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排煙・無窓居室・無窓階

「 目 次 」

排煙

はじめに
H12告示1436号は平成27年3月18日に改正され同日施行されています。

■ 
001 
建築基準法施行令第126条の2
       建築基準法施行令第126条の2 全文
       
(1)排煙設備を必要とする建築物  (「令126条の2」及びただし書きのまとめ〈表〉)
       
(2)排煙設備の構造基準(令126条の3) 概略
       告示 平成12年1436号 全文 (排煙設備の緩和)
       
「H12告示1436号第一号〜第三号」排煙設備の構造基準の緩和のまとめ
       H12告示1436号第二号 排煙設備の構造基準の緩和 概略図
       H12告示1436号第三号 排煙設備の構造基準の緩和 概略図
       「H12告示1436号第四号」排煙設備の緩和のまとめ
       
「H12告示1436号四号」適用の留意事項
                     ● 廊下の排煙設備は本当に必要か
        防煙区画の構造
        吹抜け部分の防煙区画について
        自然排煙についての留意事項
       B 天井高さが異なる場合の有効開口部の取り方
       排煙窓側の天井の一部が高い場合は
       
その他の留意事項
       機械排煙についての留意事項 (省略)
       自然排煙開口の各種断面タイプ 例 1〜12 (サンプルファイルダウンロード)

■  002 排煙口設置における天井の高さ
       
排煙口設置における天井の高さ
       原則/緩和の基本
       勾配屋根の場合の解釈1/勾配屋根の場合の解釈2
       
防煙壁の材質について
       
避難安全検証法(令第129条の2,令第129条の2の2)
 
■  003 改正「平成12年建設省告示第1436号」について

■  004 排煙設備の設置基準の合理化(排煙規定の別棟みなし適用の範囲の拡大)について (「国土交通省.htm」より抜粋)


無窓居室・無窓階

■ 
M001 
無窓居室と無窓階について
       
建築基準法の「無窓居室」と消防法における「無窓階」
       
建築基準法上の無窓居室に関する各種規制
       令111条が改正されています  (Webサイトより抜粋)
       
『消防法における「無窓階」』 (サンプルファイルダウンロード)
      
消防法における「無窓階」と判定されると
       
「無窓階」の細部留意事項
        
1 開口部の位置
          (1) 規則第5条の2第2項第1号に規定する「床面から開口部の下端までの高さ」について
          (2) 規則第5条の2第2項第2号に規定する「通路その他の空地」について
            オ 周囲が建物で囲われている中庭等で,当該中庭から道に通じる通路があり,・・・・・・
          (3) 規則第5条の2第2項第4号に規定する「開口のため常時良好な状態」について
        
2 開口部の構造
          (1) ガラス窓/(2) シャッター付開口部/(3) ドア/(4) 二重窓
          表−1  ( (1) ガラス窓 の取扱い
         
表−2 有効開口部
        3 その他
        
居室とは(おさらい) (法2条1項4号)


排煙

はじめに
H12告示1436号は平成27年3月18日に改正され同日施行されています。

後述の「
■  003 改正「平成12年建設省告示第1436号」について 」を参照してください。


■  001 建築基準法施行令第126条の2

3節 排煙設備
建築基準法施行令第126条の2 全文
【設置】
第126条の2 法別表第1(い)欄(1)項から(4)項までに掲げる用途に供する特殊建築物で延べ面積が500uを超えるもの,階数が3以上で延べ面積が500uを超える建築物(建築物の高さが31m以下の部分にある居室で,床面積100u以内ごとに,間仕切壁,天井面から50p以上下方に突出した垂れ壁その他これらと同等以上に煙の流動を妨げる効力のあるもので不燃材料で造り,又は覆われたもの(以下「防煙壁」という。)によって区画されたものを除く。),第116条の2第1項第二号に該当する窓その他の開口部を有しない居室又は延べ面積が1,000uを超える建築物の居室で,その床面積が200uを超えるもの(建築物の高さが31m以下の部分にある居室で,床面積で100u以内ごとに防煙壁で区画されたものを除く。)には,排煙設備を設けなければならない。ただし,次の各号のいずれかに該当する建築物又は建築物の部分については,この限りでない。

法別表第1⇒法別表第1「耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない特殊…」

一 法別表第1(い)欄(2)項に掲げる用途に供する特殊建築物のうち,
準耐火構造の床若しくは壁又法第2条第九号のニロに規定する防火設備で区画された部分で,その床面積が100u(共同住宅の住戸にあっては,200u)以内のもの

法別表第1⇒法別表第1「耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない特殊…」

二 学校,体育館,ボーリング場,スキー場,スケート場,水泳場又はスポーツの練習場(以下「学校等」という。)

三 階段の部分,昇降機の昇降路の部分(当該昇降機の乗降のための乗降ロビーの部分を含む。)その他これらに類する建築物の部分

四 機械製作工場,不燃性の物品を保管する倉庫その他これらに類する用途に供する建築物で主要構造部が不燃材料で造られたものその他これらと同等以上に火災の発生のおそれの少ない構造のもの

五 火災が発生した場合に避難上支障のある高さまで煙又はガスの降下が生じない建築物の部分として,天井の高さ,壁及び天井の仕上げに用いる材料の種類等を考慮して国土交通大臣が定めるもの

国土交通大臣が定め⇒告平12年1436号「火災が発生した場合に避難上支障のある高さまで煙又は…」

2 建築物が開ロ部のない
準耐火構造の床若しくは壁又は法第2条第九号のニロに規定する防火設備でその構造が第112条第14項第一号イ及びロ並びに第二号ロに掲げる要件を満たすものとして,国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたもので区画されている場合においては,その区画された部分は,この節の規定の適用については,それぞれ別の建築物とみなす

国土交通大臣が定め⇒告昭48年2564号「防火区画に用いる遮煙性能を有する防火設備の構造方法…」



「令126条の2」を,ただし書き含めて表にまとめると以下のようになる。

(1)排煙設備を必要とする建築物 (令126条の2)

  対象建築物又はその部分 設置免除される建築物及びその部分
@ 第1項
特殊建築物
(法別表1(い)欄(1)〜(4))
(1)劇場,映画館,演芸場,観覧易,公会堂,集会場

延べ面積>500u
(注意1の1,2)

---

第1項第三号
階段の部分,昇降路の部分,乗降ロビーその他これらに類する建築物の部分

(注意1の6,7)

第1項第四号
機械製作工場,不燃性物品倉庫などで,主要構造部が不燃材料のもの,その他同等以上に火災の発生のおそれの少ない構造のもの
(注意1の8)

第1項第四号
H12告示1436号4号に該当する建築物の部分(表2-67参照(告示による各緩和))
(注意6)

2項
建築物が開口部のない
準耐火構造又は防火設備常時閉鎖又は煙感知器連動)で完全に区画されている場合は,その区画された部分は別の建築物とみなして@〜Cに該当するかどうか検討すればよい。
(注意5)

(2)病院,診療所(病室があるもの),ホテル,旅館,下宿,共同住宅,寄宿舎,児童福祉施設等 第1項第一号
100u以内に防火区画された部分(共同住宅の住戸は
200u以内
(注意1の3,4,5)
(3)学校,体育館,博物館,美術館,図書館,ボーリング場,スキー場,スケート場,水泳場,スホーツ練習場 第1項第二号
学校,体育館,ボーリング場,スキー場,スケート場,水泳場,スポーツ練習場
(4)百貨店,マーケット,展示場,キャバレー,ナイトクラブ,カフェー,バー,ダンスホール,遊技場,公衆浴場,待合,飲食店,料理店,物販店舗(>10u) ---
A 第1項
階数≧3で,延べ面積>500uの建築物

(注意2の1)
高さ≦31mの部分で100u以内ごとに防煙壁で区画された居室
Cの無窓居室のチェックは必要)
(注意2
の2)
B 第1項
延べ面積>1,000uの建築物で,床面積>200uの居室
(注意3)

居室

C 第1項
令116条の2第1項2号に該当する開口部を有しない居室

(注意4の1)
---
(注意4
の2)










































[注意]

@.
注意1).
.<500uに区画しないと1/50の開口部を確保しても排煙設備は必要となる。
.<500uに区画した場合,居室は1/50を確保すればOKとなる(後述のCを満足するということ)。
.居室は1/50開口部の確保も必要。
.住宅は床面積≦200uの場合,換気1/20が確保されていれば1/50開口部も必要ない。
.「床面積≦100u+内装制限」の「告示第1436号第1項第4号のハの(4)」の方法もある(1/50開口部不必要)。
.その他これらに類する建築物の部分とは → 廊下,倉庫及び湯沸室等
.後述の@,A以外は1/50開口部は必要ない。
.機械製作工場等の例 → S造床面積1500u

A.
注意2).
.階数は地下を含めて算定すること。
.100u以内ごとに防煙区画をし,かつ1/50が確保されていれば排煙設備は必要ないという意味(元々1/50が確保されていても<500uの区画がされていなければ排煙設備が必要なため)。「500uの区画」か,「100uの防煙区画+1/50の開口部」かどちらかということ。

B.
注意3).
居室の床面積の合計ではなく,それぞれの居室の床面積の意。

C.
注意4).
.排煙上の無窓居室のこと。
.居室以外の廊下,倉庫及び湯沸室等は除かれるということだが,地域,行政庁によっては廊下だけは含めるよう指導されることがある(@,Aが満足されていても)。なお,廊下等非居室は告示の緩和がある。

注意5).
この
2項の扱いは本来既存建築物の増改築に伴う救済措置として設けられたものであり,新築の建築物には適用しないとする行政庁があります。また,適用する場合でも,行政庁によっては建築物の形態や面積に条件をつけています。

参考)2項が適用された例 (審査機関:ビューロベリタスジャパン 申請地:府中市,)
取扱い
・ 防煙区画した告示1436号4号に該当する建築物の部分は別の建築物の部分とみなし,500u以下の区画を採用する場合の算定にも含まなくて良い(除外する)。
・ また,500u以下の区画の場合,廊下と居室の間は防煙区画の性能は必要ない。
・ 排煙計算による天井からの有効高さは,H=80cmとする。

・ 防火設備である防火区画に用いる扉は,遮音性能が必要。

注意6).
H12告示1436号は平成27年3月18日に改正され同日施行されています。後述の「
■  003 改正「平成12年建設省告示第1436号」について 」を参照してください。


注意).

・ 避難経路である廊下と居室とを同一防煙区画とすることは避難上支障をきたすので望ましくない

・ 同ー防煙区画内やたれ壁で区画された2以上の防煙区画に機械排煙と自然排煙を併用することは認められない

・ 防煙区画で,画個々に間仕切りされた室を同ー防煙区画とみなす場合の取扱い(法第35条,令第126条の2,3)
間仕切壁の上部が排煙上有効に開放されている場合の2室(連続した3室は不可)については,原則として,同一防煙区画とみなすものとする。ただし,「排煙上有効に開放されている」とは,次の条件に該当する場合とする。
@ 間仕切壁の上部で
天井面から50cm下方までの部分が開放されていること。
A 当該開放部分の面積がそれぞれ
排煙を負担する床面積の1/50以上であること
屋外に対して前の室(A)+奥の室(B(又はB,C))とすると,B(又はB,C)も床面積の1/50の開口(
常開)が必要で,かつAが負担する1/50の開口はA+B(又はB,C)の床面積の1/50以上が必要となる。
(参考 :昭和46年12月4日住指発第905号)




(2)排煙設備の構造基準(令126条の3) 概略

自然排煙設備 → 窓等により,自然に煙を排出する構造

機械排煙設備 → 排煙機により,強制的に煙を排出する構造

自然
及び機械排煙設備の構造基準(令126条の3第1項)
 (省略)



排煙設備の緩和(告示)

注意).
以下,平成12年告示1436号は平成27年3月18日に改正され同日施行されています。第四号にはイ号からニ号があって,そのいずれであっても排煙設備設置義務が免除されるもので,そのイ号の次に新しいロ号を追加しています。元のロ号,ハ号,ニ号は1つずつあと送りにされ,れぞれハ号,ニ号,ホ号になっています
他,後述の「
■  003 改正「平成12年建設省告示第1436号」について 」を参照してください。


〔建築基準法関係告示 全文〕  (改正後の全文です。)
平成12年1436号
火災が発生した場合に避難上支障のある高さまで煙又はガスの降下が生じない建築物の部分を定める件

建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)
第126条の2第1項第五号の規定に基づき,火災が発生した場合に避難上支障のある高さまで煙又はガスの降下が生じない建築物の部分を次のように定める。
建築基準法施行令(以下「令」という。)
第126条の2第港項第五号に規定する火災が発生した場合に避難上支障のある高さまで煙又はガスの降下が生じない建築物の部分は,次に掲げるものとする。

 次に掲げる基準に適合する排煙設備を設けた建築物の部分
 
 第126条の3第1項第一号から第三号まで,第七号から第十号まで及び第十二号に定める基準
 
 当該排煙設備は,1の防煙区画部分(令第126条の3第1項第三号に規定する防煙区画部分をいう。以下同じ。)にのみ設置されるものであること。
 
 排煙口は,常時開放状態を保持する構造のものであること。
 
 排煙機を用いた排煙設備にあっては,手動始動装置を設け,当該装置のうち手で操作する部分は,壁に設ける場合においては床面から80p以上1.5m以下の高さの位置に,天井からつり下げて設ける場合においては床面からおおむね1.8mの高さの位置に設け,かつ,見やすい方法でその使用する方法を表示すること。

 令第112条第1項第一号に掲げる建築物の部分(令第126条の2第1項第二号及び第四号に該当するものを除く。)で,次に掲げる基準に適合するもの。
 
 令第126条第1項第二号から第八号まで及び第十号から第十二号までに掲げる基準
 
 防煙壁(第126条の2第1項に規定する防煙壁をいう。以下同じ。)によって区画されていること。
 
 天井(天井のない場合においては,屋根。以下同じ。)の高さが3m以上であること。
 
 壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料でしてあること。
 
 排煙機を設けた排煙設備にあっては,当該排煙機は,1分間に500㎥以上で,かつ,防煙区画部分の床面積(2以上の防煙区画部分に係る場合にあっては,それらの床面積の合計)1uにつき1㎥以上の空気を排出する能力を有するものであること。

 次に掲げる基準に適合する排煙設備を設けた建築物の部分(天井の高さが3m以上のものに限る。)
 
 第126条の3第1項各号(第三号中排煙口の壁における位置に関する規定を除く。)に掲げる基準
 
 排煙口が,床面からの高さが,2.1m以上で,かつ,天井(天井のない場合においては,屋根)の高さの1/2以上の壁の部分に設けられていること。
 
 排煙口が,当該排煙口に係る防煙区画部分に設けられた防煙壁の下端より上方に設けられていること。
 
 排煙口が,排煙上,有効な構造のものであること。

 次のイからニまでのいずれかに該当する建築物の部分
 
 階数が2以下で,延べ面積が200u以下の住宅又は床面積の合計が200u以下の長屋の住戸の居室で,当該居室の床面積の1/20以上の換気上有効な窓その他の開口部を有するもの
  避難階又は避難階の直上階で,次に掲げる基準に適合する部分(当該基準に適合する当該階の部分(以下「適合部分」という。)以外の建築物の部分の全てが令第126条の2第1項第一号から第三号までのいずれか,前各号に掲げるもののいずれか若しくはイ及びハからホまでのいずれかに該当する場合又は適合部分と適合部分以外の建築物の部分とが準耐火構造の床若しくは壁若しくは同条第2項に規定する防火設備で区画されている場合に限る。)
(1) 建築基準法別表第一(い)欄に掲げる用途以外の用途又は児童福祉施設等(入所する者の使用するものを除く。),博物館,美術館若しくは図書館の用途に供するものであること。
(2)
(1)に規定する用途に供する部分における主たる用途に供する各居室に屋外への出口等(屋外への出口,バルコニ‐又は屋外への出口に近接した出口をいう。以下同じ。)(当該各居室の各部から当該屋外への出口等まで及び当該屋外への出口等から道までの避難上支障がないものに限る。)その他当該各居室に存する者が容易に道に避難することができる出口が設けられていること
  建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「法」という。)第27第2項第二号の危険物の貯蔵場又は処理場,自動車車庫,通信機械室,繊維工場その他これらに類する建築物の部分で,法令の規定に基づき,不燃性ガス消火設備又は粉末消火設備を設けたもの
 
 高さ31m以下の建築物の部分(法別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物の主たる用途に供する部分で,地階に存するものを除く。)で,(居室を除く。)にあっては(一)又は(二)に,居室にあっては(三)又は(四)に該当するもの
  (一) 壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを
準不燃材料でし,かつ,屋外に面する開口部以外の開口部のうち,居室又は避難の用に供する部分に面すものに法第2条第九号のニロに規定する防火設備で令第112条第14項第一号に規定する構造であるものを,それ以外のものに戸又は扉を,それぞれ設けたもの
  (二) 床面積が
100u以下で,第126条の2第1項に掲げる防煙壁により区画されたもの
  (三) 床面積1
00u以内ごとに準耐火構造の床若しくは壁又は法第2条第九号のニロに規定する防火設備で令第112条第14項第一号に規定する構造であるものによって区画され,かつ,壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料でしたもの
  (四) 床面積が
100u以下で,壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを不燃材料でし,かつ,その下地を不燃材料で造ったもの

 
 高さ31mを超える建築物の床面積100u以下の室又は居室で,耐火構造の床若しくは壁又は法第2条第九号の二に規定する防火設備で令第112条第14項第一号に親定する構造であるもので区画され,かつ,壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料でしたもの



「H12告示1436号第一号〜第三号」排煙設備の構造基準の緩和のまとめ

次に掲げる構造としたものは,排煙設備の構造基準の一部が適用除外とされる。

第一号

排煙口の閉鎖状態保持等の緩和
以下の条件を満たす場合は,手動開放装置の設置や排煙口の平常時閉鎖状態の保持の規定が適用されない。ベンチレーター等を設けた場合などがこれに該当。また,令126条の3第11号(中央管理室で制御・監視)の規定も適用されない。
@ 単一の防煙区画部分であること
A 排煙口は常時開放状態を保持
B 排煙機を用いる場合は手動始動装置を設ける。
(壁に設ける場合は床面より
0.8m〜1.5mの高さ,天井から吊り下げる場合は,床面よりおおむね1.8mの高さ)
第二号 500u以上の防煙設備の構造の緩和

用途
劇場,映画館,公会堂,集会場等の客席,体育館,工場,倉庫等の建築物の部分に限る。

天井高
天井高(天井がない場合は屋根高)≧3m

区画
他の部分と防煙壁で区画されていること。

内装
壁,天井の仕上げを不燃又は準不燃材料とすること。

排煙機
機械排煙の場合の排煙機の排出能力は≧500㎥/min,かつ,防煙区画部分面積1uにつき≧1u/毎分(2以上の防煙区画に係るものはその床面積の合計)とすること。
* 内装 500uをこえても防煙壁不要他の部分とは防煙区画
* 壁・天井の仕上は不燃又は準不燃

(下図「H12告示1436号第二号 排煙設備の構造基準の緩和 概略図」参照)
第三号 排煙口の位置の緩和

天井高が3m以上の建築物の部分の排煙口の位置は下記とすることができる(通常の天井から80cm以内が緩和される)。

@ 床面からの高さは2.1m以上
A 天井高さの1/2以上
B 防煙壁の下端より上方

排煙口の有効部分
防煙壁
≧H/2かつ≧2.1m
H≧3m

(下図「H12告示1436号第三号 排煙設備の構造基準の緩和 概略図」参照)








































H12告示1436号第二号排煙設備の構造基準の緩和 概略図 (2006H)
以下は排煙設備の構造基準の一部が適用除外とされる。





H12告示1436号第三号 排煙設備の構造基準の緩和 概略図 (2006H)
以下は排煙設備の構造基準の一部が適用除外とされる。






「H12告示1436号第四号」排煙設備の緩和のまとめ
(注意.平成27年3月18日に改正され同日施行されています。
第四号のロ号,ハ号,ニ号は1つずつあと送りにされ,れぞれハ号,ニ号,ホ号になっています。)

次に掲げる建築物や建築物の部分については排煙設備の設置が
免除される。  (改正後の記述です。)

  建築物の対象部分の位置 部屋の用途 床面積の制限 区画の方法 下地,仕上げの制限
第四号 (一) 31m以下の部分
(地階の特殊建築物の主たる部分は除く)
非居室
(廊下含む)
(注意1)
制限なし

居室又は避難の用に供する部分に面するものは防火設備,それ以外は戸又は扉を設ける

仕上げを準不燃材料
(二) ≦100u 防煙壁で区画する
注意2)
制限なし
(三) 居室 100u以内ごとに準耐火構造又は防火設備で区画する 仕上げを準不燃材料
(四) ≦100u 制限なし
注意2)
下地,仕上げとも不燃材料
31mをこえる部分 非居室及び居室 ≦100u 耐火構造又は防火設備で区画する 仕上げを準不燃材料
階数≦2の住宅・長屋で延べ面積≦200u,かつ,居室に換気上有効な窓(居室床面積の1/20以上)があるもの
危険物の貯蔵場,自動車車庫,通信機械室,繊維工場等で不燃性ガスまたは粉末消火設備を設けたもの
(前述の平成27年3月18日改正,同日施行の全文「告示1436号第1項第四号ロ号」を参照してください。只今整理中です。)






























注意1).
第四号ニ(一),(二)
非居室 = 室(居室をく)

注意2).第四号ニ(四)(二)
防煙区画は天井面から50cm以上下方に突出した防煙壁(たれ壁)により区画することが原則であるが,防煙区画を構成している間仕切壁等に随時閉鎖式の戸が設けられた場合,戸の上部の不燃材料のたれ壁は50cm必要だが,常時閉鎖式又は煙感知器連動の不燃材料の戸が設けられた場合は戸を防煙壁とみなすためたれ壁30cm以上(50cm未満)とすることができる




参考).
「H12告示1436号四号」適用の留意事項  (注意.平成27年3月18日に改正され同日施行されています。告示4号ハは告示4号ニになっています。

H12告示1436号第4号 排煙設備の構造基準の緩和 概略図 (2006H)
以下は排煙設備の構造基準の一部が適用除外とされる。

@
告示4号ニの地下の特殊建築物の用途に供する部分は,かっこ書き(……特殊建築物の主たる用途に供する部分()で地階に存するものは除く。)とあり,本告示を適用することはできないが,当該部分の利用形態が当該用途そのものでなければ適用を受けることができる。
例え
ば物品販売店舗の地階にある事務室等が該当。



A
廊下の告示適用については従来,その取扱いにばらつきが見られたが,廊下以外の用途利用を兼ねない一般的な廊下は「火災の発生のおそれの少ない室」として告示の「室」扱いが可能となった。ただしこの扱いは,あくまで避難安全検証法の「火災の発生のおそれの少ない」(Hl2告示1440号)の趣旨を踏まえたものであるため,病院等の建築物で,避難上の弱者の避難経路となる場合については,排煙設備の設置が望まれる。

廊下の排煙設備は本当に必要か
従来,旧告示(S47告示30号,31号,32号,33号)でそれぞれ個別に緩和されていた排煙設置免除の規定が,新告示(Hl2告示1436号,Hl3告示67号)で「火災が発生した場合に避難上支障のある高さまで煙又はガスの降下が生じない建築物の部分を定める件」という形でまとめられた。単に整理されただけで取扱いの趣旨が変わったものではない。ただし従来,廊下の告示適用(旧告示33号)については「室」にも「居室」にも該当しないものとして扱われていたが,一定の廊下(
A)については新告示の「室」として適用が可能となった。
なお,政令で規定されている排煙の構造基準は従来,室内で発生した煙を吸いだして外部に追いやる方法をとっていたが,それ以外の排煙方式として,給気を廊下等に行うことによって避難経路への煙拡散を防止する加圧方式が告示(Hl2告示1437号)に追加された。



B 消防法により,排煙設備を設置する場合は,原則として建築基準法の排煙告示は適用できない。



防煙区画の構造
防煙壁については令126条の2で「間仕切壁,天井面か
ら50cm以上下方に突出した垂れ壁等で不燃材料で造り,又は覆われたもの」と規定されている。
垂れ壁区画は一定層厚だけ煙を蓄煙することによって煙の拡散を防止することを目的とし,間仕切壁区画は垂れ壁の機能に加え,煙を封じ込める目的を持たせることもできる。こうして防煙区画に溜まった煙は一定の排煙設備により屋外へ排出されていく。

防煙区画については次の点に留意
壁による区画 → 聞仕切壁
 間仕切壁に
扉がある場合は,扉の上部の小壁丈は30cm以上とし,扉自体も不燃材料(常時閉鎖式)とすることを原則とする(天井までのフルサッシュは望ましくない)。

垂れ壁による区画 → 固定垂れ壁
天井裏まで達する必要性は原則的にはない。ガラスは告示で不燃材料と定められているので垂れ壁として使用することはできる。しかし,飛散防止や防火上の観点から,
線入りガラスや網入りガラスが原則。

垂れ壁による区画 → 可動式垂れ壁
可動式垂れ壁の作動については,
煙感知機連動とし,垂れ壁の近接部分に手動降下装置を設ける必要がある。また,作動後は垂れ壁下端から床面までは1.8mの空間を確保し,避難時の接触障害とならないようにする。なお,竪穴区画部分に防火・防煙シャッターを設ける場合は,これらが垂れ壁を兼ねることにはなるが,火災時に煙感知器が早期に感知し上方への漏煙を少なくするために,原則として,この竪穴区画部分に近接して30cm以上の固定防煙壁を設ける必要がある。



吹抜け部分の防煙区画について

排煙設備の設置は各階ごとにそれぞれ防煙区画し煙を排出することを原則とするが,避難階とその直上階,直下階のみに通じる一体吹抜け空間にあっては,その部分の面積が大きく避難上支障がない場合や,工場等で用途上やむを得ない場合は同一の区画とすることもやむを得ないものとされる。

@ 吹抜け部分の原則的な防煙区画の扱い (下図左)  (2006H)


 
A 吹抜け部分の特別な防煙区画の扱い (上図右)  (2006H)
避難上支障がない場合や用途上やむを得ない場合は1の防煙区画として扱い,開放操作は図に示す位置に設ける。



自然排煙についての留意事項

@ 排煙口(窓)の内外にシャッターがある場合の扱い
自然排煙口の内外部に防犯用などでシャッターを設ける場合は,
パイプシャッター等排煙上支障がないものとしなければならない。ただし,シャッターが閉鎖している状態で建築物が利用されないことが明らかな場合はこの必要はない

A 排煙窓の手動開放装置の方式
外倒し窓等の手動開放装置は単一動作(
ワンタッチ開放式)により操作できる必要があり,チェーンを引く方式のものやレバーを倒す方式のものとし,ハンドル等の回転動作の場合は1回転程度で開放できる実効性のあるものとしたい。

排煙窓の手動開放装置
ステイダンバー付き
排煙窓の手動開放装置()の床からの壁取付け高さ(装置の中心は,800≦≦1,500とする。天井から吊り下げる場合は,床面よりおおむね1.8mの高さとする。
手動開放装置は,ワンタッチ開放式とする。なお,電気式にあっては予備電源を設ける必要がある。

B 天井高さが異なる場合の有効開口部の取り方 (2006H)
原則,高い天井から80cm以内及び防煙壁の下端以上(下図の各H)を有効開口部とする。
平均天井高より80cm以内とする考え方もある。




排煙窓側の天井の一部が高い場合は下図の取扱いとされている。 (2006H)



L≧80cmならばH1を有効とする。L<80cmならばH2を有効とする。



その他の留意事項 (2006H)

a.自然排煙口の前面で,直接外気に開放される空間は,隣地境界線(及び同一敷地内の他の建築物若しくは当該建築物の他の部分)より有効で25cm以上をを確保すること。公園,広場,川等の空地又は水面などに面する部分であれば問題はない。なお,外倒し窓,回転窓等は開放された状態で,当然隣地境界線から突出しないこと。

b自然排煙口の内側に障子又は二重サッシュがある場合は,排煙操作上支障がなければ排煙上有効なものとして扱うことができる。

c屋根に設けるベンチレターは,排煙効果が期待できるので,自然排煙口として扱うことができる。

d.ダクトによる自然排煙は原則として認められない。自然排煙はダクト損失を計算できるほど一定していないからだ。ただし,縦ダクト又はシャフトがその部分専用等で排煙上有効なものであれば認められる場合もある。


機械排煙についての留意事項
(省略)



自然排煙開口の各種断面タイプ( 令126の2,3 )  (サンプルファイルダウンロード

H=排煙有効高(m)
CH=天井高または平均天井高(m)
排煙設備手動開放装置壁面取付 : FL+0.8〜1.5m (/
天井吊り : FL+1.8m)

タイプ 例 1,2,3-1,4-1




タイプ 例 5




タイプ 例 9-1,10-1
天窓は仕様を以下を明記すること。
製品名/耐火仕様(*分耐火)/ガラス仕様等




タイプ 例 4-2,6-1
S46.12.4第905号通達の考え方 (JCBA『防火避難規定の解説2002』も同様)
いずれも天井面より下方80cm以内にあるものとする。
90°≧θ>45°のとき有効開口面積=S
45°≧θ>0°のとき有効開口面積=θ/45°×S




タイプ 例 3-2,7-1,6-2
(財)日本建築センター『排煙設備技術基準』 の考え方
「TYPE 7-1」の外倒し窓等の排煙上有効な開ロ部とは
外倒し窓等の排煙口の有効開口面積のとり方には解説書等によりばらつきがある。また,避難安全検証法を適用する際には,換気設計をベースにした有効開口面積の考え方も加わり,さらに混乱を招いている。




タイプ 例 7-1,8-1
S46.12.4第905号通達の考え方 (JCBA『防火避難規定の解説2002』も同様)
いずれも天井面より下方80cm以内にあるものとする。
90°≧θ>45°のとき有効開口面積=S
45°≧θ>0°のとき有効開口面積=θ/45°×S




タイプ 例 11,12





サンプルファイルダウンロード (左のフレームの「
法規関連資料のダウンロード」より)

 a1_150_houki_check_saikou_etc.dwg  注意 → README   表示 :DWF HTM  (別ウィンドウで表示) 
法規チェック図 排煙_採光_換気計算表 (例)
表:Excelリンク表示 (.ver 2002)

排煙開口断面タイプ表

色従属印刷スタイルファイル(.ctb) ダウンロード :T_office_monochrome.ctb  README




■  002 排煙口設置における天井の高さ

排煙口設置における天井の高さ

原則 (下図左) (1995K)



緩和の基本 (上図右)
(告示平成12年1436号第1項第二号ハ,第三号ロ)


勾配屋根の場合の解釈1 (下図左) (1995K)(「建築物の防火避難規定に関する運用指針」の解釈による)
注1: 屋根面の高さを天井の高さとみる
注2: 平均の高さは原則として扱わない



勾配屋根の場合の解釈2 (上図右) (1995K)(「建築物の防火避難規定に関する運用指針」の解釈による)
(告示平成12年1436号第1項第二号ハ,第三号ロ)
注1: 軒高を天井の高さとみる
注2: 平均の高さは原則として扱わない


防煙壁の材質について
防煙壁は不燃材料とするよう定められているが,ガラスを用いる場合法規上品種は問われない。しかし防煙性能と破損時の安全上,網入・線入板ガラスとし,普通板ガラス・フロート板ガラスなどはなるべく使用しないように。


避難安全検証法(令第129条の2,令第129条の2の2) (2006H)

(1)階避難安全検証法の適用の範囲
(2)全館避難安全検証法適用の範囲

避難安全検証により適用除外となる仕様規定
防火区画/避難施設/屋外への出口/排煙設備/内装制限
上記は,適用除外となる規定である階避難安全検証法と全館避難安全検証法によって異なる。

(以下省略)



■  003 改正「平成12年建設省告示第1436号」について
(おことわり:改正及び施行が平成27年3月18日のため,以下只今整理中です。)  

この告示改正は,3月だったため平成27年版の建築基準法には記載されていません。国土交通省の「告示・通達検索システム」でも2010年以後の建築関連告示は公開されていません。官報を見れば良いのですが普通は手元に無く,電子官報の閲覧期限も1か月間となっています。


「改正の概略」  (Webサイトより)

排煙緩和告示と呼ばれる平成12年建設省告示第1436号が平成27年3月18日に改正され同日施行されています。この改正で,特殊建築物でない用途で,直接に屋外に出ることができてそのまま道まで避難できる居室については排煙設備設置が免除されています。
告示には距離の制限は規定されていませんが,同時に出された国住指発第4784号平成27年3月18日の
技術的助言で居室内の歩行距離は10m以内が目安であることや出口から道までの通路についても留意事項として示されています。 具体的には排煙緩和告示と呼ばれる告示1436号第四号に1項目追加されました。簡潔に言うと特定の用途について,所定の条件を満足する場合は排煙設備を設置不要とするというものです。


参考:新しい排煙緩和告示の意味合いや考え方(Webサイトより)
この告示が追加された背景は,告示公布前の
パブリックコメント募集概要を見るとわかります。

※募集時の概要より抜粋
昨今,廃校や空きビルなどの
既存ストックの活用ニーズが高まってきている。 国土交通省では,建築物の利用者の安全を確保しながら既存ストックを円滑に活用(利用促進)できるよう,特に要望が多い排煙設備の設置義務の緩和について検証を行ってきており,今般,一定の成果が得られたことから,新たに排煙設備の設置を不要とする部分を同告示に追加するものである。 なかでも特にニーズがあるのが児童福祉施設等だったようで,パブリックコメントの募集意見を受けて,さらに「別表1(い)欄以外の用途」「博物館」「美術館」「図書館」も対象用途として規定されました。

改正の背景には,既存建物を児童福祉施設等に用途変更しやすくする,という意図があるようです。 又,告示改正検討時に出された「パブリックコメントの結果」が参考になります。告示と同時に出されている技術的助言はこれに基づいて記述されています。

(参考:パブリックコメントとは行政・自治体に関わる用語で,政府の政策立案過程で国民から意見を公募し,その意思決定に反映させることを目的とする制度。例えば行政機関が命令や規則を策定し,または変更することを検討している場合に,ホームページなどでその素案を公表し,国民から意見を募る。意見を述べようとする国民は,電子メールや郵便など定められた方法により,期限までに意見を述べる。)



「改正の告示部分」  (Webサイトより)

H12告示第1436号は第一号から第四号で構成されます。どの号に該当しても排煙設備設置義務が免除されます。その第四号にはイ号からニ号があって,そのいずれであっても排煙設備設置義務が免除されるもので,その
イ号の次に新しいロ号を追加しています。元のロ号,ハ号,ニ号は1つずつあと送りにされ,れぞれハ号,ニ号,ホ号になっています。つまり,3月18日以降はこれまで「排煙告示四-ハ-(4)適用」などと記載していたものを,「排煙告示四-ニ-(4)適用」としなければなりません。告示は公布と同時に施行済みで,経過措置等はありません。これから申請する資料については,記載を変えておきましょう。

追加された
ロ号は以下です。

避難階又は避難階の直上階で,次に掲げる基準に適合する部分(当該基準に適合する当該階の部分(以下「適合部分」という。)以外の建築物の部分の全てが令第126条の2第1項第一号から第三号までのいずれか,前各号に掲げるもののいずれか若しくはイ及びハからホまでのいずれかに該当する場合又は適合部分と適合部分以外の建築物の部分とが準耐火構造の床若しくは壁若しくは同条第2項に規定する防火設備で区画されている場合に限る。)
(1) 建築基準法別表第一(い)欄に掲げる用途以外の用途又は児童福祉施設等(入所する者の使用するものを除く。),博物館,美術館若しくは図書館の用途に供するものであること。
(2) (1)に規定する用途に供する部分における主たる用途に供する各居室に屋外への出口等(屋外への出口,バルコニー又は屋外への出口に近接した出口をいう。以下同じ。)(当該各居室の各部から当該屋外への出口等まで及び当該屋外への出口等から道までの避難上支障がないものに限る。)その他当該各居室に存する者が容易に道に避難することができる出口が設けられていること

参考).
改正告示第1436号第四号ロ」の確認申請用法規チェック図(2階平面図)での利用例


利用例です。参考までに。

某公共施設の排煙改修設計です。既存のままのサッシでは自然排煙口の確保が困難な室で告示第1436号第四号ロを利用しています。

適用部分をハッチングしてあります。

各居室に屋外への出口等…に該当する出口(避難口)
ドアー
引違い

○囲みの文字
の以下説明凡例が必要です。
例).
国交省告示第1436号第四号ロ
各居室に屋外への出口等,その他当該各居室に存する者が容易に道に避難することができる出口が設けられていること。



参考).
以下,告示第1436号第四(/他)の確認申請での利用例サンプルが有ります。左の図とは別です。ご自由にダウンロードしてみてください。

(左のフレームの「法規関連資料のダウンロード」より)  
a1_150_houki_check_hanrei_yoko.dwg  README  表示→ DWF HTM
法規チェック図凡例 横(例) /同利用例
a1_150_houki_check_hanrei_tate.dwg   
README  表示→ DWF HTM
法規チェック図凡例 縦(例) /同利用例



(注.告示追加条文(1)(2)に適合する部分がその階に混在している場合の扱いが複雑です。以下「
参考).」を参照してください。)

参考).
Webサイトより「パブリックコメント結果公示Q&A抜粋
パブリックコメント結果公示では,新告示の取り扱いや考え方が書かれています。特に重要と思われるQ&Aを以下に抜粋します。

Q:対象用途について,排煙設備の設置を不要とするのは,建築物全体か,建築物の部分か。
A:
建築物の部分です。

Q:今回の緩和の対象は既存建築物に限定されるのか。
A:
既存建築物に限らず,新築の建築物についても本告示の適用が可能です。

Q:児童福祉施設等の定義は建築基準法施行令第19条第1項に規定するものと同じか。
A:本告示における「児童福祉施設等」は,
令第19条第1項に規定する児童福祉施設等をいいます。ただし,子ども・子育て支援法の施行日(平成27年4月1日)後は,令第115条の3第1項第1号に規定する児童福祉施設等をいいます。

Q:老人福祉法第5条の2に規定されている「老人居宅介護等事業」「老人デイサービス事業」,「老人短期入所事業」,「小規模多機能型居宅介護事業」,「認知症対応型老人共同生活援助事業」,「複合型サービス福祉事業」を行う施設は「児童福祉施設等」に含まれるのか,含まれないのかを明確にされたい。
A:これらの施設については,
形態・機能に着目し,実態に応じて「児童福祉施設等」に含まれるか否かを判断するのが適切であると考えております。

Q
:児童福祉施設等(入所する者の使用するものを除く。)とは,具体的にどのような用途が想定されるのか。
A:児童福祉施設等のうち,
保育所や老人デイサービスセンター,母子保護施設,地域活動支援センター等の通所施設を想定しております。

Q
:寄宿舎についても緩和し,既存ストックの活用につなげていくべきでないか。
A:
就寝の用途に供する建築物は,就寝時の火災の覚知・避難の遅れが想定されるため,本告示の適用外としています。なお,寄宿舎に排煙設備の設置が求められるのは延べ面積が500uを超える場合などに限られている点にご留意ください。

Q:居室の面積制限や内装制限は規定されないのか。
A:屋外の出口等は居室の各部分から容易に屋外に避難できる場所に設けられるなど,避難上支障がないものである必要があります。
面積制限はありませんが,避難上支障がない居室の各部分から屋外の出口等への歩行距離は,目安として居室の床面積100u程度を想定し10m程度とすることが考えられます。
また,避難開始後早期に屋外の出口等に至ることを想定していますので,
内装制限はありません

Q
:避難上支障がないものの具体的な基準を示してほしい。
A:
「避難上支障がないもの」は,例えば次のようなものを想定しています。
・居室の各部分から居室の外に出るまでの歩行距離が一定程度以下。
(目安として居室の
床面積100u程度を想定し10m程度)である。
・居室内の在館者が戸や掃き出し窓等の開口部を通じ居室の外に支障なく出られる。
・屋外への出口から道に直接通ずるか,道に通ずる幅員
50p以上の通路その他の空地が設けられている。
・バルコニーが十分に外気に開放されており,当該バルコニーから地上へ
屋外階段すべり台タラップ等の当該居室の在館者の特性を踏まえた安全な避難経路等が確保されている等。

Q:各居室が廊下等と面する部分に戸を設けないことも可能であるが,避難経路になる廊下や他の居室に煙を流入させないように,天井に防煙壁の設置が必要でないか。
A:適合部分は,廊下等への煙の流入があった場合でも
主たる用途に供する居室から屋外に安全に避難できる構造となっていますので,防煙壁の設置は求めていません

Q:当該用途に供する全ての居室が基準に適合していても,廊下等が自然排煙となっていて令第126条の2に適合する場合には,準耐火構造の床や一定の防火設備で区画されていなければ,本告示の適用はできないということか。
A:
適合部分について,主たる用途に供する各居室が基準を満たしていれば,廊下等の部分も含め,本告示の適用が可能です。この場合,廊下等に排煙設備を設けていても,居室を区画する必要はありません

Q:複合用途施設の1階部分が児童福祉施設である場合に,児童福祉施設部分が本基準に適合すれば,1階の他用途との共用部分の通路等について排煙設備の設置を不要とできるか。
A:
当該共用部分は,他の用途でも使用するものであり,排煙設備の設置を不要とはできません。ただし,他の用途部分も本告示の基準に適合していれば,当該共用部分に排煙設備を設ける必要はありません

Q:延べ面積500u以下の建築物も対象となるか。また,適合部分に含まれる廊下等には排煙設備がなくとも,本基準の適用が可能か。
A:
延べ面積500u以下の建築物も排煙設備の設置が求められるものは本告示の適用対象となります。また,規定する用途に供する部分における主たる用途に供する各居室が条件を満たしていれば,当該用途部分の廊下等に排煙設備を設置せずに,本基準の適用が可能です

Q:適合部分以外の建築物の部分が令第126条の2第1項第1号から第3号までのいずれか又は平成12年建設省告示第1436号第1号から第4号までに掲げるもののいずれかに該当し排煙設備を要しないものである場合,適合部分と適合部分以外の部分の境界部分に規制がかかるのか。
A:
この場合,境界部分に特段の要求はありません

Q:居室と廊下が一体となった形態の施設の場合,廊下部分も排煙設備は不要となるのか。
A:
基準に適合する場合は,居室と一体となった廊下部分も含め,排煙設備の設置を要しないこととなります


Webサイトより参考


「子ども・子育て支援法」の施行日(平成27年4月1日)後は,児童福祉施設等の規定内容が変わる部分は要チェックです。
以下,今回追加された告示の概要がわかりやすく記載された資料です。ご参考までに。

※下記リンクよりダウンロ‐ドできるPDFファイルの8ペ‐ジから10ペ‐ジにあります。
リンク → 「子ども・子育て支援法等の施行に伴う幼保連携型認定こども園の建築基準法上の取扱い等について(技術的助言)」

また,子ども子育て支援法と建築基準法の関連についてはこちら。
リンク → 「子ども子育て支援法と改正建築基準法の関連について」

注意).緩和の適用を受ける部分については居室非居室の区別はなく,条件を満たす部分は緩和できる点,さらに就寝の用途がある場合は緩和の対象外となる点にご注意。



■  004 排煙設備の設置基準の合理化排煙規定の別棟みなし適用の範囲の拡大について (「国土交通省.htm」より抜粋)

改正の趣旨
・ 現行制度では,「開口部のない準耐火構造の床・壁」又は「遮煙性能を有する防火設備」で区画されている建築物の部分については,相互に火災の影響(煙・ガスの流入)を受けにくいことから,それぞれを別の建築物とみなして,排煙設備の規定を適用することとしている。
・ このため,アトリウムを介して接続する建築物のように,各棟において発生する煙を十分に蓄積できるような空間で区画されている場合であっても1棟として扱われることとなっている。

改正内容
以下,アトリウムで別棟とみなす例

アトリウムで別棟とみなす例
建築物のー方の部分【A棟】で煙が発生しても,他方B棟】に煙が進入しない場合には,それぞれ別の建築物として排煙規定を適用できることとする。


例).
別棟とみなすアトリウム部分の条件(告示規定事項)

(1) 火災発生のおそれが少ない用途に供するものであること  『
着火防止
(2) 天井と壁の内装が準不燃材料であること  『
着火防止
(3)  ー定の天井高さを有すること  『
蓄煙
(4) 排煙設備が設けられていること 『
排煙
(5) 天井付近に防煙区画が設けられていること  『
防煙』 等

別の建築物とみなすことで,部分ごとに排煙規定を適用され,場合によっては排煙設備を設けなくてもよい部分も生じるケースもある。






無窓居室・無窓階 

■  M001 無窓居室と無窓階について

建築基準法の「無窓居室」と消防法における「無窓階」

建築基準法では,無窓居室で考える。
消防法では,
無窓を,で考える。

建築基準法における「無窓居室」
建築基準法では開口部を有しない居室が「無窓居室」ということになる。非常用の照明装置,排煙設蒲,換気設備等といった各種代替措置等を講じることが義務付けられている。


建築基準法上の無窓居室に関する各種規制

建築基準法上の無窓居室に関する各種規制
規制項目 条文 無窓居室の定義 無窓居室となった場合の規制
採光 法28条
令19条,20条

(令116条の2第1項第一号)
採光に関しては建物用途が限定されているものの,必ずその建物用途の居室には開ロ部がなければならないものであり,代替措置は例外を除き認められない。
採光が必要な建物用途:住宅,学校,病院,寄宿舎,児童福祉施設等
採光の基準:採光上有効な部分の開ロ部(道又は一定以上の空地に面する部分)は各居室面積の1/5〜1/10以上とする。

採光上の無窓居室
(令第116条の2第1項第一号)
面積(第20条の規定より計算した採光に有効な部分の面積に限る。)の合計が,当該居室の床面積の1/20以上のもの。
換気 法28条第2項 換気に有効な部分の開口部が居室面積の1/20未満のもの(換気上の無窓居室 機械換気設備とする。
排煙 令126条の2
令116条の2第1項二号
排煙上有効な部分の開口部(天井から80cm以内)が居室面積の1/50未満のもの
排煙上の無窓居室
機械排煙設備とするか又は,建設省告示により同等以上のものとする。
非常用照明 令126条の4
令116条の2第1項一号
採光上有効な部分の開ロ部が居室面積の1/20未満のもの 非常用照明の設置
内装制限 令128条の3の2 下記の一号又は二号のどちらかの居室
一号
50uを超える居室で,排煙上有効な部分の開口部が居室面積の1/50未満のもの
二号
温湿度調整を必要とする作業その他用途上やむを得ない居室で採光が確保されないもの
壁,天井の仕上げを準不燃材料とする。
主要構造部 法35条の3

令111条第1項
下記の一号又は二号のどちらかの居室
令111条第1項
一号
採光上有効な部分の開口部が居室面積の1/20未満のもの
二号
避難上有効な開口部で,大きさが幅75cm以上,高さ1.2m以上ないもの又は,1m以上の円が内接できないもの(
避難上の無窓居室
居室を区画する主要構造部を耐火構造又は不燃材料とする。
). 令111条改正
歩行距離 令120条1項の表中(一)
令116条の2第1項1号
採光上有効な部分の開口部が居室面積の1/20未満のもの 歩行距離30m以内とする。


令111条が改正されています。 (Webサイトより抜粋)

窓を設けない居室のうち耐火構造とするものの範囲の合理化についての改正 (第111条第1項 法第35条の3)

改正の背景・概要
・ 近年の社会状況の変化や技術的知見の蓄積等を踏まえ,火災時に火災の拡大を防ぎ,在館者を安全に避難させることを目的とした防火・避難関係規定について,安全性の確保を前提としつつ,
既存の規定の合理化を行う

改正の背景
・窓を設けない居室は,火災時の避難安全性を考慮し,壁や床などの高い性能(耐火構造)を求めている。
・近年,戸建て住宅に
音楽練習室(無窓居室)やシアタールームのような窓を設けない居室を設置するニーズが高まっているものの,本規制が窓を設けない居室の設置の支障になっている

改正内容
・窓を設けない居室でも,火災時に早期の避難が可能な場合(
自助火災報知設備が設置され全ての階),床面積が一定以下)には,安全性が確保されていることから,その壁や床などに高い性能耐火構造を不要とする

注意
).
採光には,法第28条,法第35条,法35条の3の3つの法文があり,
今回緩和されるのは法第35条の3』のみです。今回の緩和を使っても,残り2つの採光の法文は緩和されていないということ。
参考).採光無窓=非常用照明でOKとはならない。


改正後

第111条
(建築基準法施行令)

【窓その他の開口部を有しない居室等】  第4章 耐火構造、準耐火構造、防火構造、防火区画等(第107条−第116条)

第111条 法第35条の3(法第87 条第3 項において準用する場合を含む。)の規定により政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は,次の各号のいずれかに該当する窓その他の開口部を有しない居室(避難階又は避難階の直上階若しくは直下階の居室その他の居室であつて,当該居室の床面積,当該居室の各部分から屋外への出口の一に至る歩行距離並びに警報設備の設置の状況及び構造に関し避難上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合するものを除く。)とする。
一  面積(第20条の規定により計算した採光に有効な部分の面積に限る。)の合計が,当該居室の床面積の1/20以上のもの
二  直接外気に接する避難上有効な構造のもので,かつ,その大きさが直径1m以上の円が内接することができるもの又はその幅及び高さが,それぞれ,75p以上及び1.2m以上のもの
2  ふすま,障子その他随時開放することができるもので仕切られた2室は,前項の規定の適用については,1室とみなす。

第111条解説).
今回の改正で,
赤文字部分が追加になっています。要約すると,告示の内容に適合させた居室は採光の窓を設ける必要は無いということ。避難階又は直上階直下階に限り緩和可能となっている。
大事なのは以下の告示の内容(国土交通大臣が定める基準に適合するもの)。


以下,
告示第249号の解説図

 窓を設けない無窓居室  告示第249号解説図


告示第249号
 主要構造部を耐火構造等とすることを要しない避難上支障がない居室の基準を定める件
建築基準法施行令(以下「令」という。)第111条第1項に規定する避難上支障がない居室の基準は,次に掲げるものとする。
一 次のイからハまでの
いずれかに該当すること。
イ 床面積が
30u以内の居室(寝室,宿直室その他の人の就寝の用に供するものを除く。以下同じ。)であること。
ロ 
避難階の居室で,当該居室の各部分から当該階における屋外への出口の一に至る歩行距離が30m以下のものであること。
ハ 
避難階の直上階又は直下階の居室で,当該居室の各部分から避難階における屋外への出口又は令第123条第2項に規定する屋外に設ける避難階段に通ずる出入口の一に至る歩行距離が20m以下のものであること。
二 令110条の5に規定する基準に従って
警報装置(自動火災報知設備に限る。)を設けた建築物の居室であること

以上の告示に適合させれば無窓居室法第35条の3とすることができる

告示解説
).
この告示に適合させる為には,「一」「二」共適合させること。
適合する無窓居室当該無窓居室を区画する主要構造部を耐火構造とすることを要しないこととする
「一」の‘
いずれかに該当’はいずれか1つ選択して適合させればよい。
告示 イ,ロ,ハ共通で警報設備自動火災報知器)を緩和利用する居室(各階)に設置すること。
警報装置の詳細については『令110条の5』に規定するものとあり,その中でも自動火災報知器に限るとあり,『告示198号第一号』でなければならない。

警報設備は,火災時に早期に火災情報を伝達し,在館者の逃げ遅れを解消する。
床面積30u以内は,火災時に早期に非難することを可能にする。

留意とまとめ).
今回の緩和は使いやすいけど,とにかく他にも採光の条文がある事をお忘れなく。
今回,「二」の警報設備(自動火災報知器)さえ設置すれば,条文「一」はかなり緩いので,わりと利用しやすいでしょう。




消防法における「無窓階」』  (無窓階検討表 サンプルファイルダウンロード

消防法においては無窓はどのように考えられているのか。
消防法では,火災等が発生した場合のその消火活動および避難上の困難性から無窓を階を単位(以下「無窓階」という)として扱っており,この点が無窓を居室を単位として扱っている建築基準法との大きな相異点である。


消防法の
無窓階の概念は消防法施行令第10条第1項第五号で「建築物の地上階のうち,避難上又は消火活動上有効な開口部を有しない階」とされており,有効な開口部の寸法・形状・構造等は消防法施行規則第5条の2に示されている。

令第10条〔消防法施行令〕
【消火器具に関する基準】
第10条  消火器又は簡易消火用具(以下「消火器具」という。)は,次に掲げる防火対象物又はその部分に設置するものとする。
(途中省略)
五  前各号に掲げる防火対象物以外の別表第1に掲げる建築物の地階(地下建築物にあっては,その各階をいう。以下同じ。),
無窓階(建築物の地上階のうち,総務省令で定める避難上又は消火活動上有効な開口部を有しない階をいう。以下同じ。)又は 3階以上の階で,床面積が50u以上のもの
(以下省略)

(避難上又は消火活動上有効な開口部を有しない階) (=「
無窓階」)
規則第5条の2  令第10条第1項第五号 の総務省令で定める避難上又は消火活動上有効な開口部を有しない階は,
11階以上の階にあつては直径50p以上の円が内接することができる開口部の面積の合計が当該階の床面積の1/30を超える階(以下「普通階」という。)以外の階,10階以下の階にあつては直径1m以上の円が内接することができる開口部又はその幅及び高さがそれぞれ75p以上及び1.2m以上の開口部を2以上有する普通階)以外の階とする。
2  前項の開口部は,次の各号(11階以上の階の開口部にあつては,第二号を除く。)に適合するものでなければならない。
一  床面から開口部の下端までの高さは,
1.2m以内であること。
二  開口部は,道又は道に通ずる幅員
1m以上の通路その他の空地に面したものであること。
三  開口部は,格子その他の内部から容易に避難することを妨げる構造を有しないものであり,かつ,外部から開放し,又は容易に破壊することにより進入できるものであること。
四  開口部は,開口のため常時良好な状態に維持されているものであること。

要約
直径1m以上の円が内接することができる開口部又は75p以上及び1.2m以上の開口部を2ヵ所以上有し,かつ,その開口部と(プラス)直径50p以上の円が内接することができる開口部の面積の合計がその階の床面積の1/30を超える階(普通階)


建築基準法では
採光,換気等それぞれの目的をもつ開口部の設置そのものが義務づけられているのに対し,消防法における無窓階の規定は,開口部の設置を義務づけるものではなく,建築物の消防活動上,避難上での安全性を図る一つの判断要素として開口部を取り扱っているものである。つまり,有効な開口部が設置されているにこしたことはないが,設置されていないならば,消防活動上の困難性が増えるので,その分消防用設備等の設置基準を,一般の階より強化しようというものなのである。

例1).消火器
消火器の設置で考えてみると,2階建事務所の場合,普通階(1/30の規定を確保の階)であるならば消火器の設置は必要ないが,1,2階とも
無窓階で,床面積が各々50u以上あれば,それぞれの階で設置が義務づけられる。

例2).屋内消火栓
同様に屋内消火栓の場合,事務所ビルの場合(ただし,内装による緩和を適用しないものとする),普通階であれば1階から3階まですべて設置は不要だが,
無窓階ならば全館に設置が必要となってくる。

消火器と屋内消火栓の設置だけを見ても,これだけ厳しい規制をうけるのだから,いかに無窓建築が割にあわない不経済なものか,おわかりいただけると思う。


消防法における「無窓階」と判定されると
無窓階となれば消防用設備の殆どの種類で設置基準に微妙な変化が生じる。
屋内消火栓設備・スプリンクラー消火設備・消火器具・自動火災報知設備・非常警報設備・避難器具等消防用設備の設置基準において,建物の用途,面積,階高,収容人員等と同じくらい大切な基準となる。設備の設置基準も大切だが,
無窓階になると自動火災報知設備の感知器の種別が光電式煙感知器でなければならないとか,いろいろな制約を受ける。その制約を緩和するために,1階などに設置する大きなシャッターなどは,外部からポンプ車の水圧によって開けることが出来る水圧シャッターにしている建物がたくさんある。

参考).確認申請の図面表記等について
無窓階判定関係(消防)
避難上の開口部には施錠方法を明記すること。
キープランと建具表を添付すること。



無窓階検討表 サンプルファイルダウンロード (左のフレームの「
法規関連資料のダウンロード」より)

a1_150_houki_check_shick_musoukai.dwg
  注意 → README   表示 :DWF HTM  (別ウィンドウで表示) 
法規チェック図 シックハウス検討表,無窓階検討表 (例)
表:Excelリンク表示 (.ver 2002)

a1_150_houki_check_musoukai.xls  消防法による無窓階の検討  (上記DWGから起動して保存したもの。 .ver 2002)

参考). a1_150_houki_check_shick.xls  シックハウス使用建築材料表  (上記DWGから起動して保存したもの。 .ver 2002)


色従属印刷スタイルファイル(.ctb) ダウンロード :T_office_monochrome.ctb  README





無窓階」の細部留意事項 (2009W)

無窓階以外の階の判定は,規則第5条の2によるほか,細部については次により取り扱うこと。

1 開口部の位置

(1) 規則第5条の2第2項第1号に規定する「床面から開口部の下端までの高さ」については,次によること。

ア 踏台は原則として認めないが,次の条件のすべてに適合する場合はこの限りではない。
(ア) 不燃材料で造られ,かつ,堅固な構造であること。
(イ) 開口部が設けられている壁面とすき間がなく床面に固定されていること。
(ウ) 高さは30cm以下,奥行は30cm以上,幅は開口部の幅以上であること。
(エ) 踏台の上端から開口部の下端まで1.2m以内であること。
(オ) 避難上支障がないこと。

イ 開口部が容易に外すことができない桟等で仕切られている場合は,下端が床面から1.2m以内にある開口部のみを有効開口として取り扱うこと。




(2) 規則第5条の2第2項第2号に規定する「通路その他の空地」について,次に掲げる空地等は「通路その他 の空地」として取り扱うことができる。

ア 国又は地方公共団体等の管理する公園で将来にわたって空地の状態が維持されるもの

イ 道又は道に通じる幅員1m以上の通路に通じることができる広場,建築物の屋上,庭,バルコニー,屋根, 階段状の部分で避難及び消火活動が有効にできるもの




ウ 1m以内の空地又は通路にある樹木,へいその他の工作物で避難及び消火活動の妨げにならないもの

エ 傾斜地,河川敷その他消火活動が有効に行えるもの

オ 周囲が建物で囲われている中庭等で,当該中庭から道に通じる通路があり,次のすべてに適合するもの
(ア) 通路の幅員は1m以上であること。
(イ) 中庭に面する部分以外の有効外壁に直径1m以上の円が内接することができる開口部又はその幅及び高 さがそれぞれ75cm以上及び1.2m以上の開口部が2以上あること。
(ウ) 中庭に面する部分以外の有効外壁の開口部で必要面積の2分の1以上を確保できること。




(3) 規則第5条の2第2項第4号に規定する「開口のため常時良好な状態」について,次に掲げる状態は,常時 良好な状態として取り扱う。

ア 格子,ルーバー,広告物,日除けその他の設備により避難及び消火活動上妨げにならないもの。

イ 開口部と間仕切壁等の間に通路を設け,間仕切壁等に出入口を有効に設けたもので,次のすべてに適合す るもの
(ア) 通路は通行又は運搬のみに供され,かつ,可燃物等が存置されていないこと等常時通行に支障ないこと。
(イ) 通路及び間仕切壁等の出入口の幅員はおおむね1m以上であること。(この場合,通路の幅員が場所に より異なる場合はその最小のものとする。)
(ウ) 間仕切壁等の出入口と外壁の当該開口部との歩行距離は,おおむね10m以下であること。





2 開口部の構造

規則第5条の2第2項第3号に規定する「外部から開放し、又は容易に破壊することにより進入できるもの」として、次に掲げる開口部を有効開口部として取り扱うことができる。

(1) ガラス窓

表−1に掲げるもの。ただし、これら以外のものであっても、外部からの一部破壊等により開放できると認められる場合は、実際に開口する部分を有効開口として取り扱うことができる。

(2) シャッター付開口部

ア 避難階に設けられた手動式軽量シャッター付の開口部(シャッターの底部に施錠機構があるもの以外にあっては、屋外から水圧で解錠できる装置を備えた場合に限る。)

イ 共同住宅の雨戸として設けられたもので、開口部に建基令第126条の7第5号に定める構造のもの又はこれと同等の消防活動スペースが確保され、かつ、屋外より消防隊が特殊な工具を用いることなく容易に開放できる手動式軽量シャッター付開口部(JIS A 4704で定めるスラットの板厚が1.0mm以下のものに限る。)

ウ 煙感知器の作動と連動して解錠する手動式軽量シャッター付開口部(非常電源付に限る。)

エ 屋内外から開放できる電動式シャッター付の開口部(非常電源付に限る。)

オ 煙感知器の作動と連動して開放する電動式シャッター付の開口部(非常電源付に限る。)

カ 防災センター、中央管理室等の常時人がいる場所から遠隔装置により開放できる電動式シャッター付の開口部(非常電源付に限る。)

キ 屋外から水圧によって開放できる装置を備えた電動シャッター付の開口部

(注)非常電源は、自家発電設備、蓄電池設備又は燃料電池設備によるものとし、非常電源回路は、耐火配線とすること。

(3) ドア
ア 手動式ドア(ハンガー式のものを含む。)で屋内外から容易に開放できるものただし、ガラス部分を有する手動式ドアのうち、当該ガラスを容易に破壊することにより内部の施錠を解錠できるものを含む。

イ 電動式ドアで、次の(ア)又は(イ)のいずれかに該当するもの

(ア) 普通ガラスで板厚6o以下のもの

(イ) 停電時であっても非常電源の作動又は手動により開放できるもの

(4) 二重窓

(1)から(3)までの開口部が組み合わされたもの(有効開口の算定については、開口面積の少ない方で行う。)ただし、設置の状況から避難上又は消火活動上有効でないと認めるものを除く。


表−1  ( (1) ガラス窓 の取扱い)

開口部のガラス
の種類
ガラスの厚さ

開口部の形式

判 定

足場有り 足場無し
普通ガラス 6.0o以下 引き違い戸
FIX
鉄線入りガラス 6.8o以下 引き違い戸
FIX × ×
10.0o以下 引き違い戸
FIX × ×
網入りガラス 6.8o以下 引き違い戸
FIX × ×
10.0o以下 引き違い戸
FIX × ×
強化ガラス 5.0o以下 引き違い戸
FIX
耐熱性ガラス※1 5.0o以下 引き違い戸
FIX
合わせガラス ※2 引き違い戸
FIX × ×
※3 引き違い戸 ×
FIX × ×
複層ガラス 構成するガラスごとに本表(合わせガラスを除くほか、網入りガラス及び鉄線入りガラスにあっては、厚さ6.8mm以下のものに限る。)により評価し、全体の判断を行う。

※1 強度が普通ガラス(厚さ6.0mm 以下)と同等のものに限る。(例:耐熱結晶化ガラス(製品名「ファイアライト」))

※2
@ フロート板ガラス(厚さ6.0mm 以下)+PVB(ポリビニルブチラール)(30mil(膜厚0.76mm) 以下)+フロート板ガラス(厚さ6.0mm 以下)の合わせガラス
A 網入板ガラス(厚さ6.8mm 以下)+PVB(ポリビニルブチラール)(30mil(膜厚0.76mm)以 下)+フロート板ガラス(厚さ5.0mm 以下)の合わせガラス

※3
@ フロート板ガラス(厚さ5.0mm 以下)+PVB(ポリビニルブチラール)(60mil(膜厚1.52mm) 以下)+フロート板ガラス(厚さ5.0mm 以下)の合わせガラス
A 網入板ガラス(厚さ6.8mm 以下)+PVB(ポリビニルブチラール)(60mil(膜厚1.52mm)以 下)+フロート板ガラス(厚さ6.0mm 以下)の合わせガラス
B フロート板ガラス(厚さ3.0mm以下)+PVB(ポリビニルブチラール)(60mil(膜厚1.52mm) 以下)+型板ガラス(厚さ4.0mm以下)の合わせガラス

[凡例]
○ … 開口部全体を有効開口部として算定に加えることのできるもの
△ … ガラスを一部破壊し、外部から開放できる部分(
引き違い戸の場合は概ね1/2(実際に開口できる部分))を有効開口部として算定に加えることのできるもの(クレセントやレバーハンドル自体に鍵付きとなっている等の特殊なもの については、個別に判断すること)。
× … 有効開口部として扱えないもの

(注1)
@ 「足場有り」とは、避難階又は外部バルコニー、屋上広場等破壊作業のできる足場が設けられているも のをいう。また、バルコニーとは、建基令第126条の7に定める構造のもの又はこれと同等のものをいう。
A 「引き違い戸」とは、片開き、開き戸を含め、通常は部屋内から開放でき、かつ、当該ガラスを一部破 壊することにより、外部から開放することができるものをいう。

B 「FIX 」 は嵌め殺し窓をいう。

(注2)判定について
判 定は,非常用進入口に代わる開口部の場合,一部異なるので注意。
例.強化ガラス5.0o以下のFIX → × ,× など
又,所轄行政庁や消防機関によって見解も一律ではないので事前の確認しておくこと。



表−2
 有効開口部




3 その他

(1) 同一階が屋外空間等で隔てられている場合又は開口部のない耐火構造の壁で区画されている場合にあっては、 隔てられた部分又は区画された部分ごとに無窓階の判定を行うこと。

(2) 無窓階の判定は、開口部がすべて閉鎖した状態で行うこと。

(3) 第4床面積・階の取扱い(1)により、十分に外気に開放されている部分で、かつ、屋内的用途に該当する部 分については、床面積の算定上は当該部分を算入して行うとされているが、無窓階の判定を行う上ではこれに よらないものとする。

(注)ポーチ部分の面積Aは、十分外気に開放されているが、自動車車庫としての用途を有すると認めら れるため、床面積の算定上は算入される。したがって建築物の床面積は倉庫部分の面積Bと合算し て(A+B)となるが、無窓階の判定上は、ポーチ部は外部空問として取り扱い、床面積Bの1/ 30の開口部の有無により判断するものとする。

(4) 吹き抜けの存する部分の床面積及び開口部の取扱いは、次によること。

ア 床面積の算定は、当該床が存する部分とする。

イ 開口部の面積の算定は、床が存する部分の外壁開口部の合計とする



居室とは(おさらい)
(法2条1項4号)

居室の定義は,「居住,執務,作業,集会,娯楽その他これらに類する目的のため継続的に使用する室」とされている。特定の人が継続的に使用する場合だけでなく,特定の部屋を不特定の人が入れ替り立ち替り継続的に使用する場合も「継続的に使用する」に含まれる。

居室とみなされるものの例 住宅 食堂,居間,応接問,寝室,書斎,厨房(調理のみで,床面積が小さく独立したものは令5章(避難施設等)の適用において非居室),家事室等
事務所 事務室,応接室,役員室,会議室,宿直室等
店舗 売場,事務室,喫茶室,調理室等
工場 作業所,食堂,事務室,休憩室等
病院 病室,診察室,看護婦室,医師室,手術室,待合室等
公衆浴場 脱衣室,浴室等
居室とみなされないものの例 玄関,廊下,階段,便所,洗面所,湯沸室,浴室,機械室,車庫,更衣室,ネン室,倉庫,納戸,物置等











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