「建築基準法及び関連法解説」
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内装制限 / 不燃 ・ 準不燃 ・
難燃材料
「 目 次
」
内装制限
■ na_001 内装制限
第35条の2
第128条の4 特殊建築物等の内装 【制限を受けない特殊建築物等】
第129条 特殊建築物等の内装
「内装制限一覧表」
(早見表)
※ 第128条の5の改正について (2020.4.1施行) 内装制限の緩和の拡大
■ na_002 内装制限の注意事項その1
(1)季節的にストーブ等を用いた場合
(2)露出した柱・はり等
(3)火気使用部分とその他の部分が一体である室
火気使用室の内装制限の緩和について
(告示225号)
(4)I H クッキングヒーターを設置した場合
■ na_003 内装制限の注意事項その2
スプリンクラー設備等を設けても内装制限が緩和されない場合とは
不燃 ・ 準不燃 ・
難燃材料
■ hu_002 不燃性能
【不燃材料】 (法2条九号,令108条の2)
【準不燃材料】 (令1条五号)
【難燃材料】 (令1条六号)
せっこうボードでの必要な性能基準の比較の例
内装制限
■ na_001 内装制限
第35条の2 〔建築基準法施行令〕 第2章 建築物の敷地、構造及び建築設備
【特殊建築物等の内装】
第35条の2 別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物、階数が3以上である建築物、政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物、延べ面積が1,000m2をこえる建築物又は建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたものは、政令で定めるものを除き、政令で定める技術的基準に従つて、その壁及び天井(天井のない場合においては、屋根)の室内に面する部分の仕上げを防火上支障がないようにしなければならない。
第128条の4 〔建築基準法施行令〕 第5章の2 特殊建築物等の内装
【制限を受けない特殊建築物等】
第128条の4 法第35条の2の規定により政令で定める特殊建築物は、次に掲げるもの以外のものとする。 (
※
‘次に掲げるもの’は‘定める’には適用せずに,別で定められている(第129条
特殊建築物等の内装)ということ。 )
一 次の表に掲げる特殊建築物
用途 |
構造 |
|||
耐火建築物 | 準耐火建築物 | その他の建築物 | ||
(1) |
法別表第1(い)欄(1)項に掲げる用途 |
客席の床面積の合計が400u以上のもの |
客席の床面積の合計が100u以上のもの |
客席の床面積の合計が100u以上のもの |
(2) |
法別表第1(い)欄(2)項に掲げる用途 |
当該用途に供する3階以上の部分の床面積の合計が300u以上のもの |
当該用途に供する2階の部分(病院又は診療所については、その部分に患者の収容施設がある場合に限る。)の床面積の合計が300u以上のもの |
当該用途に供する部分の床面積の合計が200u以上のもの |
(3) |
法別表第1(い)欄(4)項に掲げる用途 |
当該用途に供する3階以上の部分の床面積の合計が1,000u以上のもの |
当該用途に供する2階の部分の床面積の合計が500u以上のもの |
当該用途に供する部分の床面積の合計が200u以上のもの |
一 この表において、耐火建築物は、法第86条の4の規定により耐火建築物とみなされるものを含み、準耐火建築物は、同条の規定により準耐火建築物とみなされるものを含む。 二 この表において、第115条の2の2第1項第一号に掲げる技術的基準に適合する準耐火建築物の下宿、共同住宅又は寄宿舎の用途に供する部分は、耐火建築物の部分とみなす。 |
二 自動車車庫又は自動車修理工場の用途に供する特殊建築物
三 地階又は地下工作物内に設ける居室その他これらに類する居室で法別表第1(い)欄(1)項、(2)項又は(4)項に掲げる用途に供するものを有する特殊建築物
2 法第35条の2の規定により政令で定める階数が3以上である建築物は、延べ面積が500uを超えるもの(学校等の用途に供するものを除く。)以外のものとする。
3 法第35条の2の規定により政令で定める延べ面積が1,000uを超える建築物は、階数が2で延べ面積が1,000uを超えるもの又は階数が1で延べ面積が3,000uを超えるもの(学校等の用途に供するものを除く。)以外のものとする。
4 法第35条の2の規定により政令で定める建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備又は器具を設けたものは、階数が2以上の住宅(住宅で事務所、店舗その他これらに類する用途を兼ねるものを含む。以下この項において同じ。)の用途に供する建築物(主要構造部を耐火構造としたものを除く。)の最上階以外の階又は住宅の用途に供する建築物以外の建築物(主要構造部を耐火構造としたものを除く。)に存する調理室、浴室、乾燥室、ボイラー室、作業室その他の室でかまど、こんろ、ストーブ、炉、ボイラー、内燃機関その他火を使用する設備又は器具を設けたもの(
において「内装の制限を受ける調理室等」という。)以外のものとする。
第129条 〔建築基準法施行令〕 第五章 特殊建築物等の内装((第128条の3の2−第129条)
【特殊建築物等の内装】
第129条 前条第1項第一号に掲げる特殊建築物は、当該各用途に供する居室(法別表第1………(以下省略)
以下,第129条本文と第1項第一号に掲げる特殊建築物の表等の全容を見渡せるようにわかりやすくまとめた「内装制限一覧表」です。早見表です。
内装制限一覧表 |
||||||
用途等 | 構造 | 内装箇所(※1) 壁及び天井の室 内に面する部分 |
仕上材料 不:不燃材料 準:準不燃材料 難:難燃材料 |
|||
耐火建築物 | 準耐火建築物 | その他の 建築物 |
||||
@ | 法別表第1(い)欄(1)項に掲げる用途 劇場,映画館,演芸場,観覧場,公会堂,集会場 |
客席≧400u | 客席≧100u | 客席≧100u | 居室(1.2m以下の腰壁を除く) | 難,準,不 (3階以上の階に居室を有する建築物の居室の天井は) |
通路等(※2)準,不 | 準,不 | |||||
地階又は地下工作物内は全部適用 | 居室,通路等(※2) | 準,不 | ||||
A | 法別表第1(い)欄(2)項に掲げる用途 病院,診療所(病室があるもの),ホテル,旅館,下宿,共同住宅,寄宿舎,児童福祉施設等 |
3階以上の合計 ≧300u (共同生宅の住戸にあっては200uその他のものにあっては100u以内ごとに防火区画された部分を除く) | 2階部分 ≧300u (病院,診療所については2階に病室がある場合に限る) | 床面積の合計 ≧200u | 居室(1.2m以下の腰壁を除く) | 難,準,不 (3階以上の階に居室を有する建築物の居室の天井は準,不) |
通路等(※2) | 準,不 | |||||
地階又は地下工作物内は全部適用 | 居室 | 準,不 | ||||
通路等(※2) | 準,不 | |||||
B | 法別表第1(い)欄(4)項に掲げる用途 百貨店,マーケット,展示場,キャバレー,ナイトクラブ,カフェー,バー,ダンスホール,遊技場,公衆浴場,待合,飲食店,料理店,物販店舗(>10u) |
3階以上の合計 ≧1000u | 2階部分 ≧500u | 床面積の合計 ≧200u | 居室(1.2m以下の腰壁を除く) | 難,準,不 (3階以上の階に居室を有する建築物の居室の天井は準,不) |
通路等(※2) | 準,不 | |||||
地階又は地下工作物内は全部適用 | 居室 | 準,不 | ||||
通路等(※2) | 準,不 | |||||
C | 自動車車庫,自動車修理工湯 | 全部適用 | 当該用途部分 | 準,不 | ||
通路等(※2) | 準,不 | |||||
D | 大規模建築物 | 階数≧3,延べ面積>500u 階数≧2,延べ面積>1000u 階数≧1,延べ面積>3000u 次のものは除く 1) 学校等 2) 100u以内ごとに防火区画され,@〜Cの用途に供しない居室で,耐火,イ準耐火建築物の31m以下の部分 3) 高さ31m以下のAの用途 |
居室(1.2m以下の腰壁を除く) | 難,準,不 | ||
通路等(※2) | 準,不 | |||||
E | 排煙上無窓の居室(※3) | 当該居室の床面積>50u(天井の高さ>6mのものを除く) | 居室 | 準,不 | ||
F | 法28条ただし書き居室(※4) | 全部適用(天井の高さ>6mのものを除く) | 通路等(※2) | 準,不 | ||
G | 住宅・兼用住宅(※5)の調理室(※6),浴室等(主要構造部を耐火構造としたものを除く) | − | 階数≧2の建築物の最上階以外の階 | 調理室等 | 準,不 | |
H | 住宅以外の調理室,浴室,乾操室,ボイラー室等(主要構造部を耐火構造としたものを除く) | − | 全部適用 | 調理室等 | 準,不 |
※1).
回り縁,窓台その他これに類する部分を除く。(注意)
※2). 内装制限を受ける居室,車庫,火を使用する室などから地上に通ずる主な廊下,階段その他の通路をいう。
※3). 天井又は天井から80cm以内の開放できる窓が居室床面積の1/50未満の居室
※4). 有効採光のない温湿度調整を要する作業室など
※5). 住宅で事務所・店舗その他これらに類する用途を兼ねるものをいう。なお,小規模の農家民宿等も「類する用途」に含まれる。
※6). ダイニングキッチン,リビングキッチンの場合は,調理室と食堂または居室との間に高さ50cm以上の垂れ壁で区画しなければ,食堂または居間も内装制限の対象となる。
注).表による仕上げ材料を用いた場合は,従来ではそれぞれの部位に防火材料各種の認定シールを貼り付けることが義務づけられていたが,現在ではこの規定はない。
※
第128条の5の改正について (2020.4.1施行) 内装制限の緩和の拡大
〔建築基準法施行令〕
【特殊建築物等の内装】
第128条の5 前条第1項第一号に掲げる特殊建築物は、当該各用途に供する居室(法別表第1………(以下6項まで省略)
………
(省略)
………
7 前各項の規定は、火災が発生した場合に避難上支障のある高さまで煙又はガスの降下が生じない建築物の部分として、床面積、天井の高さ並びに消火設備及び排煙設備の設置の状況及び構造を考慮して国土交通大臣が定めるものについては、適用しない。
第128条の5 解説).
「第128条の5第7項」の内容が改正で追加になっています。
改正までは,7項でスプリンクラー設置+排煙設備設置で内装制限の緩和が可能でしたが,内容が追加されました。
要約すると, 告示の内容に適合させた建築物の部分は,内装制限の適用を受けないということになります。
告示第251号ではその詳細が明記されています。(告示詳細省略)
緩和措置が利用できる施設の主な条件を要約すると,以下の通りです。
・ 避難経路を含まない居室である
・ 100u以内で間仕切り壁もしくは防火設備で区画分けされている
・ 天井の高さが3m以上であること
・ 避難階もしくは避難階の真上階である
・ 屋外へ避難できる出口がある
・ スプリンクラーや水噴霧消火設備,泡消火設備などの自動式設備がある
…
これらは条件のうちの一部です。一つもしくは複数備えることで,使用する材料に対して制限が緩和されます。このように,内装制限の緩和措置を受けるためには,数々の条件を満たす必要があります。詳しくは,必ず自治体の担当部署に確認すること。
■ na_002 内装制限の注意事項その1 (2006H)
(1)季節的にストーブ等を用いた場合の内装制限について
令128条の4第4項において,内装制限を受ける調理室等として「調理室,浴室,乾燥室,ボイラー室,作業室その他の室でかまど,こんろ,ストーブ,炉,ボイラー,内燃機関その他火を使用する設備又は器具を設けたもの」が掲げられているが,実際に火を使用する室でも,建築物と一体となっている暖炉などを除き,季節的にストーブを使用したり,一時的にコンロを用いる場合においては,内装制限の対象とはならない。
(2)露出した柱・はり等の内装制限について
内装制限が適用される壁又は天井の部分に柱・はり等の木部が露出する場合で,柱・はり等の室内に面する部分の面積(見付面積)が各面(柱等は壁面,はり等は天井面)の面積の10分の1を超える場合は,当該柱又ははり等の部分も壁又は天井の一部とみなして内装制限の対象として取り扱われる。また,柱・はり等の他,鴨居,長押,天井の竿縁も面積の計算対象に含まれる。(図省略)
これは,壁又は天井の表面に設ける不燃材料でない照明器具力バー等の通達の扱いに準じた運用である。なお,木部以外の不燃材料でない装飾用塩ビシート等にも適用は可能である。
なお,準不燃材料同等内装告示(平成21年2月27日国土交通省告示第225号)の適用に当たっては,柱・はり等の木部は見付面積に関係なく内装制限の対象となるので注意が必要である。(2017国土交通省
住宅局建築指導課)
平成12年5月31日建告第1439 / 昭和44年5月1日住指発第149号
/ 昭和45年1月31日住指発第35号
(3)火気使用部分とその他の部分が一体である室の内装制限について
ダイニングキッチンの場合 | |
![]() |
ダイニングキッチンの場合など,厨房と一体となっている室については,図のように天井から「おおよそ50cm以上」で,かつ,「不燃材料で造り又は覆われた」垂れ壁(コンロ等の火源中心からの水平距離は,火源から天井までの高さ「h」の1/2以上の離れとする)で相互に区画をすれば,厨房のみ内装制限をすればよい。 |
※ 横浜市建築基準法取扱基準集より
調理室等の内装制限の適用について
調理室等内装制限を適用する室と他の室とが天井までの建具を有する開口部で接続されている場合の当該建具は、
内装制限の適用範囲が内壁及び天井の部分であることからその適用はないものとします。
なお、この場合における他の室についても内装制限の適用はないものとします。
(58建企第15号 昭和58年6月11日)
火気使用室の内装制限の緩和について (告示225号)
『コンロ周りだけ内装制限をすれば良い』という緩和の正体は『告示第225号』です。利用したい方が多いにも関わらず,読みづらく,わかりにくい法文です。
ポイント
・
コンロ周りの内装制限を強化する代わりにコンロ周り以外は難燃材料等でOKになる。
※…難燃材料又は告示第1439号第1第二号に規定する木材等。
告示第1439号第1項第二号のものであれば,難燃材料以外であっても使える。
・ コンロ周りの内装制限は長期加熱部分と短期加熱部分の2段構えの制限になる。
告示第225号の要件
以下4つ全てに適合させる事
@火気使用室で,コンロの一口における一秒間当たりの発熱量が4.2キロワット以下である事(ただし,『他の条件で内装制限を受ける室』と『ホテル,旅館,飲食店等の厨房その他これらに類する室』を除く)
一戸建て住宅(住宅以外を兼ねる場合,床面積の合計が延べ面積の1/2超又は50u超除く)も同様
A長期加熱部分(水平25p,垂直80pの円錐)の下地と内装を特定不燃材料にする事
B短期加熱部分(水平80p,垂直235pの円錐他条件有り)の下地と内装を指定された材料にする事
C長期加熱部分,短期加熱部分以外の内装材料は難燃材料等にする事
(以下,省略)
留意).木造建築物には使いにくい(理由あり!)
理由は,長期加熱部分と短期加熱部分の規制に適合させる事が難しい為です。なぜなら,木造建築物は下地を『特定不燃材料』に出来ないからです。
(4)I H クッキングヒーターを設置した場合の内装制限について
I H
クッキングヒーター(電磁誘導加熱式調理器)については,電磁誘導で加熱・調理するものであり火気を使用しないこととなるため,原則,内装制限の適用はないものとして扱われているが,熱による間接的な着火も考えられるため,慎重な対応も求められる。
消防法及び火災予防条例等により調理器と周囲との離隔距離等について規制があるので注意を要する。今後の取扱いの運用に注視。
■ na_003 内装制限の注意事項その2 (2006H)
スプリンクラー設備等を設けても内装制限が緩和されない場合とは
(内装制限の落とし穴)
令129条7項の規定により,スプリンクラー設備等で自動式のもの及び令126条の3の規定に適合する排煙設備を設けた建築物の部分は,「特殊建築物の内装制限」が適用の除外となるが,以下の場合には別の規定から内装の制限がされるので注意が必要である。
内装制限に関するその他の規制 |
||
規制項目 | 条文 | 規制内容等 |
防火区画 (内装仕上げを不燃強化し,緩和適用を受けた場合) |
令112条4項 (面積区画) |
仕上げを準不燃材料でしたもの |
令112条6項 令112条7項 (高層区画) |
下地仕上げを準不燃材料で造ったものは200u以内ごとの防火区画に緩和される。 下地仕上げを不燃材料で造ったものは500u以内ごとの防火区画に緩和される。 |
|
令112条9項ただし書き (竪穴区画) |
避難階の直上階又は直下階のみの竪穴区画は,下地,仕上げを不燃材料で造れば防火区画の範囲が緩和される。 | |
直通階段の設置 | 令120条2項 | 仕上げを準不燃材料とすれば,歩行距離が+10m緩和される。 |
避難階段及び特別避難階段の構造 | 令123条 | 階段室及び付室は,下地,仕上げを不燃材料で造ること。 |
排煙設備 (緩和を適用した場合) 令第126条の2,令第126条の3 |
H12告示1436号二 | 仕上げを準不燃材料とすること。 |
H12告示1436号4号ハ (排煙設備の緩和) |
(1)仕上げを準不燃材料とし,防火区画した室。 (2)床面積100u以内ごとに防火区画され,仕上げを準不燃材料とした居室。 (3)床面積が100u以下で防火区画され,下地能上げを不燃材料とした居室。 ※ 床からの高さが1.2m以下の部分も除かれないので注意が必要。 |
|
非常用の昇降機の設置及び構造 | 令129条の13の3第3項 | 乗降ロビーは下地,仕上げを不燃材料で造ること。 |
注).消防法による規制から内装の制限がかかる場合があるので注意すること。
不燃 ・ 準不燃 ・ 難燃材料
■ hu_001 不燃性能
【不燃材料】 (法2条九号,令108条の2) (2007W)
全面的に性能規定化となりました。
旧法では,コンクリート,れんが,瓦,アルミニウム,ガラス等が政令で定める不燃性を有するものとして定義されていましたが,これらの具体的な材料は新たに告示(1400号)にて表示されるようになりました。告示以外の材料も建設大臣の認定を受けたものも使用できるようになりました。その代わりに法では『不燃性能』として定義付け,政令でその技術的基準を設けました。
その内容は―
不燃性能及びその技術的基準を,建築材料に,通常の火災による火熱が加えられた場合に,加熱開始後20分間次に掲げる要件を満たすものであるものとします。
(第108条の2関係)
「表1」
不燃・準不燃・難燃材料に必要な性能基準 (時間
:加熱開始後,要件を満たす時間)
不燃材料に必要な性能基準 | ||
材料の種類 | 時間 | 要件 |
不燃材料 | 20分間 | 1. 燃焼しないこと 2. 防火上有害な変形,溶融,き裂等の損傷を生じないこと 3. 避難上有害な煙又はガスを発生しないこと |
準不燃材料 | 10分間 | |
難燃材料 | 5分間 |
【準不燃材料】 (令1条五号) (2007W)
全面的に性能規定化となりました。
従来は,木毛セメント板や石膏ボード等具体的な建築材料をあげてましたが,これらの表現をやめて上記の不燃性能及びその技術的
基準に通常の火災による火熱が加えられた場合に,加熱開始後10分間前記「表1」に掲げる要件を満たすものであるものとしました。
(第108条の2関係)
尚,告示(1401号)にて具体的な準不燃材料が提示されましたが,木毛セメント板に関しては厚さ15mm以上,石膏ボードに関しては厚さ9mm以上等となっており,例示仕様の色が濃くなっています。
以上のように準不燃材料は,不燃材料の不燃性能を含んでいることから,準不燃材料の中に不燃材料が含まれることになります。
【難燃材料】 (令1条六号) (2007W)
全面的に性能規定化となりました。
従来は,難燃合板や難燃プラスチック板等具体的な建築材料をあげてましたが,これらの表現をやめて上記の不燃性能及びその技術的基準に通常の火災による火熱が加えられた場合に,加熱開始後5分間前記「表1」に掲げる要件を満たすものであるものとしました。
(第108条の2関係)
尚,告示(1402号)にて具体的な難燃材料が提示されましたが,その中に準不燃材料が含まれていたり,難燃合板では厚さ5.5mm以上となっており,例示仕様の色が濃くなっています。準不燃材料と同様に,難燃材料の中に準不燃材料,不燃材料が含まれることになります。
(2006H)
前述の性能は,同じ試験方法によって,耐えることができる時間の相違により判定されているので,材料間には下図のように包含関係(上位の性能を有する材料,構造等は,下位の材料,構造等に包含される)が成り立つ。
各用語の考え方
以下,せっこうボードでの必要な性能基準の比較の例。
●
不燃材料(法2条9号,令108条の2)
加熱開始後20分間,下表に掲げる要件を満たしている建築材料
H12告示1400号(厚さ12mmのせっこうボード等)
参考).認定例 :PB 厚12.5mm(不燃NM-8619)/強化PB
厚15mm(不燃NM-8615)
● 準不燃材料(令1条5号)
加熱開始後10分間,下表に掲げる要件を満たしている建築材料
H12告示1401号(厚さ9mmのせっこうボード等)
参考).認定例 :PB 厚9.5mm(準不燃QM-9826)
● 難燃材料(令1条6号)
加熱開始後5分間,下表に掲げる要件を満たしている建築材料
H12告示1402号(厚さ7oのせっこうボード等)
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