等を飛散又は発散させるおそれがないものとして国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものを除く。)を使用しないこと。
三
居室を有する建築物にあつては,前二号に定めるもののほか,石綿等以外の物質でその居室内において衛生上の支障を生ずるおそれがあるものとして政令で定める物質の区分に応じ,建築材料及び換気設備について政令で定める技術的基準に適合すること。
参考).石綿(アスベスト)と岩綿(ロックウール)の違いについて
石綿(アスベスト)は天然の鉱物で,ふわふわと軽く,外観は粉状ですが個々の粉は猫のひげ(ウィスカー)みたいに尖がった形をしています。これが肺に吸引されると,肺の細胞に突き刺さり,最終的には癌の原因となります。
一方,岩綿(ロックウール)は,人工的に天然の岩石を高熱で溶かして,それを細いノズルから噴出させて繊維状にします。したがって,アスベストとロックウールの大きな違いは,繊維の径で,一般的にロックウールの方が数百倍,数千倍,径が大きいです。
ロックウールは,アスベストと比べて,空気中に飛散しづらく,健康を損ねる危険性が非常に低いのですが,これとて,粉砕すると長い繊維が切れて粉状になり,空気中に舞うこともあり,100%安全であるとは言えません。
参考).断熱材及び耐火被覆材としての吹付けロックウール使用について
ロックウールは基本的には石綿が体に害があると解ってから,それにとって変わった商品ですので,問題はない。JISA9521のロックウールについては,現行の規格ですので混入はされていないでしょう。しかし,100%安全であるとは言えない。どうしても気になるのなら,発泡ウレタンを用いた板状の断熱材に変えるしか手が無いが,値段的に非常に高くつく。
「アスベスト」関連の詳細について (「岐阜県建築物のアスベスト対策1.htm」及び「高知県工業技術センターのお知らせ」他より)
アスベストは目に見えない繊維であり,吸い込んだ場合には「石綿肺」「肺ガン」「悪性中皮腫」など健康に障害をきたす可能性があります。
アスベストとは
アスベスト(石綿)とは,天然の繊維状鉱物で耐熱性,耐摩耗性に優れた物質で,クリソタイル(白石綿・温石綿),クロシドライト(青石綿),アモサイト(茶石綿),アンソフィライト,トレモライト,アクチノライトの6種類に分類されます。
アスベストは耐熱性,耐摩耗性に優れている特性から,建材や自動車部品に使用されており,特に1970年から1990年頃まで多く輸入されています。
アスベストを含んだ建材について
建築物に使用されてきたアスベストは,大きく分けると次の二つ(1.及び2.)に分類されます。
1.飛散性アスベスト
吹き付けアスベスト(昭和50年中止),アスベスト含有吹き付けロックウール,吹き付けひる石,パーライト吹き付け,発泡けい酸ソーダ,折板裏打ちアスベスト断熱材など。
主な使用場所 → 駐車場,機械室,鉄骨造建築物の柱・梁の耐火被覆など。
「吹き付けの種類」と「石綿含有の可能性」のある使用年
一般名称 | 使用期間 |
吹き付け石綿(アスベスト) | 昭和30年頃 〜 昭和50年 |
石綿含有吹付け岩綿(ロックウール) | 昭和50年 〜 平成元年 |
「吹き付けひる石」「パーライト吹き付け」など,その他の吹付け |
〜 平成8 |
アスベストはその繊維が空気中に浮遊した状態にあると危険である(※1)といわれており,「飛散性アスベスト」は劣化などにより飛散する可能性があることから,吹き付けの状態に応じた適切な対応が必要となります。
※1:(昭和63年環境庁及び厚生省通知)
2.非飛散性アスベスト
外壁・屋根用石綿スレート,ビニール床タイル(昭和61年中止),石綿セメント板(平成16年中止),石綿含有ケイ酸カルシウム板(同第2種:平成元年中止/同第1種:平成5年中止),天井用石綿スレート,石綿含有フレキシブルボード,石綿含有耐火被覆材(昭和50年中止)など。
その他 → 押出成形セメント板(平成16年中止),住宅屋根用化粧スレート(平成16年中止),繊維強化セメント板(平成16年中止),窯業用サイディング(平成16年中止)
主な使用場所 → 外壁材,屋根材,内装用ボード類など。空調設備のダクトやボイラー,各種プラントにおける保温材など。
「非飛散性アスベスト」については,通常の使用状態(損傷,劣化などがない状態。)であれば飛散する可能性は低いといわれています。
(施行令)
第1節の3 石綿その他の物質の飛散又は発散に対する衛生上の措置
【著しく衛生上有害な物質】
第20条の4
法第28条の2第一号 (法第88条第1項
において準用する場合を含む。)の政令で定める物質は,石綿とする。
平成18年1172号 〔建築基準法関係告示〕
石綿等をあらかじめ添加した建築材料で石綿等を飛散又は発散させるおそれがないものを定める件
平成18年9月29日 国土交通省告示第1172号
建築基準法(昭和25年法律第201号)第28条の2第二号の規定に基づき,石綿等を飛散又は発散させるおそれがないものとして国土交通大臣が定める石綿等をあらかじめ添加した建築材料を次のように定める。
建築基準法(昭和25年法律第201号)第28条の2第二号に規定する石綿等を飛散又は発散させるおそれがないものとして国土交通大臣が定める石綿等をあらかじめ添加した建築材料は,次に掲げるもの以外の石綿をあらかじめ添加した建築材料とする。
一 吹付け石綿
二
吹付けロックウールでその含有する石綿の重量が当該建築材料の重量の0.1%を超えるもの
附則 <平成18年国土交通省告示第1172号>
この告示は,石綿による健康等に係る被害を防止するための大気汚染防止法等の一部を改正する法律の施行の日(平成18年10月1日)から施行する。
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