歴史 ・ 時代小説 さんほ°   ( 記. 遠山    遠山英雄都市建築設計事務所 主宰 )  2024.04.04 更新  


仕事の息抜きの散歩がてら,古本・新古書を扱っているBOOKOFFをのぞいています。何時もの《時代小説》コーナー,作家にこだわらず本の裏表紙のあらすじから≪ オッ・・・,こ,これは・・・≫と思われる本をランダムに購入しています。古本・新古書なのでランキングや専門家のおすすめなどとは程遠く,選択は限られます。それでも本の解説の関連書物紹介から,名作 ---‘良’に辿りつくことがあります。歴史や時代の総体を見渡す時間は無いにしても,世間での定説,通説,或いは紆余曲折の史実への疑問から “歴史・時代小説” を読み耽っていますが,作家の独自の史論の中には,歴史学からはなれた信憑性がうかがえることがあります。

“歴史・時代小説” には,ノンフィクション,フィクション,中間のノンフィクション・ノベルがあるようですが,いずれにしても史書,郷土史,回想録,…他,膨大な
史料の渉猟,関係者存命と分かれば遠路遥々と出張取材,加えて古文書(古記録)解読に必須の日本漢文や時代詞(ことば)の習得と,いずれも驚異的で大変な労力でしょう。とことん掘り下げて掘り広げて,わずかな欠片を拾い集め,繋ぎ合わせ,それでも辿りついてみれば真っ暗闇で立ち竦んでしまう。何も聞こえない暗闇の中で,推測に抑制した想像が加わって,史論,史伝,そして史実文学が生まれるのでしょうか。
彼の‘森鷗外’曰く,歴史そのままは‘歴史小説’,歴史ばなれは‘時代小説’と規定したと聞き及んでいますが,歴史とは,果たして深層は
・・・となると,時代の背景があるにしても,人の行いの道理,不合理,まかり通ってしまった理不尽な道義 ・・・ 等など,一つ二つの疆域では理解し難いことばかりです。語り続けられている‘幕末の維新回天’,この維新の‘意義’さえ,私たちはどう捉えたらよいのか。大義とは一体何なのか・・・。そして昭和のあの‘悲しい日本’へと。兆しは果たしていつ,どのように動きだしたのか。

覆すことのできない斯くなる歴史,余りにも凄惨,残虐,残酷で聞くに堪えない史実が語り継がれていますが,苛酷に虐げられようと,死の淵へ追いこまれようと,人は道理の‘理’を信じ,屈することなく悪逆無道に立ち向かったことでしょう。
今日,文明社会とはいえ,不透明で見え難く,惑わされる数々の事象
-----それでも‘理’の “みち” は変わることなく人々を “本質” へと‘みちびき’続けるでしょう。


まことに取りとめなく,拙く語ってしまいました。

さて,以下ここに挙げている“歴史・時代小説”のリストは,元を明かせば同じ本を購入しないようにと個人的な‘メモ書き’をデジタル化したものです。随時更新しています。リストの掲載順は,ファンというわけではなく感慨深かった順で,随時入れ替わります。興味のある方にも閲覧しやすい程には篇集してありますが,あくまでも個人用なので,既読を“
”文字に,これから読んでみたい本を“”文字としています。共に“惹かれた・惹かれる”本に「」印を付けてあります。
尚,各あらすじ,略歴等のコメントはフリーサイト百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」,他からの抜粋掲載です。関係者の皆様,ご容赦願います。





INDEX


半藤一利  
司馬遼太郎  海音寺潮五郎  中村彰彦  安倍龍太郎  綱淵謙錠  青山文平  乙川優三郎  佐藤雅美  滝口康彦 

伊藤潤  南条範夫  佐藤巖太郎  浅田次郎  上田秀人  長谷川伸  中山義秀  山本博文  梅崎春生  佐江衆一  山田風太郎 

杉本苑子  
永井路子  朝井まかて  澤田瞳子  永井紗耶子  安西篤子  古川薫  竹田真砂子  大原富枝 


西村兼文  子母澤寛  坂口安吾  大岡昇平  森鷗外  三田村鳶魚  梅原猛


以下,幕末維新とは何かを問い,もう一つの日本の近代化の可能性を照らし出す歴史小説の名作と言われている四篇

葵の残葉奥山景布子 / 『かちがらす植松三十里 / がいなもん 松浦武四郎一代河治和香 / 柳は萌ゆる平谷美樹 


藤沢周平  葉室麟  山本周五郎  伊藤桂一  村上元三  武川佑  高橋義夫  渡辺淳一 

鎌田樹   野村敏雄  武田八洲満  今井絵美子  横溝正史

坂岡真  
南原幹雄  松本清朝  結束信二  安住洋子  川田弥一郎  梶よう子  天野純希  有明夏夫   

船戸与一  逢坂剛  辻堂魁  白石一郎

菊池寛  白井喬二  火坂雅志  童門冬二  田中英光  山手樹一郎 

杉本章子  井川香四郎  小杉健治  佐々木裕一  船山馨  岩井三四二  諸田玲子  松井今朝子  藤水名子 

隆慶一郎  宮本昌孝  木下昌輝  蓑輪 諒  東郷 隆  井上友一郎  三好徹  井口朝生  吉川英治  新田次郎 


森村誠一  柴田錬三郎  五味康祐  築山桂  池波正太郎  笹沢佐保  京極夏彦  澤田ふじ子  藤原緋沙子 

宇江佐真理  中島要  北原亞以子  宮部みゆき  平岩弓枝  土橋章宏




下,歴史・時代小説 アンソロジー  

歴史小説の世紀 天の巻
 / 新選組烈士伝 / 新選組興亡録 / 時代小説傑作選  / 武士道 / 軍師は死なず / 動乱!江戸城 / 

幕末暗殺 / 大江戸「町」物語 / 大江戸「町」物語 光 / 血闘!新選組 / 決戦!新撰組 / 決戦!関ヶ原 / 決戦!関ヶ原2 / 

決戦!大阪城 / 決戦!本能寺 / 決戦!川中島 / 決戦!桶狭間 / 決戦!賤ヶ丘 / 決戦!説楽原 / 武芸十八般 / 武士の本懐 /

英傑
 / 軍使の生きざま / 軍使の死にざま / 決戦!大阪の陣 / 永遠の夏 戦争小説集 / 戦国 番狂わせ七番勝負 / 日本の歴史 / 

時代小説 ザ・ベスト2016
 / 時代小説 ザ・ベスト2017
 / 時代小説 ザ・ベスト2018 / 時代小説 ザベスト2019 / 時代小説ザ・ベスト2020
 /

時代小説 ザ・ベスト2021 / 志に死す
 / 感涙 / 闇に立つ剣鬼
 / 

人生を変えた時代小説傑作選
 / 衝撃を受けた時代小説傑作選 / 捕物小説名作選 一 / 捕物小説名作選 二 / 時代小説 読切御免第一巻 / 

時代小説 読切御免第二巻 / 時代小説 読切御免第三巻 / 
花と剣と侍 / 侍たちの歳月 / 大江戸の歳月 / 武士道春秋 / 武士道日暦 / 

武士道歳時記 / 男たちの凱歌 / 江戸の老人力
 / 

七つの忠臣蔵 / 迷君に候 / 赤ひげ横丁 / 主命にござる / いのち / いのちを守る / 

西郷隆盛 英雄と逆賊
 / 欣喜の風 / 怒髪の雷 / 哀歌の雨 / 楽土の虹 / 絆を紡ぐ  / 江戸夢あかり /
 江戸なみだ橋 / 江戸なごり雨 / 

江戸しのび雨  / 江戸めぐり雨  / 撫子が斬る / 吉原花魁
 / 冬ごもり / 秋びより / 夏しぐれ / 江戸の商人力 / 素浪人横丁 / 情に泣く / 

親不孝長屋
 / がんこ長屋 / 世話焼き長屋  /  たそがれ長屋  /  おやこ / 悲恋 



































































半藤一利  はんどう かずとし

日本のジャーナリスト、戦史研究家、作家。近現代史、特に昭和史に関し人物論・史論を、対談・座談も含め多く刊行している。
文墓春秋入社。「週刊文春」「文裏春秋」編集長、専務取締役、同社顧問などを歴任。

東京市出身 東京大学文学部国文科卒業
1930年5月21日生まれ 2021年1月28日逝去  享年90歳

『漱石先生ぞな、もし』 第12回新田次郎文学賞
ノモンハンの夏』 第7回山本七平賞
昭和史』(全二巻)  第60回毎日出版文化賞特別賞 / 第63回菊池寛賞


※※
幕末史』 (慶鷹丸の内シティキャンパスの特別講座として、二〇〇八年三月から七月まで十二回にわたって、 一時間半から二時間のおしゃべりしたことをまとめたもの。) (はじめの章,第一 〜 一三章,むすびの章)
 
あとがき  半藤一利
……
戊辰戦争で賊軍となった諸藩が,薩長からつきつけられた要求には,徳川家を裏切れという倫理的課題と,法外な金銭的要求とが入っている。もっと大きくいえば,要するに屈辱的な薩長の隷属藩になれということであった。これに義を重んずるサムライが黙って従うわけにはいかない。こうして戦争となったが,東軍の諸藩が弓を引いたのはあくまで薩長土肥にたいしてであって,天皇にたいしてではない。それなの,……
……
……,幕末から明治ヒトケタにかけての政争のなかで,薩長は徳川にかわって天下に号令しようとしている,としきりにいわれた。……。でも,そんなうまい具合にいかなかったのは当然である。世界情勢や国内情勢がそれを許さなかった。勝海舟がしきりにいったように,新しい統一国家をつくる以外に国家の生きる道はなかったからである。……新政府の"革命家"たちはほとんど何も考えていなかった。……。つまり明治十年までに国家運営の基礎はどうにか打てたかもしれないが,仏造って魂入らず,薩長が真の国家統一の精神的権威を獲得するのは,まだ先のことなのである。……。



※※ あの戦争と日本人』 (歴史とは、前の事実を踏まえて後の事実が生まれてくる一筋の流れである―――明治維新、日露戦争、統帥権、戦艦大和、特攻隊。悲劇への道程に見えるーつーつの事実は、いつ芽吹き、誰の思いで動き出したのか。名著『昭和史』に続き、わかりやすく語り下ろした戦争史決定版。日本人の心に今もひそむ「熱狂」への深い危慎が胸に迫る。)


※※ ソ連が満洲に侵攻した夏』 (日露戦争の復讐と版図拡大に野望をいだくスターリン,原爆を投下し戦後政略を早くも画策する米英,日ソ中立条約を頼り切ってソ満国境の危機に無策の日本軍首脳――― 三様の権謀が渦巻く中,突如ソ連軍戦車が八月の曠野に殺到した。 百万邦人が見棄てられた昭和史の悲劇を,『ノモンハンの夏』の作家が痛烈に描く。 解説・辺見じゆん)
 
あとがき  半藤一利
……
……。ずうっと「あの夏」に拘わりつづけてきたあとに残されていたのは,ソ連軍の満洲侵攻というテーマである。……
……。正直にいって,最後の一行に達するまで,哀れなまでに無能無策の日本の指導層,非情な米ソの国際政戦略,その間にあって虫けらのように殺戮される日本人と,つらい事実の連続に,滞りがちの筆を無理に推し進めての毎日となった。書き終えて,誰に頼まれたわけでもない,みずからがみずからに課した義務を,ようやくに果たすことができたと心底からホッとした。いまは少しく落ち着いた気持になっている。
長々しいノンフィクションとなったが,本書で書きたかったのは,結局,正義の戦争はない,という終章の一行につきるようである。……
……
……。しかし,国と国との戦いにおいてそれぞれの国のかかげる「正義」の旗印は,つまるところ国益の思想的粉飾にすぎないのである。
……
 
解説 辺見じゆん (作家・歌人)
……
無謀な戦争によって市民をどん底におとしいれた無責任体制が,戦後五十年以上経った今も,充分反省されたのかどうか甚だ疑問に思う。今の政治のありようを見るにつけ,そう思う。
……
わたしたちは過去から遂に何も学ぶことはできないのであろうか。
……
いかに悲惨と失敗に満ちた過去であろうと,それはまぎれもなく日本人が足跡をきざんだ歴史の現実である。目をつむって無視することはできない。というより,幾度でもそこに立ち返り,悲惨と失敗の過去を克服する努力こそが,日本人として歴史に参与する道であると,本書を読んで改めて思った。


※※ 昭和と日本人 失敗の本質

日本のいちばん長い日--運命の八月十五日』 (映画化)
聖断--天皇と鈴木貫太郎
坂口安吾と太平洋戦争
「昭和天皇実録」にみる開戦と終戦
もう一つの「幕末史」
  『人物・太平洋海戦』
『魚雷戦第二水雷戦隊』 改題『ルンガ沖夜戦』

『日本海軍を動かした人びと
--勝海舟から山本五十六まで』 改題 『日本海軍の栄光と挫折--列伝で読む組織の盛衰』 改訂・改題 『日本海軍の興亡』 (PHP文庫, 1999年/PHP研究所, 2008年)

『山本五十六の無念』 増訂版 『山本五十六』
『聯合艦隊司令長官 山本五十六』
『昭和史の転回点』


『コンビの研究
--昭和史のなかの指揮官と参謀』 改題 『指揮官と参謀』 コンビの研究

『日本参謀論』
『山縣有朋』
『大相撲こてんごてん』 改題 『大相撲人間おもしろ画鑑』
『歴史探偵 昭和史をゆく』
『列伝・太平洋戦争』

『戦士の遺書』 太平洋戦争に散った勇者たちの叫び
『戦う石橋湛山
--昭和史に異彩を放つ屈伏なき言論』
『荷風さんと「昭和」を歩く』
『歴史探偵の愉しみ』
『歴史探偵かんじん帳』

『続 漱石先生ぞな,もし』
『漱石先生大いに笑う』
『漱石先生がやって来た』
『漱石俳句を愉しむ』
『幕末辰五郎伝』
『漱石俳句探偵帖』
『レイテ沖海戦』
『一茶俳句と遊ぶ』
『徹底分析川中島合戦』
『手紙のなかの日本人』
『歴史をあるく、文学をゆく』

『「真珠湾」の日』

『清張さんと司馬さん
--昭和の巨人を語る』

『風の名前 風の四季』
『この国のことば』
『遠い島ガダルカナル』
『漱石先生お久しぶりです』
『日本国憲法の二〇〇日』

『それからの海舟』
『隅田川の向う側 私の昭和史』
『15歳の東京大空襲』
『世界はまわり舞台』
『墨子よみがえる』
『若い読者のための日本近代史 私が読んできた本』
『昭和史をどう生きたか 半藤一利対談』
『マッカーサーと日本占領』
『歴史に「何を」学ぶのか』
『ぶらり日本史散策』
『語り継ぐこの国のかたち』
『半藤一利 橋をつくる人 のこす言葉』

『戦う石橋湛山』
『日露戦争史』
『日本型リーダーはなぜ失敗するのか』
『歴史のくずかご』
『とっておき百話』
『日本史はこんなに面白い』(編著)
『十二月八日と八月十五日』(編著)
太平洋戦争 日本軍艦戦記』(
半藤一利・加藤陽子 昭和史裁判』
安野光雅・半藤一利 三国志談義』
『半
藤一利と宮崎駿の 腰ぬけ愛国談義』(文春ジブリ文庫)
半藤一利監修 秋永芳郎・棟田博 学びなおし太平洋戦争1〜4』
半藤一利・保坂正康 そして、メディアは日本を戦争に導いた』
半藤一利・保坂正康 ナショナリズムの正体』
菅原文太・半藤一利 仁義なき暴末維新 われら賊軍の子孫
宮部みゆき・半藤一利 昭和史の10大事件』

(他,省略)















































































司馬遼太郎  しば りょうたろう

大阪府大阪市出身 旧制大阪外国語学校(現在の大阪大学外国語学部蒙古語学科)卒業
1923年(大正12年)8月7日生まれ 1996年(平成8年)2月12日逝去 享年72歳

『ペルシャの幻術師』 第九回講談倶楽部賞候補 (選考委員 海音寺潮五郎 推挙)
世に棲む日日』 吉川英治文学賞受賞
梟の城』 第42回直木賞受賞
 (選考委員 海音寺潮五郎 推奨)
竜馬がゆく』 第14回菊池寛賞受賞

『国盗り物語』 第14回菊池寛賞受賞
『ひとびとの跫音』 読売文学賞受賞
『ロシアについて』 読売文学賞受賞
『韃靼疾風録』 大佛次郎賞受賞
『街道をゆく“南蛮のみちT”』 日本文学大賞受賞 (エッセイ)

※※翔ぶが如く』 全10巻 (維新の立役者であった西郷隆盛と大久保利通という二人の指導者の友情と対立、そして衝突の行方を壮大なスケールで描いた司馬遼太郎の名作の一つ。「明治という」国家を表現した超ヒット作品。)

燃えよ剣
上・下巻
馬上少年過ぐ』 (短篇七篇)
新撰組烈士伝
新撰組血風録
壬生狂言の夜
一六の話』 (対談)
大坂侍
十一番の志士(上下)
風の武士
果心居士の幻術』 (短篇六篇)
戦国の忍び
故郷忘れじがたく候
最後の将軍 徳川慶喜
幕末』 (連作十二篇)
アームストロング砲
韃靼疾風録 (連作十二篇)
酔って候』 (短篇四篇)
宮本武蔵
真説宮本武蔵』 (短篇六篇)
言い触らし団右衛門』 (短篇五篇 「おお,大砲」,他
  歳月
おれは権現』 (短篇七篇)
戦雲の夢
軍師二人』 (短篇八篇)
侍はこわい』 (短篇八篇)
覇王の家
花神
上・中・下巻
人斬り以蔵』 (短篇八篇 「お  お、大砲」,「鬼謀の人」,「美濃浪人」,他)
殉死』 (解説 山内昌之

風塵抄』(エッイ)
この国のかたち』(エッセイ) 全六巻


』 上・中・下巻
『坂の上の雲』
『風神の門』
『飛び加藤』
『新史太閤記』
『関ヶ原』 上・中・下巻
『城塞』
空海の風景』 日本芸術院恩賜賞
『胡蝶の夢』
菜の花の沖
『韃靼疾風録』

映像化
関ヶ原、 幕末、 御法度、 梟の城、 人斬り、 暗殺、 新選組血風録 近藤勇、 忍者秘帖・梟の城













































海音寺潮五郎  かいおんじ ちょうごろう

鹿児島県出身 國學院大學高等師範部国漢科卒業
1901年生まれ 1977年逝去  享年76歳
司馬遼太郎を非常に高く評価,一方で池波正太郎直木賞選考委員を辞任後,直木賞選考を辞退。)

武道伝来記』 第3回直木賞受賞
第16回菊池寛賞受賞

幕末動乱の男たち』 上巻 (「小栗上野介」,「武市半平太」,「長野主膳」,他三篇)
幕末動乱の男たち』 下巻 (「山岡鉄舟」,「吉田松陰」,「大久保利通」,他一篇    解説:尾崎秀樹 ,
海音寺が抱いた危機感:末国善巳 )

武将列伝』 一 〜 六 (斉藤道三,他)

悪人列伝』 古代編
悪人列伝』 中世編
悪人列伝』 近世編
悪人列伝四』 近代編

西郷隆盛と勝海舟
「執念谷の物語」所収, アンソロジー『西郷隆盛 英雄と逆賊にも所収)
史伝 西郷隆盛
江戸開城』 長編
日本』 一連の作品群(3部作,残り2作品未完) 「二本の銀杏」 「火の山」 「風に鳴る樹」

天正女合戦
西郷隆盛』 (全九巻)   (参考: 他大作,林房雄(はやしふさお)の「西郷隆盛」)
西郷と大久保

田原坂 小説集・西南戦争』 全十一篇
茶道太閤記
海と風と虹と
列藩騒動録
上巻 「島津騒動」,「越前騒動」,「越後騒動」,他四篇)
列藩騒動録下巻
※※寺田屋騒動』 (解説 磯貝勝太郎
日本歴史を点検する』 (司馬遼太郎との対談)
天と地と』 上・下巻 NHK大河ドラマ化
『平将門』
『柳沢騒動』 (戦前に出版)
覇者の条件


剣と笛』 歴史小説傑作集  (※※「立花宗茂」 「剣と笛」 「南部十左衛門」 「羽川殿始末記」 他五篇)
 
解説 磯貝勝太郎
……
……史伝を書きはじめた理由のひとつは、人間の考え出すフィクションの小説のおもしろさよりも、史料が伝える生きた歴史(史実)の世界に興味をもったからだ。つくりものの小説を書くことにあきたらなくなり、多数の史料や該博な知識から原話をえらび、そのおもしろさを活かした「剣と笛」「大聖寺伽羅」「老狐物語」「南部十左衛門」「奥方切腹」などの短篇は、いずれも、「武将列伝」の連載がはじまる前後に書かれており、史伝に移行する時期に執筆されているのである。……
……



かぶき大名』 歴史小説傑作集2  (短篇
 ※※ 「かぶき大名」 「酒と女と槍と」 「乞食大名」 「男一代の記」,他四篇)

豪傑組』 歴史小説傑作集3  (短篇集 「はやり唄五千石」 「忠直卿行状記」 「越前騒動」 「一色崩れ」,他五篇)

  『戦国風流武士 前田慶次郎』
『加藤清正』上,下巻


乱世の英雄』  (※※「明治維新史管見」 「西郷南洲の悲劇」 「西南戦争遺聞」,他
 
あとがき 海音寺潮五郎
……
……ぼくの歴史に対する解釈はこうだ。
歴史とは、
完全なる幸福(完全なる自由)をもとめる
人類の意志が
現実の諸条件と
戦いつつ
妥協しつつ
進んでやまない過程の
記録である
「完全な自由」「完全な幸福」は、人類からは生まれない。人類は元来不完全なものだ。蛇からは蛇しか生まれず、鳩からは鳩しか生まれず、不完全からは不完全しか生まれない。人類はいつまで立っても不完全であるよりほかはない。不幸であり、不自由であるよりほかはない。
幸福とは、欠乏が充足されて行く過程の感覚だ。物質的不足があるから充足の喜びがあり、不自由があるから自由の喜びがある。すでに感覚である。本体のあるものではない。空腹時に食事するのは幸福であるが、すでに満腹してしまうとその満腹がつづくことは不快であり、不幸であることは、誰しも経験することだ。不幸と不自由は、人類から切って離せないものだ。
しかし、それでも、人類にはいつも完全をめざして進まざるを得ない本能がある。人類の歴史が人類のつづくかぎりあるのは、このためだ。……
……



島津騒動

おどんな日本一

『実説武侠伝』
『吉宗と宗春』
『二本の銀杏』上,下巻
『赤穂浪士伝』上,下巻
『赤穂浪士』
『蒙古来たる』上,下巻
『立花一族』
『中国英一傑伝』 上・下巻
『中国妖艶伝』
歴史余話
歴史随談

海音寺潮五郎短篇総集』 全八巻 (「剛兵」(第八巻),他)
史談切り捨て御免



















 














 























中村彰彦  なかむら あきひこ

栃木県栃木市出身 東北大学文学部国文卒業

1949年6月23日生まれ

二つの山河』 第111回(1994年上半期)直木賞受賞
(かれらも祖国のために戦ったのだから---。 大正初め、徳島のドイツ人俘虜収容所で例のない寛容な処遇がなされ、日本人市民と俘虜との交歓が実現した。真のサムライと讃えられた所長・松江豊寿の生涯を通して、国境を越える友愛を描いた直木賞受賞作,他
臥牛城の虜甘利源治の潜入」二篇。)

明治新選組』 デビュー作 第10回エンタテインメント小説大賞受賞
(短篇五篇 
「明治新選組」 「近江屋に来た男」 「斬馬剣新六郎」 「一つ岩柳陰の太刀」 「尾張忍び駕籠」 「後鳥羽院の密使」)

五左衛門坂の敵討』 第1回中山義秀文学賞受賞 (第107回直木賞候補)
 (参考:中山義秀  歴史小説家  「厚物咲」第7回芥川賞受賞 「信夫の鷹」 「咲庵」,他)

落花は枝に還らずとも』 第24回新田次郎文学賞受賞

名君の碑 保科正之の生涯』 (様々な事情により会津藩主となった保科正之の歩んだ清洌な生涯を辿る作品。)

保科肥後守お耳帖
保科肥後守お袖帖
知恵伊豆と呼ばれた男』 (老中松平信綱の生涯)

『捜魂記 藩学の志を訪ねて』
『桶狭間の勇士』
『天保暴れ奉行』
『花ならば花咲かん』
乱世の名将 治世の各臣

東に名臣あり』 家老列伝 短篇集 「不義の至りに候 --- 小山田出羽守信茂(でわのかみのぶしげ)」 「さらば、そうせい公 --- 福原越後元|(もとたけ)」 「東に名臣あり --- 田中三郎兵衛玄宰(さぶろべえはるなか)」 他三篇

跡を濁さず』 短篇集

幕末会津の女たち,男たち
『武士たちの作法 戦国から幕末へ』
松平容保は朝敵にあらず
保科正之言行録』 (ノンフィクション)
白虎隊』 (ノンフィクション)
『会津武士道 侍たちは何のために生きたのか』

儀に生きるか裏切るか 名将がいて,愚者がいた』 歴史エッセイ抜粋集32篇
(「最後の将軍・徳川慶喜の出処進退」 「上総義軍と怨霊騒動」 「桑名藩家老・酒井孫八郎のストレス」 「奇兵隊は近代的軍隊の原点か」 「明治と夫に殉じた大将夫人・乃木静子」 「悲し毒婦・高橋お伝」 他)

帰らざる者たち 余滴の日本史

明治を駆けぬけた女たち
  黒船以前』 パックス・トクガワーナの時代  (中村彰彦/山内昌之 著)
黒船以降』 政治家と官僚の条件  (中村彰彦/山内昌之 著)
名将と参謀』 時代を作った男達  (中村彰彦/山内昌之 著
名君と振袖火事』 (アンソロジー 『動乱!江戸城』に所収,他

禁じられた敵討』 短篇集 「禁じられた敵討」 「木村銃太郎門下」 「小又一の力戦」 「上役は世良修蔵」 他二篇

※ 新選組全史』 ノンフィクション 幕末・京都編
※ 新選組全史』 ノンフィクション 戊辰・箱館編 (新選組研究の必読文献と言われる)

決断!新撰組
激闘!新撰組

新選組秘帖』 (アンソロジー 「明治新選組」,「巨体倒るととも」,「五稜郭のタ日」,他一篇及び山内昌之氏との対談)

戊辰転々録』 (短篇七篇 表題「戊辰転々録」,他)

『新選組紀行』
竜馬伝説を追え
幕末入門
鬼官兵衛烈風録』 (長編第一作)
遊撃隊始末』 (上総請西藩青年藩士・林忠崇 伊庭八郎を描く)
脱藩大名の戊辰戦争
明治無頼伝』 (斎藤一伝伝記)
いつの日か還る』 (新選組伍長島田魁伝記)
烈士と呼ばれる男』 (森田必勝の物語)
闘将伝』 小説立見尚文
『海将伝』 小説島村速雄
『北風の軍師たち』
明治忠臣蔵
眉山は哭く
間諜許すまじ』 短篇
『槍弾正の逆襲』 短篇集
『豪姫夢幻』
その名は町野主水
















































安倍龍太郎   あべ りゅうたろう

福岡県出身 国立久留米工業高等専門学校機械工学科卒業
1955年6月20日 65歳

天馬、翔ける』 第11回中山義秀文学賞受賞
等伯』 第148回直木賞受賞 第5回歴史時代作家クラブ賞実績功労賞受賞

矢ロの渡』 第67回オール讀物新人賞候補賞 (短篇「知謀の淵」の前半部分)
降人哀し』 第5回小説新潮新人賞補賞 (現在の短篇「知謀の淵」改稿)

血の日本史』 (90年、『日本史 血の年表』を改題し刊行) 短篇四六篇
「大和に異議あり」 「鉄身伝説」 「北上燃ゆ」 「異敵襲来」 「霧に散る」 「山門炎上」 「余が神である」 「大阪落城」 「忠長を斬れ」 「雛形忠臣蔵」 「団十郎横死」 「大塩平八郎の乱」 「池田屋騒動」 「孝明天皇の死」 「龍馬暗殺」 「俺たちの維新」
他,三四篇 解説:縄田一男


※※  『維新の肖像』 明治維新の闇に迫った歴史小説

明治維新そのものが持つ思想と制度の欠陥に根本原因があるのではないか―――1932年、イェール大学で歴史学を研究する朝河貫一は、日露戦争後から軍国主義に傾倒していく日本を憂えていた。そのとき、亡父から託された柳行李を思い出す。中に入っていたのは、ニ本松藩士として戊辰戦争を戦った父が残した手記だった。貫一はそれをもとに、破滅への道を転げ落ちていく日本の病根を見出そうとする。) (紹介:朝河貫― 主要文献「日本の渦機」 講談社学術文庫)
 
解説 澤田瞳子
……
幕末および明治維新を描いた小説は,これまでに数多い,。しかし誰もが無意識のうちに,維新を近代化への一歩と捉えてきた中,その意義を改めて間い直した作品が,かつてあっただろうか
……
 ところで現在の歴史・時代小説界において安部龍太郎氏と双璧を成す葉室麟氏は、2017年10月5日に京都新聞に掲載されたエッセイにおいて、明治維新は革命だったのかという疑問を提示した上で、次のように述べておられる。
「(前略)外匡勢力が追る中、国内を二分する戊辰戦争を起こしたことが功績であるという考えには疑間がある。あるいは新政府での薩摩と長州の権力を確固としたものにするための戦争ではなかったか。(中略)だとすると、明治革命は〈簒奪〉の革命だった可能性があると思うのだがどうだろうか」
……



佐和山炎上』 (「佐和山炎上」 「峻烈」 「忠直卿御座船」 「伏見城恋歌」,他五篇 解説:末國善己)
世直し大明神(短篇 / アンソロジー『動乱!江戸城に所収,他)

バサラ将軍』 短篇六篇
 「室町花伝」に「知謀の淵」を加えて再篇集 「バサラ将軍」
「知謀の淵」 「狼籍なり」 「兄の横顔」 「アーリアが来た」 「師直の恋」
  勝者と敗者---時代小説大全集2』 (「師直の恋」,他)
師直の恋
金沢城嵐の間』 (短篇集)
『神々に告ぐ』上・下巻
信長燃ゆ』上・下巻
『蒼き信長』上・下巻
彷徨える帝』上・下巻 山本周五郎賞候補
『浄土の帝』
『天下布武 夢どの与一郎』上・下巻
『天下を謀る』上・下巻
幕末 開陽丸 徳川海軍最後の戦い
冬を待つ城
『太閤の城』
『密室大坂城』
関ヶ原連判状
『戦国三部作』
黄金海流
『室町花伝』
『生きて候』
『名将の法則』 (短篇集)

短篇
残された男
比叡おろし
木曽の駒王
山門炎上
沈黙の利休
姦淫
お七狂乱
絵島流刑
加賀騒動(前後)
























































綱淵謙錠 つなぶち けんじょう

樺太出身 東京大学文学部英文学科卒業
1924年生まれ 1996年逝去 享年72歳
山形県飽海郡遊佐町にて漁業を営んでいた父兼吉と、函館生まれの母の1男2女の長男として移住後の樺太登富津に生まれる。

斬(ざん)』 直木賞受賞 (ほぼ満票に近い圧倒的支持を得た。)

解説 西尾幹二
……
首斬り浅右衛門と異名をとった幕府の試刀役山田家は二百五十年続いたが、その重荷を背負った天才少年吉亮は家の崩壊に直面する。幕末史に新境地を拓いた直木賞受賞作。
 
受賞後、 綱淵氏は「私の処女作で、前半生の総決算」とする一方、「この本を読んでいただきたいのは、国家に傷つき、隣人に傷つき、友人に傷つき、父母に、子供に、恋人に傷つき、それでもなお何かを信じてじっと耐え忍んでいる方々である。その耐え忍びのために心の臓から滴り落ちる一筋の血の色が、この作品の中の血のいろどりと重なり合って同じ色であることが分かっていただけたなら、私のこの作品を書いた意図は十分に酬われたと言えるであろう」と語っている。
……



刑(けい)

解説 阿部謹也
……
六世首斬り浅右衛門のもとを問宮林蔵が訪れた。ある意外な依頼のために.....。緻密な考証、卓越した史眼で歴史の間隙を活写した名作。「怯」「嗾」「憤」「妍」「讐」「『咲」を収録。
……



戊辰落日
『越後太平記』
『幕末に生きる』


あとがき
……
神秘主義、超合理主義が主たる題材で自身も「私の歴史小説は、私の形質のどこかに潜在し、血液の中に息吹いている無数の先祖たちの“遠い記憶”を探し求めているものだ。その“遠い記憶”の核をなしている微かな怖れが懐かしくて自ずと筆はそのような神秘主義、超合理主義の領域に踏み込んでいくらしい」と述べている。
……



幕末風塵録
『苔』
『狄(てき)』
『血と血糊のあいだ』
歴史へのいざない 随筆集
  妍(けん)
あとがき
……
……また一字題の作品が長短合わせて48篇と多く、「漢字への郷愁と言おうか。すべて音読みにしているところに私のみそがある」.....と述べている。
……



『幻』
『歴史と人生と』
『ひとり旅 歴史と文学』
『鬼』
『日本人の心性 対談集』
『夜明けを駆ける』
『遠い記憶 歴史と小説と』
『濤』
『歴史の顔』
『幕臣列伝』
『史談・往く人来る人』
『殺』
『極 白瀬中尉南極探検記』
『徳川家臣団 組織を支えたブレーンたち 正続』
『武将名言集
『歴史の海四季の風』
『松平容保のすべて(篇)』
『航(こう) 榎本武揚と軍艦開陽丸の生涯』
『戦国に生きる 武将の名言』
『人物列伝幕末維新史 明治戊辰への道』(文庫、『幕末維新列伝』)
『剣』
『聞いて極楽 史談百話』
『人生覗きからくり』
『幕末・維新の群像 第4巻島津斉彬』
『ロンドン塔の幽霊たち』
『叛』
『歴史に親しむ366夜』
『空白の歴史』
『十五代将軍・慶喜 先が見えすぎた男』

 


















































青山文平 あおやま ぶんぺい

神奈川県横浜市出身 早稲田大学政治経済学部経済学科卒業
1948年生まれ (年齢 73歳)

『俺たちの水晶宮』 第18回中央公論新人賞受賞(影山雄作名義)
白樫の樹の下で』 第18回松本清張賞受賞(青山文平名義)

※※ 鬼はもとより』 第152回直木三十五賞候補  同作で第17回大藪春彦賞受賞
地域通貨による財政再建、血縁のしがらみを断ち切る配置転換。小藩ゆえの慣習を打ち破り、家老と藩札万指南役は命を懸けた改革に挑む。剣が役に立たない時代、武家はどう生きるべきか。


つまをめとらば』 第6回山田風太郎賞候補  第154回直木三十五賞受賞
(短篇集 「ひともうらやむ」「ひと夏」「逢対」「つまをめとらば」,他二篇)

解説 瀧井朝世(ライター) ≫ (『つまをめとらば』)
……けれども,どこか痛快で爽やかで,こちらの気持ちを軽くさせてくれる。そして生まれる時代や境遇は選べなくても,そのなかでも,自分の生き方を自分で選ぼうとしていいのだ,と励まされる。
……


半席』 第七十回日本推理作家協会賞の長編および連作短篇集部門にノミネート
 「このミステリーがすごい! 2017年版四位

解説  川出正樹(ミステリ書評家)≫ (『半席』)

……
組頭の内藤雅之が直人との問答の中で、「だいそれたことをしでかす理由が、だいそれているとは限らねえ。ほんの砂粒が砂粒を呼んで、いつの間にか石になるってこともあんだろう」と諭すように、直人が解き明かす“なぜ”は、こうした人の想いが長い年月のうちに凝り固まり生じたものばかりだ。人の地肌を感じさせる、人臭い動機。これらは決して江戸時代に生きる人に固有なものではなく、現代に生きる人間が等しく抱えているものだ。本書『半席』が、真相を明かされるや、すっと脇に落ちる類い稀なるホワイダニット(Whydunit)たり得ているのはその為で、そこには、「小説とは、特殊を書いて普遍的な読後感を与えるものである」という青山文平の創作姿勢が如実にうかがえる。
……
「創作はオリジナリティがすべてであり、陳腐は最大の敵である」という青山文平の力強い信念が鮮やかに結実した本書は、……
……

(参考.
Whydunit : 「Why done it = なぜ犯行を行ったか」という動機の解明を重視した意味のミステリー用語)


底惚れ』  (『江戸染まぬ』表題作の長編化) 第17回中央公論文芸賞受賞 第35回柴田錬三郎賞受賞


※※ かけおちる

後書き 私が選んだ時代 青山文平 ≫ (『かけおちる』)
……
書き手としての私が惹かれる時代は、このまったく逆になります。ばったりと流れが止まって、もうどうにも動こうとしない時代。耳触りのよいキーワードなど振りまきようもなく、なにが正解なのか皆目わからない時代。だからこそ、一人一人が己の頭と身体で考え抜いて、自分だけの正解を探し出し、動かなければなりません。不細工でもなんでも、もがかざるをえないのです。そう、いま、です。いまという時代は、流れに乗るのではなく、自らほんとうに動いている人が、くっきりとする時代であると、私は思います。
  江戸時代で言えば、一七〇〇年代後半の武家が同じような状況にあります。 武家というのは、その軍事力で世の中の支配層となりました。が、戦国が終わって百五十年も経てば、もはや槍を向ける敵軍など国内にいません。徳川幕府の存在理由は「武威」 であり、つまりは一度でも負けたら政権の正当性を失うため、対外的にも徹底して戦を避けます。強さを売り物にしているからこそ、戦うことができなくなるのです。その上、商品経済の発展に連れて、各国の財政は窮迫する一方であり、為政者たる武家には、軍事力よりも行政手腕が問われるばかりになります。
そこに武家のアイデンティティ・クライシスが起きます。いまも重い刀を腰に二本差して、腰痛に悩まされながら、日々の勤めにあくせくしている自分は、いったい何者なのだろうということです。

時代は、武家に、確固たる居場所を用意してくれません。それぞれが武家とはいかなる存在なのかを突き詰めて、日々を篇んでゆかなければなりません。そのもがく姿に、人の地肌が浮かび上がります。そして、その姿は、じっと動かぬ、いまという時代と格闘する、私たちの姿とも重なるのです。
ひとことで言うのなら、私が書いている時代小説というのは、そういう物語です。
……

解説 妻たちの選択 村木嵐 ≫ (『かけおちる』)
……
「あいまいにしてはいけないことをしたまま踏み切る」ことで武士の世は終罵に近づいた。なし崩しに状況を受け入れ、流されていくことで人は大切な誇りを失うこともある。『かけおちる』は、そんな生きる意欲さえ奪おうとする時代に果敢に立ち向かっていった人々の物語である。

……


役替え』  (連作短篇集『半席』より)  (アンソロジー『時代小説 ザ・ベスト2017』に所収,他)
『泳ぐ者』  (『半席』の続篇)

流水浮木 最後の太刀』 (『伊賀の残光』改題)
遠縁の女』  (短篇集 「遠縁の女」 「沼尻新田」 「機織る武家」)
約定』 (『春山入り』改題) 短篇集

『跳ぶ男』

励み場
『江戸染まぬ』


『やっと訪れた春に』
『本売る日々』




































































乙川優三郎  おとかわ ゆうざぶろう

東京都出身 千葉県立国府台高等学校卒
1953年2月17日生まれ (年齢 68歳)

藪燕』 第76回オール讀物新人賞受賞
霧の橋』 第7回時代小説大賞受賞
五年の梅』 第14山本周五郎賞受賞  短篇集  小田原鰹」,他


※※ 生きる』 第127回直木三十五賞受賞  中編集 三篇  ※※「生きる」「早梅記」「安穏河原」 (亡き藩主への忠誠を示す「追腹」を禁じられ、生き続けざるを得ない初老の武士。周囲の冷たい視線、嫁いだ娘からの義絶、そして息子の決意の行動―――。惑乱と懊悩の果て、失意の底から立ち上がる人間の強さを格調高く描いて感動を呼んだ直木賞受賞作他、「安穏河原」「早梅記」の二篇を収録した珠玉の中編集。)
 
解説 縄田一男
……
第一に「生きる」だが,……

……、今は周囲の人間の蔑視を跳ね返す「気骨と嫌悪」をその顔貌に宿した又右衛門―――彼に人間らしさを取り戻させる契機となったのは、病弱だった亡き、 妻佐和が、女中のせきにいった次なることば、「何を幸せに思うかは人それぞれだと、たとえ病で寝たきりでも日差しが濃くなると心も明るくなるし、風が花の香を運んでくればもうそういう季節かと思う、起き上がりその花を見ることができたら、それだけでも病人は幸せです」……
……
そして「安穏河原」。……、人は自分の最も大切な風景から逃れることは出来ない、もしくはその風景が人を生かし続ける、……
……
そして最後に「早梅記」。……
……喜蔵が、若い頃、出世のために捨てた女しょうぶが、果たして幸せになれたのであろうか、と案じはじめる。だが、図らずも、しょうぶと再会した喜蔵は、彼女の「人との小さなつながりを頼りに暮らしておりますが、貧しいつながりはたやすく切れることはありません」 の一言で、自分の心配が実は己れの倣慢なエゴイズムの裏返しであったことを思い知らされるのである。……
……



※※ 武家用心集』 第10回中山義秀文学賞受賞   短篇集 八篇 「向椿山」「しずれの音」「邯鄲」,「梅雨のなごり」,他
 

解説  言葉が心を見詰める時  島内 景二

……
……『九月の瓜』で、勘定奉行の太左衛門は、姪の婿養子となった若者から、「人として生きる道=武家用心」を教わる。
読者は、乙川の教訓らしくない教訓話を読みながら(教訓臭がないのは、ストーリーや思想ではなくて、言葉それ自体の姿が作品の生命だからである)、現代社会にあっても、人間の心を見るために必要な心の用い方(=用心)を、作者から伝授される。
……
「いや、よいことを聞いた」(『九月の瓜』)、「いい話だ、とうなずいた」(『邯鄲』)、などと作中人物が感じる場面がある。読者もまた『武家用心集』に触れて、「美しい言葉を教えてもらった」「よい話を読ませてもらった」と感じるに違いない。
……


『脊梁山脈』  第40回大佛次郎賞受賞
『太陽は気を失う』 第66回芸術選奨文部科学大臣賞受賞
『ロゴスの市』 第23回島清恋愛文学賞

喜知次』 直木賞候補
冬の標
 
  かずら野

解説 島内景二
…… ……
美しい繭は、そのままでは人間の役に立たない。糸師の家での仕事は、菊子にそう教えてくれた。そのように、少年や少女時代の穢れない心のままでは、人間は真に世の中の役には立たない。ここにこそ、大人になった後の菊子がなぜ苦しみ続けねばならなかったかという疑問への解答がある。彼女は、それをきっと発見する。そして、自分と富治を苦難の道に突き落とした彦市をも、赦せると思うのだ。
…… ……
乙川の小説では警句(エピグラム)の数々も鋭く、読者の心に忘れがたい記憶を残す。れらはそのまま、心の墓碑銘(エピタフ)でもある。二つだけ書き抜いて、この解説を閉じよう。
「最後には生きてきたように死ぬのが人間だろう」
「男と女は体がつながるようにできているが、それ以上に引きつけ合うものがなければ二つの人生まではつなげられない」



蔓の端々
屋鳥 短篇集 五篇 「穴惑い」,「竹の春」,他三篇


露の玉垣』 (新発田藩の史実に基づく歴史小説集)
 
解説 島内景二
……
……乙川が初心を貫こうとして書いた『露の玉垣』は、氾濫する洪水のような情報に押し流され、アイデンティティを見失っている現代人に、生きる力の根源が何であるか、自分たちを苦しめている究極の敵が何であるかを、きっと教えてくれるだろう。……
……


闇の華たち』 短篇集 六篇 「冬の華」,「面影」,「男の縁」,他三篇
 
解説 関川夏央 ≫ 
……
 小藩の城下に生きる下級武士と女性たちは、みな不運を生きている。それは、「封建制」がもたらす、努力では克服できない不運である。しかし、だからこそ行く手に見るつつましい「明かり」に読者はリアリティを感じ、救いを思うのである。
……

……、最初の単行本『霧の橋』から二〇一〇年までの十四年間に十七冊出版した。時代小説作家としては異例といえるほど少ないのは、発端から結末まで考えに考えたのち、ようやく着手できる寡作なタイプだからだ。現に〇八年には著作の刊行がない。
……



椿山』 短篇集 四篇
梅雨のなごり
夜の小紋』 (短篇集 旧「芥火」を改題 「柴の家」他四篇)
『むこうだんばら亭』 短篇集
さざなみ情話
『連鎖』 (デビュー作)
『麗しき花実』

逍遥の季節
『トワイライト・シャッフル』

時雨の岡  乙川優三郎自撰短篇集  市井篇
男の縁  乙川優三郎自撰短篇集  武家篇




































































佐藤雅美  さとう まさよし

緻密な時代考証による社会制度や風俗を正確に描写し、とくに江戸時代の町奉行や岡っ引きなどの司法・警察制度のほか医学、医療、学問に詳しく、これらの題材を種々おりまぜた多彩な作品を発表している。 デビュー初期には、歴史的な題材を経済面から考証した歴史経済分野の作品を発表していた。この時期の代表作は第4回新田次郎文学賞を受賞した『大君の通貨』。

佐藤雅美 エッセイ「私の習作時代」より
・・・・・「小説なるものは特殊な才能をもっている人が書くものと思っていた。空想力がたくましく、文章が上手いという才能をもった人だ。  なれればなりたいと思ったが、夢のまた夢と敬遠してその世界に近寄らなかった」・・・・


兵庫県出身 早稲田大学法学部卒業
1941年1月14日生まれ 2019年逝去 享年78歳

大君の通貨』 第4回新田次郎文学賞受賞
恵比寿屋喜兵衛手控え』 第110回直木賞受賞

※※ 調所笑左衛門 薩摩藩経済官僚
・・・・・その後歴史はどう展開したか、などと考えるのは「もし」「たら「れば」の話で、あまり意味がない。しかし、少なくとも"金"を背景とする薩摩の軍事力はなかった。薩摩の軍事力を前提とする薩長同盟もなかった。薩長同盟を前提とする、倒幕、明治維新もなかった。 してみると調所は、明治維新、回天の大事業に大きく貢献した男、回天の"資金"をつくった男といえるのではないか。調所という経済テクノクラートが、目的はそうでないけれども、回天の資金をつくったから、明治維新は成立した。 こう考えると、・・・・・

官僚川路聖謨の生涯
『侍の本分』
『主殿の税 田沼意次の経済改革』

『幕末住友役員会 生き残りに賭けた二人の企業戦略』
『開国 愚直の宰相・堀田正睦』
『江戸の税と通貨 徳川幕府を支えた経済官僚』
『十五万両の代償』
将軍たちの金庫番
幽斎玄旨
『知の巨人』
吾、器に過ぎたるか』
『覚悟の人』
百助嘘八百物語

 

槍持ち佐五平の首』 短篇集 七篇
解説――人間的な,あまりに人間的な破滅者列伝  島内景二(国文学者・文芸評論家)
……
……佐藤は,この時代小説の沃野にいくつもの新機軸を打ち出し,新しい領域を開拓してのけた。それが経済活動や司法制度への注目であり,「人間,この愚かなるもの」の徹底した解剖である。
……
この短篇集は,ある者にとっては愚者の楽園であり,ある者にとっては愚者の地獄でもあった「武家社会」の実態を,興味深くあぶりだす。荒唐無稽なフィクションではなく,裁判記録や記録類などに基づき,「史料」を深く読み込んだうえでの創作である。
綿密な時代考証に支えられながら,あっと驚く小説家の想像力で史料の隙間が埋められたりする。そこが,堅いばかりの時代考証随筆との違いである。
……
なおかつ,時代考証の第一人者だった
三田村鳶魚と,作者佐藤雅美の知恵比べの様相すら呈していて,読者の知的好奇心を満足させてくれる。天下に恐いものなしの鳶魚先生の考証の不備を衝く箇所など,思わず膝を打ってしまう痛快さだ。…………
……
……
佐藤雅美の作品は,単純な勧善懲悪ではない。人間性の悪や愚かしさを客観的に観察する手法と文体を確立している。それが,彼の歴史時代小説を「本物」としているのではないか。
 


お白洲無情
悪足掻きの跡始末 厄介弥三郎
手跡指南 神山慎吾

『縮尻鏡三郎』 (上,下巻)

縮尻鏡三郎シリーズ
首を斬られにきたの御番所
浜町河岸の生き神様
捨てる神より拾う鬼
老いらくの恋
当たるも八卦の墨色占い
夢に見た娑婆
頼みある仲の酒宴かな
美女二万両強奪のからくり
  半次捕物控シリーズ
影帳
揚羽の蝶
命みょうが

疑惑
泣く子と小三郎

髻塚不首尾件始末
天才絵師と幻の首
御当家七代祟り申す
一石二鳥の敵討ち


物書同心居眠り紋蔵シリーズ
隼小僧異聞
密約
お尋者
老博奕打ち
四両二分の女
白い息
向井帯刀の発心
一心斎不覚の筆禍
魔物が棲む町
ちよの負けん気
へこたれない人
わけあり師匠事の顛末
御奉行の頭の火照り
敵討ちか主殺しか

八州廻り桑山十兵衛シリーズ
八州廻り桑山十兵衛
殺された道案内
劇盗二代目日本左衛門
江戸からの恋飛脚
花輪茂十郎の特技
六地蔵河原の決闘
たどりそこねた芭蕉の足跡
私闘なり、敵討ちにあらず
関所破り定次郎目籠のお練り
怪盗桐山の藤兵衛の正体

啓順シリーズ
啓順凶状旅
啓順地獄旅
啓順純情旅

町医北村宗哲シリーズ
町医北村宗哲
やる気のない刺客
口は禍の門町医北村宗哲
男嫌いの姉と妹


『泥棒稼業』
『楼岸夢一定―蜂須賀小六』
『江戸繁昌記―寺門静軒無聊伝』
『信長』
『青雲遙かに』
『千世と与一郎の関ヶ原』
『戦国女人抄おんなのみち』

映像化
『物書同心いねむり紋蔵』 (1998年4月 - 9月、NHK 金曜時代劇、主演:舘ひろし)
『しくじり鏡三郎』 (1999年4月 - 9月、NHK 金曜時代劇、主演:中村雅俊)
『八州廻り桑山十兵衛?捕物控ぶらり旅』 (2007年5月 - 7月、テレビ朝日 火曜時代劇、主演:北大路欣也)










































































滝口康彦  たきぐち やすひこ


長崎県出身 尋常高等小学校卒業 戦時中に防府海軍通信学校を卒業
1924年3月13日生まれ 2004年6月9日年逝去 享年80歳

佐賀県を拠点に旧藩時代の九州各地を舞台にした「士道」小説を数多く発表。


(友人 古川薫  白石一郎)

以下,計六回 直木賞候補
高柳父子』 デビュー作
かげろう記
霧の底から
仲秋十五日』 (アンソロジー『絆を紡ぐ
に所収,他)
日向延岡のぼり猿
主家滅ぶべし

多久市文化連盟芸術文化功労賞受賞


異聞浪人記』 サンデー毎日大衆文芸賞受賞
「拝領妻始末」/「異聞浪人記」/「綾尾内記覚書」(オール新人杯(後のオール讀物新人賞受賞) )/「仲秋十五日」/「下野さまの母」/「蛍橋上流」


一命』 (傑作をまとめたオリジナル短篇集)
「高柳父子」/「拝領妻始末」/「異聞浪人記」/「謀殺」/「上意討ち心得」/「貞女の櫛」
「一命」収録元 講談社文庫作品
解説 末國義巳(文芸評論家)
……
……,原作者・滝口康彦の小説は新刊書店での入手が難しくなっており,『立花宗茂と立花道雪』以外は,歴史時代小説のアンソロジーに短篇が収録されているくらいである。だからといって,著者は決して過去の作家ではない。そのことは,著者の本を古書店を廻ってでも手に入れたいという熱心なファンがいることからも分かるし,……
……



拝領妻始末』 (拝領妻始末異聞浪人記上意討ち心得,他)
葉隠無残』 (貞女の櫛,他)
謀殺』 (高柳父子,謀殺,他)
「一命」 解説 末國善巳
……
……方向性に若干の違いはあるものの、いずれの武士道も、日本人の礼節や美徳を象徴する哲学と理解されてきたが、滝口康彦の士道小説には、武士道を礼賛するヒロイズムなど出てこない。それどころか、士道の美名のもとに、家臣を平然と切り捨てる為政者の非人間性や、過酷な命令を下されながらも、生きるため、あるいは愛する家族のため命を投げ出さねばならない下級武士の悲劇をクローズアップしているのだ。
滝口康彦が士道の"光ガ"はなく、"闇"に着目したのは、その経歴も影響している。……
……



『佐賀歴史散歩 葉隠のふるさと』
薩摩軍法
仲秋十五日」,他
  落日の鷹
『鍋島藩聞き書き』
『関ケ原の風』
『秋雨の首』
『沖田総司 剣と愛と死』
『葉隠 鍋島武士の人間模様』
『恨み黒髪』
立花宗茂と立花道雪』 (「乱離の風 若き日の立花宗茂」を改称)
滝口康彦傑作選』全4巻
流離の譜
悪名の旗
悲運の果て
乱離の風
素浪人横丁』 (人情時代小説傑作選)
主命でござる
鎌倉燃ゆ』 (歴史小説傑作選)
『明智光秀』 (小説集)
遺恨の譜』 (短篇集 九篇)
『猿ケ辻風聞』
西の関ヶ原
粟田口の狂女
権謀の裏
『天目山に桜散る』
鬼哭の城』 (短篇集 「放し討ち柳の辻」(アンソロジー「武士道」にも所収),他)
滝口康彦士道小説傑作集上巻  拝領妻始末
滝口康彦士道小説傑作集下巻  坂崎乱心
滝口康彦集(傑作選)』全12巻)


以下,映画化
「異聞浪人記」
映画化1
『切腹』(監督・小林正樹、脚本・橋本忍、主演・仲代達矢)
映画化2
『一命』(「異聞浪人記」改名)(監督・三池崇史、脚本・山岸きくみ、主演・市川海老蔵&瑛太)

「拝領妻始末」
『上意討ち 拝領妻始末』(監督・小林正樹,主演・三船敏郎)






















































伊藤潤  いとう じゅん


神奈川県横浜市出身 早稲田大学社会科学部卒業
1960年6月24日生まれ  (年齢 60歳)

国を蹴った男』 第34回吉川英治文学新人賞受賞
義烈千秋 天狗党西へ』 第2回歴史時代作家クラブ賞作品賞受賞
『巨鯨の海』 第4回山田風太郎賞受賞
峠越え』 第20回中山義秀文学賞受賞
『黒南風の海』 本屋が選ぶ時代小説大賞受賞


武士の碑
維新と戦った男 大鳥圭介
王になろうとした男

 
大忠の男
家康謀殺』 (短篇 /
アンソロジー『時代小説 ザ・ベスト2016に所収,他)
※※ 走狗』 (川路利良が見た維新の光と闇...)

『城を嚙ませた男』
『武田家滅亡』
戦いは算術に候
鯨のくる城



















南条範夫   なんじょう のりお

東京出身 東京帝大経済学部卒業
1908年(明治41年)生まれ 2004年逝去

『でべそ物語』 第一回「朝日文芸」入選
『子守の殿』 第一回「オール新人杯」入選
あやつり組由来記』 第一回「サンデー毎日」百万円懸賞入選
 ( アンソロジー『江戸の商人力に所収,他)

燈台鬼』 第34回直木賞受賞 (残酷行為の中に,日本人の民族性を見つめた。一連の作品で“残酷”ブームを巻き起こす。)
『細香日記』 第16回吉川英治文学賞受賞
欅三十郎の生涯(アンソロジー『感涙』に所収,他)
飢えて死ね!』 兄の陰西郷従道小伝」(アンソロジー『西郷隆盛 英雄と逆賊にも所収行かないで!他所収


※※
大名廃絶録』 (「徳川幕府の大名廃絶策」他,十二篇)  「本多上野介正純」 「福島左衛門大夫正則」 「駿河大納言忠長生」 「松平三河守忠直」,…他
 
解説:池上冬樹 (文芸評論家、書評家)
……
……明治以前の歴史的な人物や事件をフィクションを交えながら史実に迫るものを歴史小説、明治以前の歴史を舞台に作家が作り上げた人物で物語を自在に展開させるのを時代小説とよぶなら、史伝(もしくは史伝小説/史録小説)とは、あくまでも歴史的資料をもとに史実を徹底的に追求する作品となるだろう。そしてこの史伝ものの代表的な作家といったら、海音寺潮五郎になる。……
……けれど、海音寺のほうは、生まれつきの語り部の素質が出てしまうのか、多少人物に膨らみをもたせて読者に感情移入させる。随所に主観をはさみ、場面場面を小説的に再現しながら講談風に語るのに対し、南篠範夫のほうは事実に重きをおいててきぱきと話を進め、実にクールに理知的に記述していく。正純の最期を語ったあとに、正純の子供や弟のその後にふれ、一族の盛衰を視野にいれて、武士道の冷酷さを浮き彫りにする辺りも見事である。おそらくこの武士道の冷酷さ、封建社会での人間性の喪失といったものこそ、作者がもっとも焦点をあてたかったことだろう。……
……

  十五代将軍 徳川慶喜』 上・下巻
『おのれ筑前、我敗れたり』
武士道残酷物語
被虐の系譜
『古城物語』
『出雲の鷹』
『元禄太平記』
『月影兵衛』 シリーズ






































佐藤巖太郎  さとう がんたろう

福島県出身 中央大学法学部法律学科卒業
1962年1月12日生まれ

夢幻の扉 (若き日の正之の逸話を基にした物語) 第91回オール讀物新人賞受賞
『啄木鳥』 (アンソロジー「決戦!川中島」に所収) 第1回決戦!小説大賞受賞
会津執権の栄誉』 第157回直木三十五賞候補 ・ 本屋が選ぶ時代小説大賞受賞 ・ 第7回歴史時代作家クラブ賞新人賞候補

小栗上野介の選択 (アンソロジー『時代小説 ザ・ベスト2021』に所収,他)
扇の要 (アンソロジー『時代小説 ザ・ベスト2019に所収,他)
『背水の通過儀礼』 (アンソロジー『戦国 番狂わせ七番勝負』に所収,他)
『ならば決戦を』(「決戦!設楽原」に所収)
将軍の子
伊達女






浅田次郎  あさだ じろう


東京都出身 中央大学杉並高等学校卒業
1951年12月13日生まれ

日本ペンクラブ元会長

壬生義士伝』 柴田錬三郎賞受賞 (盛岡藩を脱藩して新撰組に入隊していた吉村貫一郎の生きざまを描いた作品。映画化され、日本アカデミー賞を受賞) <新撰組三部作の一作目>

『地下鉄(メトロ)に乗って』 第16回吉川英治文学新人賞受賞
『鉄道員』 第117回直木賞受賞
蒼穹の昴』 第115回直木三十五賞(直木賞)候補

お腹召しませ』 第1回中央公論文芸賞と第10回司馬遼太郎賞 (短篇六篇 「お腹召しませ」 「女敵討」 「大手三之御門御与力様失踪事件之顛末」 「江戸残念考」 「御鷹狩」「安藝守様御難事」)

中原の虹』 第42回吉川英治文学賞
『終わらざる夏』 毎日出版文化賞
『帰郷』 第43回大佛次郎賞
第67回菊池寛賞

輪違屋糸里<新撰組三部作の二作目>
一刀斎夢録<新撰組三部作の三作目>

五郎治殿様始末』 (短篇六篇 五郎治殿様始末」,柘榴坂の仇討」(映画化),西を向く侍遠い砲音」…他)

赤猫異聞
憑神
一路
遠い砲音
(アンソロジー『感涙』に所収,他)

黒書院の六兵衛』 上,下巻 解説私の「黒書院の六兵衛」青山文平

大名倒産 (近著)
流人道中記 (近著)
  見上げれば 星は点に満ちて』 心に残る物語――日本文学秀作選 浅田次郎激選十三篇
 (
「赤い駱駝」(昭和23年)(梅崎春生全集第一巻)  「西郷札」(松本清張全集35)  「疑惑」(芥川龍之介全集第四巻)  「耳なし芳一のはなし」(小泉八雲集 上田和夫訳) ,他九篇)
 
あとがき 浅田次郎
……
……物語がおのれの未来を開いてくれるはずはないのだが,少くともやがて訪れる未来を,物語を読みながら陶然と待つことはできる。小説とは,あるいは芸術とはそういうものであろうと思う。人間に力を与えるものではなく,おのずと湧き出でる力を待つまでのひとときを,幸福に過ごさせてくれる。……
……



浅田次郎 新選組読本
『薔薇盗人』 短篇六篇
『沙高樓
綺譚』 短篇集
『沙高樓忌憚』
『草原からの使者』
『月のしずく』 短篇集
『天切り松 闇がたり』 短篇集
『勇気凛凛ルリの色』
『霞町物語』
『天国までの百マイル』
『翳りゆく時間』 短篇七篇 アンソロジー
『月島慕情』
『とられてたまるか!』 (後に「極道放浪記」と改題)
『姫椿』
『かわいい自分には旅をさせよ』
天下蒙塵 (近著)

映画化、テレビ化された作品多数。










































上田秀人 うえだ ひでと

大阪府出身 大阪歯科大学卒業
兼業作家 本業歯科医(休業中)
1959年4月9日生まれ  (年齢 62歳)

身代り吉右衛門』(もうーつの忠臣蔵) 桃園書房主催第20回小説クラブ新人賞佳作入選
孤闘 立花宗茂』 第16回中山義秀文学賞受賞
『奥右筆秘帳』シリーズ(全十二巻)
密封』 第3回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞受賞

竜門の衛』 (本格的に小説家としてデビュー)
翻弄 盛親と秀忠
夢想腹 (アンソロジー『時代小説 ザ・ベスト2018に所収,他)
宿場の光』 (短篇 / アンソロジー『大江戸「町」物語 光に所収,他)
『本懐』
『偲保に非ず』
『茜の茶碗』

『御広敷用人大奥記録』

幕臣の馨』(勝海舟と福沢諭吉を軸とした戊辰の役異聞)
『点前の軍師』(利休切腹事件に独自の解釈を与えた ... )
竜は動かず 奥羽越列藩同盟顛末』 上巻 万里波濤篇
竜は動かず 奥羽越列藩同盟顛末』 下巻 帰郷奔走篇
(上・下巻 アメリカの先進性と植民地の悲惨さを目に焼きつけて、世界周航から帰国した玉虫左太夫は、仙台藩士に戻り、西国の動向を探る。坂本龍馬、勝海舟、松平春嶽、久坂玄瑞らと会う。政変は続き、薩摩と会津が手を結んだかと思えば、薩摩は朝敵だった長州と組み直し、倒幕へと突き進んでいく。 ... )

傀儡に非ず
たのみの手蜀


  『日雇い浪人生活録』 シリーズ
金の価値』 (一)

『織江緋之介』シリーズ
『幻影の天守閣』

『勘定吟味役異聞』リーズ
破斬

『闕所物奉行裏帳合』 シリーズ
御免状始末』 闕所物奉行裏帳合(一)
蛮社始末』 闕所物奉行裏帳合(二)
『赤猫始末』 闕所物奉行裏帳合(三)
『旗本始末』 闕所物奉行裏帳合(四)
『娘始末』 闕所物奉行裏帳合(五)
『奉行始末』 闕所物奉行裏帳合(六)
維新始末』 (『闕所物奉行裏帳合』 シリーズ最終巻)

『乱麻 百万石の留守居役…』 シリーズ

『偽計 禁裏付雅帳』 シリーズ
『聡四郎巡検諏』 シリーズ
『町奉行内与力奮闘記』 シリーズ
『表御番医師診療禄』 シリーズ
『町奉行内与力奮闘記』 シリーズ
『表御番医師診療禄』 シリーズ
「御広敷用人大奥記録」シリーズ

「お髷番承り候」シリーズ
「妾屋昼兵衛女帳面」シリーズ






































長谷川伸  はせがわ しん


横浜出身
1884年(明治17年)生まれ 1963年逝去  享年79歳

夜もすがら検校』 長谷川伸 (菊池寛の勧めで筆を執った出世作 /
アンソロジー『感涙』に所収,他)
真田範之助』 (アンソロジー『花と剣と侍』に所収,他)
『瞼の母』 (股旅物の戯曲)
『一本刀土俵入』 (股旅物の戯曲)

日本捕虜志』 (史伝)
『股旅新八景』
日本敵討ち異相






中山義秀  なかやま ぎしゆう


福島県大屋村出身 早稲田大学卒業
明治33年10月5日〜昭和44年8月19日

厚物咲』 芥川賞受賞


咲庵
月魄』 (アンソロジー『歴史小説の世紀  天の巻』に所収,他)
「月魄」
『美しき囮』
『塚原卜伝』
『新剣豪伝』
『テニヤンの末日』






山本博文 やまもと ひろふみ

岡山県津山市出身
1957年2月生まれ 2020年3月逝去 享年63歳
1980年 東京大学文学部国史学専修課程卒業
1982年 東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了(国史学)
1992年 「幕藩制の成立と近世の国制」で博士(文学)(東京大学)の学位を取得
日本の歴史学者 日本近世史専

1992年『江戸お留守居役の日記』  日本エッセイスト・クラブ賞

『殉死の構造』  弘文堂 1994、講談社学術文庫 2008
『サムライの掟』  読売新聞社 1995、中公文庫 2001
『島津義弘の賭け 秀吉と薩摩武士の格闘』  読売新聞社 1997、中公文庫 2001
江戸のお白州』 史科が語る犯科帳の真実  文春新書 2000 のち文庫
『切腹 日本人の責任の取り方』  光文社新書 2003、知恵の森文庫 2014
武士はなぜ腹を切るのか 日本人は江戸から日本人になった』  幻冬舎 2015
『武士と世間  なぜ死に急ぐのか』  中公新書 2003
『ペリー来航 歴史を動かした男たち』  小学館 2003
『忠臣蔵のことが面白いほどわかる本−確かな史料に基づいた、最も事実に近い本当の忠臣蔵!』  中経出版 2003
これが本当の「忠臣蔵」 赤穂浪士討ち入り事件の真相』  小学館101新書 2012
『教科書には出てこない江戸時代 将軍・武士たちの実像』  東京書籍 2008






梅崎春生 うめざきはるお

福岡県福岡市出身 東京帝国大学国文科卒業
1915年〈大正4年〉生まれ 1965年〈昭和40年〉逝去 享年50歳

主な作品
桜島』(デビュー作1946年)
ボロ家の春秋』(1954年) 第32回直木賞受賞(1955年)
『砂時計』(1955年) 第2回新潮社文学賞受賞(1955年)
『狂ひ凧』(1963年) 芸術選奨文部大臣賞受賞(1964年)
『幻化』(1965年) 毎日出版文化賞受賞(1965年)


『飢ゑの季節』
『B島風物誌』
『日の果て』
『ルネタの市民兵』
『限りなき舞踏』
『黒い花』
『紫陽花』
『山名の場合』
『南風』
『春日尾行』
『春の月』
『風ひかる
『つむじ風』
『馬のあくび』
『侵入者』
『逆転息子』
人も歩けば』 (映画化)
『拐帯者』
『てんしるちしる』
梅崎春生全集』全7巻 (赤い駱駝」第1巻所収    (浅田次郎 見上げれば 星は点に満ちて所収) )
『梅崎春生随筆集』
『ウスバカ談義』
『梅崎春生兵隊名作選』全2冊
『梅崎春生全集』全8巻
『梅崎春生作品集』全3巻
『幻燈の街』
『悪酒の時代 猫のことなど 梅崎春生随筆集』
『怠惰の美徳』
『カロや 愛猫作品集』






佐江衆一   さえ しゅういち

栃木県立栃木高等学校卒業 中央労働学院文芸専攻科卒業 文化学院夜間美術科卒業
1934年1月19日生まれ 2020年10月29肺腺がんで逝去 享年86歳
古武道杖術師範・剣道5段

『背』 第7回新潮同人雑誌賞受賞
『繭』 第45回芥川賞候補
『すばらしい空』 芥川賞候補
『風』 芥川賞候補
『客』 芥川賞候補
『青年よ、大志を抱こう』 芥川賞候補
北の海明け』(1990年) 第9回新田次郎文学賞受賞 (幕末の蝦夷地を舞台とした初の歴史長編小説)
江戸職人綺譚』(1996年) 第4回中山義秀文学賞受賞  短篇集(「対の鉋」,他)
黄落』 ドゥ・マゴ文学賞受賞

『続 江戸職人綺譚』
『江戸の商魂』 (短篇集 命をはった賭け 大坂商人 天野屋利兵衛」(掲載時タイトル「利兵衛の賭け」), アンソロジー『江戸の商人力に所収,アンソロジー『七つの忠臣蔵』に所収,他)
  思案橋の二人 (アンソロジー『江戸なごり雨』に所収,他)
いぶし銀』 (アンソロジー『江戸夢あかり』に所収,他)

水明かり
解錠奇譚 (アンソロジー『秋びより』に所収,他)
『クイーンズ海流』 (アヘン戦争時代の香港の海賊を描いた歴史時代小説)
士魂商才 五代友厚』 (幕末の薩摩藩士を題材)
『昭和質店の客』 (2010年2度にわたり旧満州を取材旅行し満蒙開拓団員等の戦争体験を描いた)
『兄よ、蒼き海に眠れ』 (回天特攻隊員の兄と東京大空襲で孤児となる弟の戦争体験の書き下ろし長編小説)
幸福の選択
『捨剣』
『わが屍は野に捨てよ』
峠の剣』(「時代小説 読切御免第二巻」所収)
























山田風太郎 やまだ ふうたろう

兵庫県出身 東京医科大学卒業 医学士号取得
1922年1月4日生まれ 2001年7月28日逝去 享年79歳

探偵作家クラブ賞
菊池寛賞
日本ミステリー文学大賞

笊ノ目万兵衛門外へ 山田風太郎傑作選 江戸篇』 (「笊ノ目万兵衛門外へ」,「姫君何処におらすか」,他三篇))
軍師は死なず
正義の政府はあり得るか
(アンソロジー『衝撃を受けた時代小説傑作選』に所収,他)
東京南町奉行
幽霊船棺桶丸
『魔界転生』
『南総里見八犬伝』
『水滸伝』
『戦中派不戦日記』 (自身の昭和20年の日記)
戦中派焼け跡日記』 (昭和21年を収めた風太郎戦後日記第一弾)
戦中派闇市日記』 (昭和22・23年を収めた風太郎戦後日記第二弾)
同日同刻』 (太平洋戦争の開戦当日と終戦に至るまでの数日、日米双方で起きた出来事をピックアップして時系列順に並べた…)
『あと千回の晩飯』 (パーキンソン病にかかった自分自身を見つめた出色の出来のエッセイ)
明治かげろう俥』 時代短篇選集3 (「明治かげろう俥」,「絞首刑第一番」,他四篇))
明治波濤歌
幕末妖人伝』 時代短篇選集 (「からすがね検校」,「新選組の道化師」(芹沢鴨 ... ),他四篇))
斬奸状は馬車に乗って』 時代短篇選集 (「斬奸状は馬車に乗って」,「笊ノ目万兵衛門外へ」,他五篇)) 

ミステリー
『達磨峠の事件』
明治断頭台』 (明治ものの一作として自身のミステリ作品の最高傑作と述べている。)
『誰にも出来る殺人』
『棺の中の悦楽』
『山屋敷秘図』 (日本を舞台にした切支丹もの)
 
空白の幕末期
『魔群の通過』 (天狗党の乱を描いた長編)
修羅維新牢』 (明治元年に薩摩兵が惨殺されたことに対する報復による元幕臣の悲劇…)
旅人国定龍次』 (国定忠治の息子が侠客修行の旅を続けるうちに維新の騒乱に身を投じる…)

明治もの・史実の交差
警視庁草紙
幻燈辻馬車』 (主人公は元会津藩士)
地の果ての獄
明治十手架
明治忠臣蔵

室町と晩年
『室町少年倶楽部』
『婆沙羅』 (南北朝時代に、ばさら大名と呼ばれた佐々木道誉の奔放な人生)
『室町お伽草紙』 (少年時代の豊臣秀吉を中心に、京に集った若き日の織田信長・武田信玄・上杉謙信の物語)
『柳生十兵衛死す』 (十兵衛 三部作の完結編)

ガリヴァー忍法島
















































杉本苑子  すぎもと そのこ

東京都出身 旧制千代田女子専門学校(現 武蔵野大学)卒業 - 文化学院卒業
1925年6月26日生まれ 2017年5月31日逝去 享年91歳

『申楽新記』 「サンデー毎日」懸賞小説入賞
孤愁の岸  (上・下巻) 第48回(1962年下半期)直木賞受賞

滝沢馬琴  (上・下巻) 第12回吉川英治文学賞受賞
穢土荘厳(えどしょうごん)(上・下巻) 第25回女流文学賞受賞
第50回菊池寛賞受賞

二条の后』 (珠玉の短篇九篇) 「二条ノ后」,「焔の果て」,「わびすけ」,「西鶴置きみやげ」,他
解説 磯貝 勝太郎
……
……,いかなる時代,いかなる人々をも作品化し得る作家のようにおもわれているが,作品として描きたくないのは,戦国武将と幕末の尊王攘夷の志士だという。そのことについてふれた一文で,杉本苑子は次のように書いている。
「武将の行動は単純ですし,会社経営に結びつけるのも疑問。軍国教育の罪に目を見開かされた今では,明治維新とそのイデオロギーには手を触れたくない。それが尾を引いて明治憲法から軍国主義の肥大化へ進んだのだし,天皇制の問題もあり,志士を含め軽々しく書けません。徳川政権は悪だったのか,という問いもあります。悪と決めつけたのが昔の教育で,そのこわさが骨髄に徹している世代ですから」
……
…… 杉本苑子によると,編集者や読者にとって,飛鳥・奈良朝や平安朝という時代は馴染みが薄いために,その時代や人物を素材とした作品は敬遠されがちだが,読者に好まれる戦国時代よりも,人間悪や政治悪を書く場合,ことに,平安朝のほうが,ドラマチックな実例が多く,権勢欲,策謀,陥穽などが渦巻いた恐怖政治の時代なので,日本史を通じて,もっとも気味のよくない,それだけに戦国乱世の単直さなどにくらべて,興味のある人間模様の濃縮を見るようだという。
……


冬の蝉』 (粒揃いの短篇八篇)
「墓石を打つ女」,「ゆずり葉の井戸」,「仲蔵とその母」,他五篇

大江戸ゴミ戦争
橋のたもと ( アンソロジー『情に泣く』に所収,他)
華の碑文 世阿弥元清
傾く滝

二条院ノ讃岐
永代橋崩落 (短篇集) 「永代橋崩落」, 「風ぐるま」,他

知恵に瑞賢
汚名
銀の猫』 (短篇七篇) 「少女,名は筑」,他

逆髪
一夜の客』  (アンソロジー『時代小説 読切御免第二巻』に所収,他)
影の系譜
豊臣家崩壊』 
春日局』  (格好の作品集 短篇五篇) 「春日局」,「耳塚のすみれ」,他
埋み火
太閤さまの虎』 (短篇八篇) 「書きこぼし宗湛日記」,「菊若の茶入れ」,「太閤さまの虎」,他
夜叉神堂の男
玉川兄弟  (上・下巻)
隠々洞ききがき抄
長勝院の萩  (上・中・下巻) (戦国期の女の生き方を描いた…)
  泣けよミイラ坊』 (アンソロジー『江戸夢あかり』に所収,他)
引越し大名の笑い
戦乱 日本の歴史
鶴屋南北の死
『江戸を生きる』
『姿見ずの橋』
悲歌水滸伝
『讃歌』

『天智帝をめぐる七人』
『能の女たち』
『春風秋雨』
『一夜の客』
『山河寂客 ある女官の生涯』 (上・下巻)
『鳥影の関』
散華 −紫式部の生涯き』 (上・下巻)
新とはずがたり』 (戦国期の女の生き方を描いた…)

武太夫開眼』 (アンソロジー『武芸十八般』に所収,他)
『虚空を風が吹く』
『痣のある女』
『たぢからお』

終 焉
『檀林皇后私譜』 
(上・下巻)
『西国巡拝記』
『はみだし人間の系譜』
『片方の耳飾り』
『小鳥の食卓』
『竹ノ御所鞠子』

『申楽新記』
『マダム貞奴』
『歴史に咲く花々―人物おんな日本史―』
『孔雀茶屋心中』
『雪中松梅図』
『鶴渡る』
『今昔物語ふぁんたじあ』
『続 今昔物語ふぁんたじあ』
『続々 今昔物語ふぁんたじあ』
『江戸芙蓉堂医館』
『元禄歳時記』 
(上・下巻)
『絵島疑獄』 
(上・下巻)
『胸に棲む鬼』
『聞き語り にっぽん女性「愛」史』
『埠頭の風』
『秋蘭という女』
『悲劇の風雲児』

『対談にっぽん女性史』
ごめんあそばせ 独断日本史』 杉本苑子・永井路子 著
『杉本苑子全集』 (全22巻)





























































永井路子  ながい みちこ

東京都出身 東京女子大学国語専攻部卒業  -  戦後,東京大学で経済史を学ぶ
1925年3月31日生まれ  95歳

黒板勝美の思い出と私たちの歴史探究』 (黒板伸夫・永井路子篇) 第27回大衆文学研究賞・大衆文学部門受賞
1984年 第32回菊池寛賞

炎環』 第52回直木賞受賞作品
源頼朝の挙兵――辺境の東国にーつの灯がともった。
鎌倉武士たちの情熱と野望を激しく描く直木賞受賞作。


氷輪』 第21回女流文学賞
雲と風と』  第22回吉川英治文学賞 (伝教大師最澄の生涯)

※※ 岩倉具視 言葉の皮を剥きながら』 毎日芸術賞
解説:湯川 豊(文芸評論家)
……
言葉は思いがけない虚偽の衣裳を纏っていることが多い。ここに扱われた時代でいえば,「尊王攘夷」「佐幕」「公武合体」「王政復古」等々の言葉。現在でも歴史家はこういう言葉をやすやすと使うが,言葉の裏にある実体に目が届いているのかどうか。永井氏は岩倉具視とその時代の群像を描くのに,「言葉の皮を剥く」ということに固執した。そしてくりかえし「言葉の皮を剥けば」といいながら,歴史の核心に迫るのである。
……
……
この章でいちばん注目すべきは,作者がどうしても書いておきたいという感じで,歴史小説とは何かをはっきり表明していることだ。
《歴史小説とは,歴史表現としての人間を描くことだ――というのは五十余年,ここに根を据えてきた私の結論のようなものだ。》
そういったうえで,言葉をつぐ。だからある人物を何がなんでもヒーローに仕立てる気はない。歴史はごくありふれたかたちで人々の中に栖み,人々はそれぞれに歴史を生きている。「それぞれがモザイクのように巌めこまれ,かかわりあって時空を支えつつ明滅しつつやがて消えていく。」それが歴史だ,という思想は,この伝記小説を生みだしたものに違いない。
……

絵巻
相模のもののふたち 中世史を歩く
つわものの譜
『茜さす』 
うたかたの
闇の通い路』  (短篇八篇
 「その眼」,「猪に乗った男」…他
裸足の皇女(ひめみこ)』 (短篇九篇)
からくり紅花』 (ミステリー短篇七篇)

異議あり日本史

長崎犯科帳』 (傑作短篇七篇) 「青苔記」(第四十五回直木賞候補),「死ぬということ」,「応天門始末」,「下刺上」,他)

山霧』 毛利元就の妻 上・下巻 (長編)
悪霊列伝』 (「伴大納言ー権謀の挫折」所収)

『美貌の女帝』

『噂の皇子』 (短篇八篇) 三条帝の第一皇子・敦明にはかねてから奇妙な噂がささやかれていた……。王朝の光と影を描く。
  『恋のうき世 新今昔物語』 (短篇七篇) 時は平安。今も片も男と女は化かしあい――盗賊の一味の男が出会った天女のような女の正体は?

一豊の妻』 (短篇六篇) 「お江さまびょう風」(...理屈に合わない歴史の上をしたたかに生きたお江の他に、将軍家の御台所で嫡男を産んだ者はいない。さらに、春日局といえども、うかがい知ることのできなかった、お江の「左様でございますか」 の一言の真意を知ったとき、私たちも懐然とせざるを得ないのだ。...),他五篇

わかぎみ』 (短篇八篇)
『この世をば』上・下巻

乱紋』上・下巻 (長編 )
お市の娘お茶々、お初、おごう。三姉妹のたどった運命の光と影を、末娘おごうを中心に鮮かに映し出す。

源頼朝の世界

お市の方』  上・下巻 (長編)
天下への野望を抱く織田信長の美貌の妹・お市の方。戦国の世でお市が背負った苛酷で数奇な運命を描く。

銀の館』上・下巻 (長編)
足利義政の室として権勢をほしいままにした日野富子。その意外な実像と、当時の庶民の姿を生き生きと描く。

『歴史をさわがせた女たち 日本編』
『歴史をさわがせた女たち 外国編』
『歴史をさわがせた女たち 庶民編』
『歴史をさわがせた夫婦たち』
『新・歴史をさわがせた女たち』

『朱なる十字架』
逆臣明智光秀の娘という業を負い、キリシタンに道を求めて愛と苦悩に生きた細川ガラシヤ夫人お玉の生涯。

『平家物語の女性たち』
『はじめは駄馬のごとく ナンバー2の人間学』
『今日に生きる万葉』

『北条政子』
伊豆の小豪族の娘に生まれ、流人頼朝に恋をした政子。歴史の激流にもまれつつ乱世を生きた女の人生の哀歓。

『歴史のヒロインたち』
『太平記』 古典を読む
異議あり日本史
『旅する女人』
『よみがえる万葉人』
『にっぽん亭主五十人史』

『永井路子歴史小説全集』  (全十七巻)



























































朝井まかて  あさい まかて
大阪府出身 甲南女子大学文学部国文学科卒業
1959年生まれ 61歳

実さえ花さえ』 第3回小説現代長編新人賞奨励賞受賞 (後に「花競べ 向嶋なずな屋繁盛記」に改題)

※※ 恋歌(れんか)』 第150回直木三十五賞受賞 (幕末から明治へと駆け抜けた歌人中島歌子を描いた作品)
解説 大矢博子(書評家)
……
男が志に死ぬ中,女は生きた。歌子だけではない。林の妹のてつもそうだし,敵方となった諸生党にも妻や娘がいた。重すぎるほどの思いを抱えて,多くの女性たちが水戸の内乱を生き抜いた。そこに注目していただきたい。彼女たちが何を支えに生きたのか,生き抜いたあとにどんな人生を選び,何を為そうとしたのか。それこそが本書の核だ。本書は水戸の悲劇を描くための話ではなく,そこから再生した女性たちの物語なのだから。
……

『阿蘭陀西鶴』 第31回織田作之助賞受賞
『眩(くらら)』 第22回中山義秀文学賞受賞
福袋』 第11回舟橋聖一文学賞受賞  短篇集 「莫連あやめ」,「千両役者」 他六篇
悪玉伝』 第22回司馬遼太郎賞受賞
『雲上雲下』 第13回中央公論文芸賞受賞
すかたん』 第3回大阪ほんま本大賞受賞
  春天 (短篇集「草々不一」に所収)
残り者
紛者 (短篇 / アンソロジー『時代小説 ザ・ベスト2016に所収,他)
駄々丸』 ( アンソロジー『いのちに所収,他)
『銀の猫』
『輪舞曲(ロンド)』
『類』
『御松茸騒動』
藪医 ふらここ堂』 「駄々丸」他,/ ( アンソロジー『
いのちにも所収) (解説 :「現代に通じる医療時代小説」久坂部洋(作家・医師)
『草々不一』
『ぬけまいる』
『ちゃんちゃら』



































澤田瞳子  さわだ とうこ

京都府出身 同志社大学文学部文化史学専攻卒業 - 同大学院文学研究科博士課程前期修了
1977年9月14日年生まれ  43歳
母は作家の澤田ふじ子

孤鷹の天』 第17回中山義秀文学賞受賞
『満つる月の如し 仏師・定朝』 第2回本屋が選ぶ時代小説大賞、第32回新田次郎文学賞
『若冲』 第153回直木賞候補,第9回親鸞賞受賞
『火定』 第158回直木賞候補、第39回吉川英治文学新人賞候補
『落花』 第32回山本周五郎賞候補、第161回直木賞候補
『能楽ものがたり 稚児桜』 第163回直木賞候補
星おちて、なお』 第165回直木賞受賞
『駆け入りの寺』 舟橋聖一文学賞を受賞

ふたり女房 京都鷹ケ峰御楽園目録』 (書下し1作を含む全六篇 「初雪の坂」,他)
関越えの夜 東海道浮世がたり』 (短篇連作全十二篇 「痛むか,与茂吉」,「竹柱の先」,「通耶の支度」,「関超えの夜」,他)
清経の妻 (アンソロジー『時代小説 ザ・ベスト2018に所収,他)
名残の花』 (短篇 / アンソロジー『時代小説 ザ・ベスト2016に所収,他) 
わらわ鬼』 (短篇 / アンソロジー『時代小説 ザ・ベスト2021』に所収,他)
初雪の坂 アンソロジー『撫子が斬るに所収,他)

  『京都鷹ヶ峰御薬園日録』シリーズ
瘡守』 短篇 (京都鷹ヶ峰御薬園日録シリーズ『師走の扶持』,アンソロジー『いのちに所収)

『龍華記』
『与楽の飯』
『日輪の賦』
『夢も定かに』
『泣くな道真』
『秋萩の散る』
『腐れ梅』
『月人壮士』


『京都はんなり暮らし 京都人も知らない意外な話』 ( エッセイ)


























永井紗耶子   ながい さやこ

静岡県出身 神奈川県横浜市で育つ 慶應義塾大学文学部卒業 佛教大学大学院で仏教文化の修士号取得
1977年生まれ 46歳

『絡繰り心中』 第11回小学館文庫小説賞受賞
商う狼 江戸商人 杉本茂十郎』 第3回細谷正充賞受賞 / 第10回本屋が選ぶ時代小説大賞受賞 / 第40回新田次郎文学賞受賞 / 第27回中山義秀文学賞候補
女人入眼』 第167回直木三十五賞候補

木挽町のあだ討ち』 2023年第36回山本周五郎賞受賞 / 第169回直木三十五賞を受賞
(雪の降る夜、芝居小屋のすぐそばで、美しい若衆によるみごとな仇討ちが成し遂げられた。語り草となった大事件に隠された真相は――。)

単行本[篇集](単著[篇集])
『恋の手本となりにけ り』 【改題/文庫版】『部屋住み遠山金四郎 絡繰り心中』
『旅立ち寿ぎ申し候』【改題/文庫版】『福を届けよ 日本橋紙問屋商い心得』
『帝都東京華族少女』 【改題/文庫版】『華に影 令嬢は帝都に謎を追う』
『広岡浅子という生き方』
『横濱王』
大奥づとめ』 【文庫版】『大奥づとめ よろずおつとめ申し候』
『女人入眼』
つはものの女 (アンソロジー『時代小説 ザ・ベスト2018に所収,他)

  共著[編集]
『戦国の城 アンソロジーしずおか』 芦辺拓、秋山香乃、谷津矢車、坂井希久子、杉山大二郎、蒲原二郎、彩戸ゆめ、鈴木英治、早見俊との共著

雑誌掲載作品[編集]
「ちょぼくれの女」
「ねこめでる女」
「木戸芸者かく語る 木挽町のあだ討ち」
「立師かく語る 木挽町のあだ討ち」
「女形かく語る 木挽町のあだ討ち」
「小道具夫婦かく語る 木挽町のあだ討ち」

新聞小説[篇集]
「きらん風月」(栗杖亭鬼卵を主人公とした歴史小説)



























安西篤子   あんざい あつこ

兵庫県出身 神奈川県立横浜第一高等女学校(現・神奈川県立横浜平沼高等学校)卒業
1927年8月11日生まれ 93歳

『張少子の話』 第52直木賞受賞
『黒鳥』 第32回女流文学賞受賞

不義にあらず
刈萱』 (短篇)
『北条時宗と蒙古襲来』
『空白の瞬間』
『軍師の死にざま』
『悲愁中宮』
『愛染燈籠』
『義経の母』
『武家女夫録』
『恋に散りぬ』 (短篇集 「蘇芳」,他)
『洛陽の姉妹』






古川薫   ふるかわ かおる

山口県出身 山口大学教育学部卒業
1925年まれ

『漂泊者のアリア』 第104回直木賞受


雪に舞う剣』  (幕末の日本を生きた若き剣士たちの,明治という夜明けに向かう心の葛藤を描いた名作)
狂雲われを過ぐ』 秋霜の隼人」,他所収
『異聞 岩倉使節団』 長編
『花冠の志士 小説久坂玄瑞』
『斜陽に立つ』
『高杉晋作』
『走狗』
『女体蔵志』
『塞翁の虹』







竹田真砂子 たけだ まさこ

東京都出身 法政大学文学部教育学科卒業
1938年3月21日生まれ (年齢 83歳)
2007年から2017年まで中山義秀文学賞選考委員を務めた。

『十六夜に』 オール讀物新人賞受賞
『白春』 第9回中山義秀文学賞受賞
『あとより恋の責めくれば−御家人南畝先生』 第30回新田次郎文学賞受賞

『牛込御門余時』
『あとより恋の責めくれば: 御家人南畝先生』
『七代目』 (「木戸前のあの子」(アンソロジー『おやこ
にも所収),他)
『桂昌院 藤原宗子』
千姫と乳酪
 
エッセイ:竹田真砂子
……
……しかし今,私は小説というものの存在意義をはっきりいうことができる。
小説でなければ伝えられない「真実」がある,と。
事実は目に見えるし,箇条書きで提示することもできる。しかし,真実を確認することは不可能に近い。なぜなら真実は,層大な細かい事実を繋ぎ合わせてから,なお,あるかなきかの微小な隙間に潜んでいるからだ。時に心情を吐露している本人さえ,自分の言葉の中に真実が宿っていると気付かないこともある。……

……






大原富枝  おおはら とみえ


知県出身 高知県女子師範学校中退
大正元年9月28日〜平成12年1月27日

婉という女』 毎日出版文化賞と野間文芸賞受賞

『ストマイつんぼ』 第8回女流文学賞

於雪−土佐一條家の崩壊』 第9回女流文学賞


『於雪』
『信従の海』
菊女覚え書』 (アンソロジー『歴史小説の世紀  天の巻』に所収,他)






西村兼文 にしむら かねふみ


西村兼文は、幕末の京都西本願寺侍臣。尊皇攘夷派。
戊辰戦争後の明治22年(1889年)、『新撰組始末記』(壬生浪士始末記とも)を著した。
維新史に関する書をたびたび発表し、奈良県庁官吏として明治政府に出仕。
著書『新撰組始末記』では尊皇側の立場から記載されており、山南敬助などは好意的に書かれている。

生年月日: 1832年8月17日
死亡日: 1896年11月1日 享年65

新撰組始末記』 (壬生浪士始末記とも)







子母澤寛  しもざわ かん

北海道厚田郡厚田村(現・石狩市)出身 明治大学専門部法科卒業
1892年2月1日生まれ 1968年7月19日心筋梗塞のため逝去 享年76歳

1962年第10回菊池寛賞受賞

新選組三部作 
(その後の作家ら(司馬遼太郎・池波正太郎など)に引用される。)

新選組始末記』 新撰組三部作 (ルポルタージュ)
新選組遺聞』 新撰組三部作 (ルポルタージュ)
新選組物語』 新撰組三部作 (ルポルタージュ)  (人斬り鍬次郎,隊中美男五人,死損ねの左之助,流山の朝,他)
新選組血風録
雨の音
子母澤寛幕末維新小説集 (短篇集)
『逃げ水』 (上,下巻)
勝海舟』(大河ドラマ『勝海舟』原作)
勇の風采
『国定忠治』
『弥太郎笠』
『菊五郎格子』
『すっ飛び駕』
『駿河遊侠伝』
『父子鷹』
『おとこ鷹』
『逃げ水』
随筆『ふところ手帖』(「座頭市」の原案)







坂口安吾  さかぐち あんご

新潟県新潟市出身 東洋大学印度哲学倫理学科第二科卒業 アテネ・フランセでフランス語習得
1906年10月20日生まれ 1955年2月17日分 脳出血により逝去 享年48歳

探偵作家クラブ賞(1948年)
文藝春秋読者賞(1950年)


直江山城主』 (アンソロジー『時代小説傑作選』, 『軍師は死なず』に所収,他)
梟雄』 (アンソロジー『歴史小説の世紀  天の巻』に所収,他)
勝夢酔
舞踏会殺人事件
『木枯の酒倉から』(デビュー作1931年)
『風博士』
『日本文化私観』
『堕落論』
『白痴』
『桜の森の満開の下』
『二流の人』
『不連続殺人事件』
『夜長姫と耳男』
〜他,作品多数

映像化
戦争と一人の女、 カンゾー先生、 白痴、 負ケラレマセン勝ツマデハ、 BUNGO〜ささやかな欲望〜







大岡昇平  おおおか しょうへい

東京出身 京都帝国大学文学部仏文科卒業
明治42年3月6日〜昭和63年12月25日

俘虜記
野火
『武蔵野夫人』
『花影』
『中原中也』
『事件』
レイテ戦記
高杉晋作』 (アンソロジー『歴史小説の世紀  天の巻』に所収,他)






森鷗外 もり おうがい

島根県津和野町出身 東京大学医学部卒業
生年月日: 1862年2月17日生まれ 1922年7月8日逝去 享年60歳
勲一等旭日大綬章受賞(1915年)
 
森鷗外は、日本の明治・大正期の小説家、評論家、翻訳家、陸軍軍医、官僚。位階勲等は従二位・勲一等・功三級、医学博士、文学博士。本名は森林太郎。石見国津和野出身。東京大学医学部卒業。大学卒業後、陸軍軍医になり、陸軍省派遣留学生としてドイツでも軍医として4年過ごした。

ジャンル:小説、翻訳、史伝
(森鷗外は,歴史小説・時代小説について,歴史そのままは“歴史小説”,歴史ばなれは“時代小説”と規定したと言われている。)

阿部一族』(1913年)
栗山大膳
意地
伊沢蘭軒』(いざわ らんけん)
渋江抽斎』(しぶえ ちゅうさい)
護寺院原の敵討
『舞姫』(1890年)
『うたかたの記』(1890年)
『ヰタ・セクスアリス』(1909年)
『青年』(1910年)
『雁』(1911年)

『山椒大夫』(1915年)
『高瀬舟』(1916年)
『渋江抽斎』(1916年、史伝)
『於母影』(1889年)(デビュー作)

映画 : 山椒大夫、雁、阿部一族、The Abe Clan






三田村鳶魚 みたむら えんぎょ

著作家 評論・随筆 三田村鳶魚は、江戸文化・風俗の研究家である。本名は万次郎、後に玄龍。その多岐に渡る研究の業績から「江戸学」の祖とも呼ばれる。

鳶魚の江戸学は、非常に広範で多岐に渡り、鳶魚江戸学と呼んでも差し支えないような個性的なものである。あまりにも膨大な文章のため、没後稲垣史生が鳶魚の研究成果を事典形式にまとめた「三田村鳶魚 江戸武家事典」「三田村鳶魚 江戸生活事典」(青蛙房)などを篇纂しているほどである。その業績は下記の『三田村鳶魚全集』や『未刊随筆百種』に纏められている。(
参考

東京都八王子出身
1870年4月17日生まれ  1952年5月14日逝去

三田村鳶魚全集』 全28巻 (中央公論社/新篇「鳶魚江戸文庫」中公文庫 全36巻)

第1巻 公方様の話・大名生活の内秘
裾貧乏な家康/不良将軍吉宗/島津お由羅騒動/米沢騒動/…他

第2巻 お大名の話・武家の生活・武家の婚姻
開演を見合せた『井伊大老の死』/蘇生した井伊劇/浅野老侯のお話/武家の暮し向き/足軽/家の婚姻:武家の婚姻/…他

第3巻 御殿女中・御殿女中続考(付図 御本丸御殿向図)

第4巻 御家騒動・御家騒動続考・敵討の話
宇都宮釣天井/忠長殺し/有栖川幸仁親王擁立/黄門様の八つあたり/三家・三卿の本家相続病/繰り返した会津騒動/四谷塩町の仇討/…他

第5巻 加賀騒動・幕府のスパイ政治・江戸の豪侠
石出帯刀/深見十左衛門/…他

第6巻 江戸生活のうらおもて・札差
前後四回の倹約強要/宮様のお命乞い/武士の分度生活/旗本・御家人の別/米価の話/通貨の話/未遂既遂の米騒動/…他

第7巻 江戸っ子・江戸の生活と風俗
江戸っ子の使う悪態の解説/畜生め/鳶の喧嘩/チョン髷/若衆髷/…他

第8巻 足の向く儘・芝 上野と銀座

第9巻 江戸の春秋・江戸の旧跡・江戸の災害
享保・天明の洪水/永代落橋/読売に唄われた安政大地震/安政震災の回復/…他

第10巻 娯楽の江戸・江戸の食生活・花柳風俗
太夫道中の見物/吉原一夕話/品川女郎衆/江戸芸者の研究/夜鷹日和/苦界/男色…他

第11巻 江戸の女・江戸の花街
元吉原の話/江戸の暗娼政策/江戸時代の高級遊女/奴遊女九重/…他

第12巻 近松の心中物自由恋愛の復活・芝居風俗・女の流行

第13巻 捕物の話・目明しと囚人・浪人と侠客の話
廻り方/火付盗賊改/八州取締出没/目明しの話/江戸法律の相対死/捨子/牢屋の話/馬場文耕の罪科/直侍の実説/浪人の話/侠客の話/…他

第14巻 江戸の白浪・泥坊の話・お医者様の話
日本左衛門/五人小僧/鼠小僧の正体/鬼坊主清吉の捨札/毒婦と白浪/御殿医の話/医者の仕度料/お医者様の話/江戸時代の性欲教育/避妊・不妊の遊女/破戒尼を裸にする/同性愛の異性化/…他
  第15巻 相撲の話・江戸雑録
八百八町の隣組/瓦版の話/相馬の金さん/…他

第16巻 元禄快挙別録・横から見た赤穂義士・赤穂義士遺聞
口碑に存せる吉良義央/『徳川御実記』に見える義央/『忠臣蔵』の師直/四十六人の偶像化/百二十五人から四十六人/二月の四日/泉岳寺の宝物館/義士嫌い/公弁法親王と赤穂義徒処分/当夜の小林平八郎/…他

第17巻 人物談義江戸の流行っ子・玉川上水の建設者安松金右衛門・人さまざま
徳川家康の痰火/家光將軍の禅問答/吉良氏の忠臣/田沼主殿頭の身辺/情けない阿部正喬/不審しの横井小難/夢に見た恭順中の慶喜公/話に聞いた近藤勇/寛永寺小言の僧正/…他

第18巻 芝居と史実・芝居の裏おもて
八百屋お七歌祭文/四谷怪談の虚実/…他

第19巻 鳶魚劇談・芝居ばなし
歌舞伎という言葉/勘弥の忠直卿/井伊大老の愛妾/…他

第20巻 歌舞伎百話・はやり唄・江戸の思想
新井白石の罪案/徂徠学の蔓衍/水戸学の淵源/会津学と水戸学/…他

第21巻 浄瑠璃と説経・人形芝居と能・吾妻錦絵

第22巻 滑稽本概説・江戸の小説

第23巻 教化と江戸文学・江戸の文学

第24巻 大衆文芸評判記・時代小説評判記

第25〜 27巻 日記


『未刊随筆百種』 全12巻 (中央公論社)


評論・随筆
明治38年(1905年)、『甲斐方言考』 - 『風俗画報』に掲載。最初期の執筆作。
明治44年(1911年)、『芝居と史実』
大正2年(1913年)、『江戸の珍物』
大正7年(1918年)、『伊賀の水月』
大正14年(1925年)、『鳶魚随筆』
昭和2年(1927年)、『江戸年中行事』
昭和8年(1933年)、『江戸ッ子』
昭和9年(1934年)、『捕物の話』
昭和14年(1939年)、『江戸百話』



















































参考).作家佐藤雅美 短篇集「槍持ち佐五平の首」の「身からでた錆」からの件り
…… 三田村鳶魚という,とうに故人になられている市井の歴史学者がおられる。書いてあることはどうも事実らしく,ときには驚愕するようなことが書かれているのだが,鳶魚先生は出典を一切明らかにされなかったから事実かどうかを確証することができず,学者先生を大いに悩ましたという人であり,…………
……






梅原猛  うめはら たけし

哲学者
東北地方出身 京都大学文学部哲学科卒業
1925年3月20日生まれ 2019年1月12日逝去

第3回仏教伝道文化賞
第15回大谷竹次郎賞
第5回井上靖文化賞
『水底の歌』 柿本人麻呂の生涯に関する新説。 第1回大佛次郎賞
隠された十字架 - 法隆寺論』 第26回毎日出版文化賞受賞

日本の深層――縄文・蝦夷文化を探る
『聖徳太子』
『葬られた王朝一古代出雲の謎を解く』
『親鸞「四つの謎」を解く』
『柿本人麿論』

他作品多数

参考).国文学,考古学,歴史学の分野からは異論が唱えられているようですが ・・・ 。









途中ですがここで,幕末維新とは何かを問い,もう一つの日本の近代化の可能性を照らし出す歴史小説の名作と言われている以下四篇を紹介しておきます。

葵の残葉奥山景布子 / 『かちがらす植松三十里 / がいなもん 松浦武四郎一代河治和香 / 柳は萌ゆる平谷美樹 



奥山景布子  おくやま きょうこ

愛知県出身 名古屋大学大学院文学研究科博士課程修了
1966年生まれ 54歳

葵の残葉』 第37回新田次郎文学賞受賞  本屋が選ぶ時代小説大賞受賞
(新に放浪された高須松平家の四兄弟。 石高わずか三万石の尾張高須の家に生まれた四兄弟は、縁ある家の養子となる。 幕末の激動期、官軍・幕府に別れて戦う運命に。 御三家尾張藩主となり、いち早く官軍についた次男・慶勝。 一橋家を継ぎ維新派と交渉した五男・茂栄。 ... )

『平家蟹異聞』 第87回オール讀物新人賞受賞
『びいどろの火』 第15回松本清張賞候補
『たらふくつるてん』 第22回中山義秀文学賞候補

源平六花撰
『寄席品川清州亭』
絃の便り (アンソロジー『時代小説 ザ・ベスト2021』に所収,他)
鈴の恋文』 (アンソロジー『時代小説 ザ・ベスト2017
に所収,他)






植松三十里  うえまつ みどり


埼玉県出身 東京女子大学文理学部史学科卒業
1954年11月23日生まれ 66歳

かちがらす
(維新の礎を作った佐賀藩主・鍋島直正の生涯。 若くして佐賀藩主となった鍋島直正。財政難に苦しむ藩は城の火事に遭うが、それをきっかけに藩の改革に取り組む。長崎警備を任されていた佐賀藩は、外国船の進入が増え、中国がアヘン戦争でイギリスに敗れたことに危機感を覚えた。 ... 解説 村井重俊

桑港にてサンフランシスコにて  (『咸臨丸、サンフランシスコにて』改題) 第27回歴史文学賞受賞
『三人の妾』 小学館文庫小説賞優秀作品入選
群青 日本海軍の礎を築いた男』 第28回新田次郎文学賞受賞
彫残二人』(文庫化時に『命の版木』と改題) 第15回中山義秀文学賞受賞


ひとり白虎 会津から長州へ』 (連作十篇 戊辰戦争に参戦した会津藩白虎隊士・飯沼貞吉。仲間達と自刃したが、唯ひとり蘇生する。江戸の謹慎所で、生き残りと謗りを受ける貞吉に、捕虜受け取り責任者楢崎頼三が、自分の故郷長州へ行こうと ...  解説 中村彰彦

ヤマトフ』 (アンソロジー『時代小説 ザ・ベスト2021』に所収,他)
  可愛岳越え』 書き下ろし(アンソロジー『西郷隆盛 英雄と逆賊に所収,他)
黒鉄の志士たち』 (幕末の佐賀の反射炉プロジェクト... )
達成の人』 (二宮金次郎青春録)
『千の命』
『おたみ海舟 恋仲』
『家康の子』
『黍の花ゆれる戸』 長編 (文庫化にあたり『愛加那と西郷』と改題)
大正の后

調印の階段
(日本史上,もっとも不名誉な“仕事”を買って出た男――降伏文書への調印を行ない,戦犯になったことで,不当に低い評価を受けている昭和の外交官・重光葵を描く長篇小説。)

会津の儀 幕末の藩主松平容保
徳川最後の将軍 慶喜の本心
『海と水仙』
『繭と絆』 (富岡製糸場ものがたり)
『空と湖水』
『調印の階段』
『帝国ホテル建築物語』
『レイモンさん』

流人富士』 (アンソロジー『時代小説 ザ・ベスト2017に所収,他)































河治和香  かわじ わか


東京都出身 日本大学芸術学部卒業
1961年埋生まれ 59歳

がいなもん 松浦武四郎一代』 第3回北海道ゆかりの本大賞、第25回中山義秀文学賞、第13回舟橋聖一文学賞をそれぞれ受賞
(“北海道の名付け親”を描いた決定版小説! 明治16年。齢60を過ぎても矍鑠としている松浦武四郎は、絵師の河鍋暁斎の家にやって来ては、暁際の娘の豊に昔語りを始めるのだった――。 武四郎は、文化15年に伊勢国、今の三重県松阪に生まれた。早くから外の世界に興味を持ち、16歳で家出する。 ... )

『秋の金魚』 第2回小学館文庫小説賞受賞






平谷美樹  ひらや よしき


岩手県出身 大阪芸術大学芸術学部美術学科卒業
1960年1月25日生まれ 60歳

柳は萌ゆる
(幕末、盛岡藩内で貧困と重税に不満を爆発させ、頻繁に一揆を起こす百姓たち。そして、その要求を飲むものの簡単に反故にする藩の重臣たち。その状況を憂いた若き藩士・楢山茂太(後の佐渡)は、「百姓による世直し」を夢見、家老となった後も、新しい世にふさわしい政の実現を志す。 ... )

『エンデュミオン エンデュミオン』 第1回角川春樹小説賞最終候補
『エリ・エリ』 (長編SF) 第1回小松左京賞受賞
『風の王国』 (シリーズ) 第3回歴史時代作家クラブ賞・シリーズ賞受賞

口入屋賢之丞,江戸を走る』 (全五章)
鉄(くろがね)の王
雀と五位鷺推当帖』 (書き下ろし)
  よこやり清左衛門仕置帳
主殺し よこやり清左衛門仕置帳

でんでら国』 上,下巻
江戸城 御掃除之者!』 (シリーズ)
『草紙屋薬楽堂ふしぎ始末2(仮)』
義経になった男』 (シリーズ)
『水滸伝』 (シリーズ)

『採薬使佐平次』 (シリーズ)
採薬使佐平次

『修法師百夜まじない帖』 (シリーズ)
『貸し物屋お庸』 (シリーズ)
『蘭学探偵 岩永淳庵』 (シリーズ)
























藤沢周平  ふじさわ しゅうへい

短篇集作品多数,他

山形県鶴岡市出身 山形師範学校(現在の山形大学)卒業

1927年12月26日生まれ 1997年1月26日逝去

暗殺の年輪』 第69回直木三十五賞受賞
溟い海』 第38回オール讀物新人賞受賞
白き瓶』 第20回吉川英治文学賞受賞
市塵(上下)』 第40回芸術選奨文部大臣賞受賞
菊池寛賞受賞

海鳴り(上下)
たそがれ清兵衛
蝉しぐれ
闇の傀儡師(上下)
三千歳たそがれ 天保六花撰ノ内・三千歳
又蔵の火
闇の梯子
武士の一分
竹光始末
時雨のあと
義民が駆ける
冤罪
逆軍の旗
闇の穴』 (短篇集 「木綿触れ」…他)
闇の歯車
長門守の陰謀
暁のひかり
春秋山伏記
神隠し
雪明かり
回天の門
驟り雨


夜の橋(短篇集 「孫十の逆襲」,「暗い鏡」,他七篇)
あとがき 藤沢周平
……
さて,その程度のヒントで書き出す小説なので,書きはじめた時点では結末までわかっていないことが多い。したがって,出来てみるととんでもない駄作に仕上がって,読者をあきれ返らせたりすることもあるわけだが,書き手が無責任なことを言うと,短篇小説の楽しみは,書いていて何が生まれるのかはっきりしない,そのへんにあるような気もする。
……

解説 尾崎秀樹
……

時代の流れの中で,人間の考え方,生き方は変化を強いられ,大きく変ったかに見えるが,人間の内部,本音においては,むしろ何も変っていないというのが真相だろうと彼は言い,つぎのように書いていた。
「どんな時代にも,親は子を気づかわざるを得ないし,男女は相ひかれる。景気がいい隣人に対する嫉妬は昔もいまもあるし,無理解な上役に対する憎しみは,江戸城中でもあったことである。
小説を書くということはこういう人間の根底にあるものに問いかけ,人間とはこういうものかと,仮りに答を出す作業であろう。時代小説で,今日的状況をすべて掬い上げることは無理だが,そういう小説本来のはたらきという点では,現代小説を書く場合と少しも変るところがない,と私は考えている」
……


密謀(上下)
よろずや平四郎活人剣(上下)
花のあと
決闘の辻
本所しぐれ町物語
潮田伝五郎置文
麦屋町昼下がり
玄鳥
天保悪党伝
秘太刀馬の骨
夜消える
漆の実のみのる国
  静かな木
早春
日暮れ竹河岸
時雨みち
霜の朝
龍を見た男

※※ 雲奔る 小説・雲井龍雄』 (「檻車墨河を渡る」を改題)
裏表紙 あらすじ
米沢藩士,雲井龍雄は大志を抱き江戸へ出て三計塾きっての俊才とよばれるようになる。幕末の狂乱に翻弄されつつも藩のため東奔西走し,探索方として活躍。しかし,薩摩の一方的な会津鎮撫に激しく憤り「討薩の檄」を飛ばし奔走するのだが 。悲劇の志士として二十七歳の短くも激しい生を閉じた龍雄の生涯を描く傑作長篇!

文中抜粋
…… ……
だが,事態は急迫していた。
…… ……
……,広沢は狼狽していた。
龍雄は,さきに宮嶋と謀って,太政官に建白書を提出している。広沢が周旋した。
……
……広沢は建白書を周旋し,積極的に新政府内に働きかけると約東していた。広沢は新政府の中で,長州藩を代表する下参与の地位にいた。
建白書が,抵坑なしにそのまま受け入れられるとは,宮嶋も龍雄も考えていない。だが広尺の手を経て政府部内に堤出され,審議の手続きを踏む間,建白書は会津征討の進捗を牽制する手として働く。その間に和平の動きが具体化すれば,それは武力で奥羽鎮撫を果たそうとする,薩摩の意図に痛撃を加えることになる,と思っていた。
……
……

『喜多川歌麿女絵草紙』
『一茶』
三屋清左衛門残日録
橋ものがたり

用心棒日月抄シリーズ
凶刃
刺客

隠し剣シリーズ
隠し剣孤影抄』 (短篇集 「隠し剣鬼ノ爪」 「暗殺剣虎ノ眼」 他六篇)
隠し剣秋風抄

よろずや平四郎活人剣シリーズ
孤剣

神谷玄次郎捕物控
霧の果て(上下)

獄医立花登手控えシリーズ
春秋の檻
風雪の檻
愛憎の檻
人間の檻

彫師伊之助捕物覚えシリーズ
風の果て
漆黒の霧の中で
ささやく河
消えた女

無用の隠密』  (未刊行初期短篇十五篇  「無用の隠密」 「上意打」 「浮世絵師」 他)

映像・TVドラマ化 多数










































































葉室麟 はむろ りん

福岡県北九州市小倉出身 西南学院大学文学部外国語学科フランス語専攻卒業
1951年1月25日生まれ 2017年12月23日逝去 享年66歳
(久留米市を拠点に、敗者や弱者の視点を大切にした歴史時代小説を生み出した。)

『乾山晩愁』 第29回歴史文学賞 (デビュー作)
銀漢の賦』 第14回松本清張賞受賞
『いのちなりけり』 第140回直木賞候補
秋月記』 第22回山本周五郎賞候補、第141回直木賞候補
花や散るらん』 第142回直木賞候補
『恋しぐれ』 第145回直木賞候補
蜩ノ記』 第146回直木賞受賞 (映画化)
鬼神の如く 黒田叛臣伝』 第20回司馬遼太郎賞受賞

潮鳴り』 (豊後・羽根藩を舞台の第2弾)
『さわらびの請』
『散り椿』(映画化)
『春風伝』
『喜連川の風』
『川あかり』
『橘花抄』






山本周五郎   やまもと しゅうごろう

山梨県大月市出身 横浜市立尋常西前小学校
1903年6月22日生まれ 1967年2月14日逝去 享年64歳

七日七夜
あとのない仮名
城中の霜』 (短篇集「日日平安」に所収)
釣忍
武家草鞋
雨あがる
こんち午の日
なんの花か薫る
金五十両
あんちゃん』 (
いさましい話」,他)
長屋天一坊
松の花
松風の門
『樅ノ木は残った』
『赤ひげ診療譚』
『青べか物語』
『季節のない街』
『さぶ』
『ながい坂』
『須磨寺附近』 (デビュー作)

映画化,TVドラマ化多数






伊藤桂一  いとう けいいち

三重県出身 旧制世田谷中学卒業
1917年8月23日生まれ 2016年10月29日逝去 享年99歳

蛍の河』 第46回直木賞受賞
(苛烈な戦場での日々に,死を凝視しつつ,なお友情,青春が息づく,その刻々を淡々と描いた, .....)

『夏の鶯』千葉亀雄賞受賞
(朝鮮人慰安婦十数人のいる慰安所が表現された。 
.....

『連翹の帯』(詩集) 第22回地球賞受賞
『ある年の年頭の所感』(詩集) 第2回三好達治賞受賞

静かなノモンハン』第34回芸術選奨文部大臣賞および第18回吉川英治文学賞受賞 (襲いかかる大戦車群に,徒手空拳の軽装備で対し,水さえない砂また砂の戦場に斃れた死者8千余。生還した3人の体験談をもとに戦場の実状と兵士達の生理と心理を克明に記録, .....)

芸術選奨文部大臣賞、吉川英治文学賞受賞

竹の思想
秘剣やませみ
花ざかりの渡し船』 (連作短篇集 「鬼怒のせせらぎ」,他)
『水の天女』
風車の浜吉・捕物綴
『月下の剣法者』

『遥かなインパール』
(風化してゆく戦争の現実と、激戦地におかれた兵士たちの人間的真実を描きとどめた入魂の戦場小説。 太平洋戦争末期、劣勢の戦局を挽回
.....

悲しき戦記』 (映画化 : 「血と砂」)
(昭和20年の北支戦線を舞台に,三船演じる曹長と13人の少年軍楽隊員と慰安婦の交流,そして少年たちの壮絶な戦いが描かれる。
.....






村上元三  むらかみ げんぞう

東京都出身(日本統治下朝鮮 江原道元山 生まれ)  青山学院中等部卒業
1910年3月14日生まれ 2006年4月3日逝去 享年96歳

上総風土記』 直木賞受賞

蓮華草』 短篇集 泉岳寺の白明」,他
『源義経』 (NHK大河ドラマ化)
『佐々木小次郎』
『武悪』
『次郎長三国志』
『松平長七郎旅日記』
『田沼意次』
『葵の若さま捕物帳 松平長七郎江戸日記』
『平賀源内』
『加賀騒動』
『捕物そば屋』
『加田三七捕物帳』
骨折り和助 ( アンソロジー『世話焼き長屋に所収,他)
『利根の川霧』 (デビュー作)

映画化
次郎長三国志 甲州路殴り込み, 疾風からす隊,忠臣蔵 花の巻・雪の巻,浪人街






武川佑 たけかわ ゆう

神奈川県出身 立教大学文学研究科博士課程前期課程修了(ドイツ文学専攻)
昭和五十六年生れ

『鬼惑い』 第一回決戦!小説大賞奨励賞受賞
『虎の牙』 第七回歴史時代作家クラブ賞新人賞受賞

『千里をゆけ くじ引き将軍と隻腕女』
『落梅の賦』
千年の松』 (短篇)






高橋 義夫 たかはし よしお

千葉県出身 早稲田大学文学部仏文学科卒業
1945年生れ

狼奉行』 第106回直木賞受賞

北の武士たち・狼奉行 傑作時代小説集』 (短篇二篇  山形在住の直木賞作家が,北の武士の哀楽を活写する短篇集。書き下ろし二篇を収録した,文庫オリジナル編集。)
(「赤い米」 : 自害の恐れがある代官の嫡男・孫四郎を預かった左金吾。盗賊の討伐に向かう夜,孫四郎が姿を消し… / 直木賞受賞作「狼奉行」 : 羽州上山藩の僻地に赴任した靱負は,病を運ぶ狼と藩の陰謀に立ち向かう。)

幻の明治維新 やさしき志士の群』 (デビュー作)
『闇の葬列』 (直木賞候補)
『秘宝月山丸』 (直木賞候補)
『北緯50度に消ゆ』 (直木賞候補)
『風吹峠』 (直木賞候補)
『御隠居忍法』
『鬼悠市風信帳』
『花輪大八』
苦界  野ざらし仙次』 (アンソロジー『時代小説
 読切御免第三巻に所収,他)
『武器商人』
『花影の刺客』
『吹きだまり陣屋』
『五稜郭の兄弟』
『大江戸あぶれ者』
『浄瑠璃坂の仇討ち』
『決闘・閻魔ケ辻』
『密命』






渡辺淳一 わたなベ じゆんいち

北海道出身 札幌医科大学医学部卒業
1933年生まれ  2014年4月30日逝去 享年80歳
整形外科医

『死化粧』 第12回新潮同人雑誌賞受賞
光と影』 直木賞
遠き落日』 吉川英治文学賞受賞
『長崎ロシァ遊女館』 吉川英治文学賞受賞
『静寂の声 ― 乃木希典夫人の生涯』 第48回文藝春秋読者賞受賞
菊池寛賞受賞
『天上紅蓮』 第72回文藝春秋読者賞受賞

花埋み
かさぶた宗建』 (短篇 アンソロジーいのちを守る』 医療時代小説傑作選に所収,他






鎌田樹 かまだ いつき

宮城県出身 東北大学文学部卒業
1960年生まれ
活躍を期待されている気鋭作家のひとり

朝顔ざむらい』デビュー作品
末期の夢』 (アンソロジー『花と剣と侍』に所収,他)

『神田ひぐらし堂事件草紙』シリーズ
狐舞い
秘剣彩雲
夫婦桜

吉原雨情 竹光ざむらい江戸日記
妻を娶らば お記録本屋事件
三十年目の祝言 お記録本屋事件
父子時雨






野村敏雄 のむら としお

東京出身 明治学院大学英文科卒業
1926年生まれ 2009年逝去 享年83歳

『老眼鏡と土性骨』第34回直木賞候補
『安永三年の絵師』サンケイ児童出版文化賞受賞
第36回長谷川伸賞受賞

人間の情景』 (短篇 アンソロジー『花と剣と侍』に所収,他野村敏雄『歴史街道』五篇に所収)
『城』
『新宿裏町三代記』
『葬送屋菊太郎』新宿史記別伝
最後の幕臣』小説大久保一翁
伊庭八郎 遊撃隊隊長』 戊辰戦争に散った伝説の剣士
『昭和遊侠伝』
『女犯地獄』

映画化
さすらいの賭博師
日本暴力団
殺しの盃
黒いダイスが俺を呼ぶ






武田八洲満 たけだ やすみ

宮城県出身 東京商科大学専門部(現・一橋大学)中退
1927年生まれ 1986年逝去 享年59歳

大事』第22回オール讃物新人賞受賞
『紀伊国屋文左衛門』第64回直木賞候補
『信虎』直木賞候補
炎の旅路』直木賞候補
生麦一条』直木賞候補

五人の武士』 (アンソロジー『花と剣と侍』に所収,他)
マリア・ルス事件』大江卓と奴隷解放
吉田松陰 その人と生涯
箱館戦争






今井絵美子 いまい えみこ

広島県出身 成城大学文芸学部卒業
1945年7月2日生まれ 2017年10月8日逝去 享年72歳

※※小日向源伍の終わらない夏』 第10回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞受賞

立場茶屋おりきシリーズ 第4回歴史時代作家クラブ賞(シリーズ賞)受賞
『さくら舞う』

群青のとき』 (安倍正弘を描いた長編書き下ろし) 第21回中山義秀文学賞候補作
『もぐら』 第16回大阪女性文芸賞佳作
『母の背中』 第34回北日本文学賞選奨
『蘇鉄のひと 玉蘊』デビュー作 第2回中・近世文学大賞最終候補作(「蘇鉄のひと 玉蘊」を改題)

※※便り屋お葉日月抄シリーズ (市井人情もの)
『夢おくり』

髪ゆい猫字屋繁盛記』シリーズ
『照降町自身番書役日誌』シリーズ (市井人情もの)
『すこくろ幽斎診療記』シリーズ
『夢草紙人情おかんヶ茶屋』シリーズ
『出入師夢之丞覚書』シリーズ
『夢草紙人情ひぐらし店』シリーズ
綺良のさくら
待宵びと』 ( アンソロジー『哀歌の雨』に所収,他)
『鷺の墓』
『雀のお宿』
『花あらし』
『儚月』
『美作の風』
『夢の夢こそ』
『いつもおまえが傍にいた』
『ぶぶ漬屋稲茶にございます』







横溝正史 よこみぞ せいし

兵庫県神戸市出身 大阪薬学専門学校卒業(大阪大学薬学部の前身校)
1902年生まれ 1981年逝去 享年79歳
(ジャンル 推理小説)

探偵作家クラブ賞長編賞受賞


以下,人形佐七捕物帳シリーズ,他

捕物篇1 『幽霊山伏』 (人形佐七捕物帳)
捕物篇2 『江戸名所図絵』 (佐七親分の活躍や如何に…)
捕物篇3 『奇傑左一平』(人形佐七以外のヒーローが活躍する作品を厳選収録! 十三篇)
夢の浮橋』 (人形佐七捕物帳,アンソロジー『夏しぐれ』に所収,他) )
『大江戸歳時記 捕物帳傑作選 秋の巻』
『不知火捕物双紙』
『屠蘇機嫌女夫捕物』 (『江戸捕物帖』収録)
『謎坊主』 (『大家花形全部傑作捕物帖』収録)
『好色頭巾』 (『好色頭巾 時代小説新作全集第5号』)
『左一平捕物帳 髑髏検校』
『左近捕物帳』
『紫甚左捕り物帳』
『左門捕物帳』 (水芸三姉妹)

『お役者文七捕物暦』 (「蜘蛛の巣屋敷」)


以下,時代小説

変化獅子』 「横溝正史時代小説コレクション 伝奇篇1」 (知られざる横溝正史幻の時代小説集。漂流する囚人筏から救出された謎の美少年を巡って勃発するお家騒動を描く長篇「変化獅子」,戦国武士の奇譚を綴る連作「矢柄頓兵衛戦場噺」を収録する。)

菊水江戸日記』 「横溝正史時代小説コレクション2」 (江戸城秘図の争奪戦、西郷隆盛の密書,謎の密偵・狐―。幕末動乱期に起こるいくつもの謎の事件と好漢・菊水兵馬の活躍を描く伝奇時代ミステリー。)

菊水兵談』 (幕末の動乱期を背景に活躍する好漢・菊水兵馬を中心にさまざまな人物が入り乱れて展開する大河ミステリー!)
 
不知火奉行

羽子板娘


以下,収録 / 所収元不明


『清姫の帯』
『振袖幻之丞』
『お高祖頭巾の女』
『舟幽霊』
『神隠しにあった女』
『地獄の花嫁』
『生きてゐる自来也』
『三人色若衆』
『女祈祷師』
『雪女郎』
『京人形の怪』
『十二匹の狐』
『春姿七福神』





その他

『蝶々殺人事件』
『獄門島』 『八つ墓村』 『犬神家の一族』 『本陣殺人事件』 『悪魔が来りて笛を吹く』 『悪魔の手毬唄』
『恐ろしき四月馬鹿』




















 






















坂岡真 さかおか しん

新潟県出身 早稲田大学卒業
1961年生まれ (年齢 60歳)
デヴェロッパー企業で11年働き、退社後、作家となり、時代考証の詳しい時代小説を書く。

路傍に死す 冬の蝉』 (短篇集 「流灌頂」,他五篇)
『修羅道中悪人狩り』 (書下ろし)

のうらく侍御用箱』 シリーズ
のうらく侍』 (書下ろし)
『百石手鼻』 (書下ろし) のうらく侍御用箱A
『恨み骨髄』 のうらく侍御用箱B
『火中の栗』 のうらく侍御用箱C
『地獄で仏』 のうらく侍御用箱D


『ぐずろ兵衛うにゃ桜』 シリーズ
春雷
『黒揚羽』
『忘れ文』

『夜鷹人情剣』 シリーズ

『鬼役 矢背蔵人介』 シリーズ
  『影聞き浮世雲』 シリーズ

『鬼役』シリーズ
跡目』 シリーズ18

照れ降れ長屋風聞帖

うぽっぽ同心十手綴り』 シリーズ
闇同心そぼろ

あっぱれ毬谷慎十郎』 シリーズ

『ひなげし雨竜剣』 シリーズ
『帳尻屋始末』 シリーズ
『賞金首 夜鷹屋人情剣』
『死ぬがよく候』 シリーズ
多生の縁』 (アンソロジー『楽土の虹』に所収,他)



























南原幹雄  なんばら みきお

東京府東京市世田谷区出身 早稲田大学政治経済学部卒
1938年3月23日生まれ  作家・南条三郎の子

『女絵地獄』 第21回小説現代新人賞受賞
闇と影の百年戦争』 第2回吉川英治文学新人賞
『銭五の海』 第17回日本文芸大賞受賞

暗殺者の神話
『鴻池一族の野望』
『北の黙示録』
『謎の団十郎』 (短篇集
初代
団十郎暗殺事件」(アンソロジー『江戸夢あかり』にも所収),「北国五色墨」,他)
秘伝毒の華』 (短篇集 「闇の張形師」,「俺は蔵宿師」,「秘伝毒の華」,「秘戯図を彫る女」,他)

付き馬屋おえん事件帳』 (短篇集 爪の代金五十両」(アンソロジー『時代小説 読切御免第一巻』に所収),他)
札差平十郎』 (短篇集 「蔵宿師」,他八篇)
留場の五郎次
血汐首 芹沢鴨の女
決闘小栗坂』 (短篇 / アンソロジー『時代小説 読切御免第一巻』に所収,他)
『新選組情婦伝』 連作集「女間者おつな 山南敬助の女」,他)
死絵六枚揃
『百万石太平記』
『謀将 山本勘助』
『天皇家の忍者(しのび)』
『芝居茶屋弁之助』
『徳川四天王』






松本清朝  まつもと せいちょう

福岡県出身 板櫃尋常高等小学校卒業
1909年12月21日生まれ 1992年8月4日逝去 享年83歳

『西郷札』 週刊朝日の「百万人の小説」の三等に入選
『或る「小倉日記」伝』 第28回芥川賞受賞 (選考委員の1人であった坂口安吾から激賞される)
『啾啾吟』 第1回オール新人杯佳作
昭和史発掘』(1971年) 第1回吉川英治文学賞受賞/菊池寛賞受賞 (二・二六事件に至る昭和初期の諸事件を、関係者への取材や史料に基づいて描いた。『昭和史発掘』連載中には、右翼の大物からの抗議もあった。呼びつけられたが、根拠を示して説明すると解放してくれたという。)

町の島帰り
背伸び
左の腕』 (アンソロジー『親不孝長屋』に所収,他)
ある寺社奉行の死
(アンソロジー『動乱!江戸城に所収,他)
甲府在番
(アンソロジー『冬ごもり』に所収,他)
三人の留守居役
『くるま宿』
『秀頼走路』
  『五十四万石の嘘』
『無宿人別帳』
幕末の動乱
『かげろう絵図』

『天保図録』
『彩色江戸切絵図』
『紅刷り江戸噂』
『日本の黒い霧』
『江戸綺談 甲州霊嶽党』
『古代史疑』
『火の路』
『火の虚舟』 (中江兆民を論じた小説)
『象徴の設計』 (山縣有朋を素材とする小説)
『史観・宰相論』 (大久保利通から吉田茂・鳩山一郎などを経て1980年に至る宰相論)
奥羽の二人
役者絵
腹中の敵

映画化多数



























結束信二  けっそく しんじ

職業:脚本家  ジャンル:テレビドラマ、映画

東京市淀橋区生まれ
1926年8月6日生まれ 1987年5月30日逝去 享年61歳

慶応四年新選組』 (傑作テレビドラマ「新選組血風録」「燃えよ剣」の脚本家が遺した幻の長編小説。あの感動が、激動の九ケ月を真摯にみつめる、誠実な筆致の中に今、再び蘇る。)
新選組血風録






安住洋子 あずみ ようこ

兵庫県出身大阪府枚方市育ち 大阪信愛女学院短期大学卒業
1958年生まれ

しずり雪』 長塚節文学賞短篇小説部門大賞受賞  中短篇集
春告げ坂 小石川診療記』 第18回中山義秀文学賞候補  短篇集 「桜の風」他

『沙の波』
『夜半の椅羅星』
『日無坂』
『いさご波』
『遥かなる城沼』
『み仏のかんばせ』






川田弥一郎 かわだ やいちろう
三重県出身 名古屋大学医学部卒業 外科医として勤務
1948年生まれ

『白く長い廊下』江戸川乱歩賞受賞
『江戸の検屍官』シリーズ(高瀬理恵の作画で漫画化)
江戸の検屍官 北町同心謎解き控』 短篇集 「雪の足跡」他

『白い狂気の島』
『最後の審判』
『赤い病院の惨劇』
『闇医おげん謎解き秘帖』
『死の人工呼吸』
『ローマを殺した刺客』
『銀簪の翳り』
『平安京の検屍官』
『宋の検屍官』
『黒い嵐の惨劇』






梶よう子 かじ ようこ

東京都出身 女子美術短期大学卒業
1961年生まれ

『い草の花』 九州さが大衆文学賞受賞
『一朝の夢』 松本清張賞受賞
『ヨイ豊』 歴史時代作家クラブ賞作品賞受賞 第154回直木三十五賞候補

『立身いたしたく候』
『ことり屋おけい探鳥双紙』
『葵の月』
『北斎まんだら』
『菊花の仇討ち』
『みとや・お瑛仕入帖』

『御薬園同心水上草介』 シリーズ
『柿のへた 御薬園同心水上草介』 (「二輪草」(アンソロジー『おやこ
にも所収),他)
『桃のひこばえ 御薬園同心水上草介』






天野純希 あまの すみき

愛知県出身 愛知大学文学部史学科卒業
1979年9月19日生まれ (年齢 41歳)

『桃山ビート・トライブ』 第ニ十回小説すばる新人賞受賞
『破天の剣』 第十九回中山義秀文学賞受賞

幕末!疾風伝
『信長嫌い』
直隆の武辺』 (短篇 / アンソロジー『時代小説 ザ・ベスト2016に所収,他)
死にぞこないの剣』 (短篇 / アンソロジー『決戦!新選組に所収,他)
鬼の血統』 (アンソロジー『時代小説 ザ・ベスト2018
に所収,他)






有明夏夫 ありあけ なつお

大阪府出身 同志社大学工学部中退
1936年5月11日 - 2002年12月17日

『 FL無宿のテーマ』小説現代新人賞、及び直木賞候補
『大浪花諸人往来』第80直木賞受賞  (明治維新の大阪を舞台に、町の治安を守る旧幕の親分の活躍を描く浪花版捕物帳。 NHKドラマ『なにわの源蔵事件帳』の原作となった。)

『大浪花諸人往来』シリーズ 『大浪花諸人往来 耳なし源蔵召捕記事(西郷はんの写真)






船戸与一 ふなど よいち

山口県出身 早稲田大学法学部卒業
1944年生まれ

『山猫の夏』 吉川英治文学新人賞、日本冒険小説協会大賞受賞
『伝説なき地』 日本推理作家協会賞受賞
『砂のクロニクル』 上・下巻 山本周五郎賞受賞
『虹の谷の五月』 直木賞受賞

蝦夷地別件』 上・中・下巻
『流沙の塔』 上・下巻
『三都物語』
夜叉鴉』 (短篇 / アンソロジー『時代小説 読切御免第一巻』に所収,他)






逢坂剛 おうさか ごう

東京都出身 中央大学法学部卒業
1943年生れ

『暗殺者グラナダに死す』 オール讃物推理小説新人賞受賞
『カディスの赤い星』 直木賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会犬賞受賞

『百舌の叫ぶ夜』
『さまよえる脳髄』
『幻の祭典』
『熱き血の誇り』上・下巻
『燃える唇気楼』
五輪くだき』(アンソロジー『時代小説 読切御免第二巻』所収)






辻堂魁 つじどう かい

高知県出身 早稲田大学文学部卒業
1948年生まれ

『風の市兵衛』 第5回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞受賞

※※ 風の市兵衛』 (風の市兵衛シリーズ第一作 書下ろし)
・・・・・・「己が算盤をはじいて稼ぎを手にしたとき、己が耕した土地に実った白い米を食ったとき、己が醸し手をかけた酒を呑んだとき、己が世間に生きてあることの喜びを知りました。その喜びを言葉にすると、生きる意味になりました」・・・・・・

雷神』  風の市兵衛A
帰り船』  風の市兵衛B
月夜行』  風の市兵衛C
天空の鷹』  風の市兵衛D
※※ 風立ちぬ(上)』  風の市兵衛E
※※ 風立ちぬ(下)』  風の市兵衛F
五分の魂』  風の市兵衛G
風塵(上)』  風の市兵衛H
風塵(下)』  風の市兵衛I
春雷抄』  風の市兵衛J
乱雲の城』  風の市兵衛K
遠雷』  風の市兵衛L
科野秘帖』  風の市兵衛M
タ影』  風の市兵衛N
秋しぐれ』  風の市兵衛O
うつけ者の値打ち』  風の市兵衛P
待つ春や』  風の市兵衛Q
遠き潮騒』  風の市兵衛R
架け橋』  風の市兵衛S
暁天の志』  風の市兵衛 弐21
修羅の契り』  風の市兵衛 弐22
銀花』  風の市兵衛 弐23
縁の川』  風の市兵衛 弐24
天満橋まで』  風の市兵衛 弐25
希みの文』  風の市兵衛 弐26
残照の剣』  風の市兵衛 弐27

※※ 介錯人別所龍玄始末』 (著者初の単行本)
全四話 「龍玄さん」,「一期一会」,「悲悲
・・・・・・」,「雨垂れ」

冥途の別れ橋
親子坂


『読売屋 天一郎』シリーズ
読売屋 天一郎」,他

『刃鉄の人』シリーズ
刃鉄の人
※※ 不義 刃鉄の人』 (武士の矜持を描くシリーズ第2弾)
 

鬼しぶ事件帖』 (アンソロジー『楽土の虹に所収,他)
  『冬のやんま』
『倅の了見』
『向島綺譚』
『笑う鬼』
『千金の街』


『夜叉萬同心』シリーズ
夜叉萬同心 冬かげろう』 デビュー作
冥途の別れ橋
『親子坂』
『藍より出でて』
もどり途』 (文庫書書下ろし)
『本所の女』 (文庫書書下ろし)

『仕舞屋侍』シリーズ
青紬の女

『夏の雁』

『疾風の義賊』シリーズ
『疾風の義賊』
『双星の剣』
『叛き者』 疾風の義賊2
『乱雨の如く』 疾風の義賊3

『吟味方与力人情控』シリーズ
『花の嵐』
『おくれ髪』

『日暮し同心始末帖』シリーズ
はぐれ鳥』@
花ふぶき』A
冬の風鈴』B
『天地の蛍』C
逃れ道』D
『縁切り坂』E
子の峠』F

『花川戸町自身番日記』シリーズ
女房を娶らば
『神の子』

『疾風の義賊』シリーズ

『天神小五郎 人情剣』シリーズ
天神小五郎 人情剣
酔い待ち草

 『悲悲……』 (アンソロジー『大江戸「町」物語 光
に所収,他)













 











































白石一郎   しらいし いちろう

海洋時代小説の第一人者として知られる。

韓国 釜山広域市出身 早稲田大学政治経済学部卒業
1931年11月9日生まれ 2004年9月20日逝去

『臆病武者』 地方新聞の懸賞に一席入選
島原大変』 第6回直木賞候補  (短篇集 島原大変 / 凡将譚 / 他二篇)
孤島の騎士』 直木賞候補 (選考委員 海音寺潮五郎 激賞)
雑兵』 第10回講談倶楽部賞受賞
海狼伝』 第97回直木賞受賞 (海洋冒険小説)
『戦鬼たちの海 織田水軍の将・九鬼嘉隆』 第5回柴田錬三郎賞受賞
『怒濤のごとく』上・下巻 第33回吉川英治文学賞受賞

夫婦刺客』 (中短篇集 三河武士道 「講談倶楽部」に所収 / てれん(街商) 「カッパまがじん」に所収 / 夫婦刺客 「別冊読切雑誌」に所収 / 他四篇  解説 磯貝勝太朗

『黒い炎の戦士』 (長編伝奇小説)
『天翔ける人』 (歴史経済小説)
『秘剣』 (士道小説 七篇)
切 腹』 (短篇集)
風雲児』上・下巻
『怒清のごとく』上・下巻
航海者 三浦按針の生涯』上・下巻
『ぎやまん波止場−若杉清吉捕物控』 (連作吉捕小説)
横浜異人街事件帖』 シリーズ
『生きのびる』 (横浜異人街事件帖シリーズ)
『十時半睡事件帖』 シリーズ
『異人館』

  『十時半睡事件帖』 (市井小説)
『オランダの星』
『蒙古の槍 孤島物語』
『海王伝』
『海

『海峡の使者』
『投げ銛千吉廻船帖』
『玄界灘』
『一炊の夢』
『幻島記』
『サムライの海』
『海賊たちの城』
『長崎ぎやまん波止場 若杉清吉捕物控』
『蒙古の槍』『戦国武将伝 リーダーたちの戦略と決断』
































菊池寛  きくち かん

小説家、劇作家、ジャーナリスト。文藝春秋社(現在は株式会社文藝春秋)を創設した実業家でもある。

香川県出身 京都大学卒業
1888年 12月 26日生まれ 1948年 3月 6日逝去 享年59歳

忠直卿行状記』 (参考異聞小説:海音寺潮五郎著忠直卿行状記」 (「豪傑組 歴史小説傑作集」に
所収) )
入れ札
(アンソロジー『人生を変えた時代小説傑作選』に所収,他)
敵討順逆かまわず』 (講談社「大衆文学大系7 … 菊池寛 … 集」に
所収 / アンソロジー『志に死す』に所収)
『仇討小説全集』 (短篇集 吉良上野の立場」, アンソロジー『
七つの忠臣蔵(短篇 / アンソロジー『動乱!江戸城に所収,他)
『父帰る』(戯曲)

恩讐の彼方に
藤十郎の恋

『真珠夫人』






白井喬二  しらい きょうじ


横浜市出身 日本大学卒業
1889年(明治22年)生まれ 1980年逝去


芍薬奇人
(アンソロジー『江戸夢あかり』に所収,他)
富士に立つ影
新撰組
盤嶽の一生』 (映像化)
怪建築十二段返し
『神変呉越草紙』
『金色奉行  続篇』
『東遊記』
『新撰組(上)』
『翡翠侍』
壮烈新選組 幕末の動乱』 (映像化)
盤嶽江戸へ行く』 (映像化)






火坂雅志  ひさか まさし

新1956年生まれ潟県出身 早稲田大学卒業

老 将(アンソロジー『感涙』に所収,他)
『花月秘拳行』 (デビュー作)
石鹸
桂龍
壮心の夢
常在戦場
『新撰組魔道剣』 (連作集 「石段下の闇」,他)






童門冬二  どうもん ふゆじ

東京府出身 東海大学附属旧制中学卒業
1927年10月19日 (年齢 93歳)

デビュー作
太田久行名義: 『旅がらす大名』(1958年)
童門冬二名義: 『暗い川が手を叩く』(1960年) 第43回芥川賞候補

上杉鷹山』 (ベストセラーとなる)
学者商人と娘仕事人 (アンソロジー『江戸の商人力に所収,他)
『情の管理・知の管理』
『吉田松陰』
『前田利家』






田中英光  たなか ひでみつ


東京都出身 早大政経学部卒業
大正2年1月10日〜昭和24年11月3日

桑名古庵』 (アンソロジー『歴史小説の世紀  天の巻』に所収,他)
『オリンポスの果実』
空吹く風』『地下室から』






山手樹一郎  やまて きいちろう

栃木県出身 明治中学校卒業
1899年(明治32年)生まれ 1978年逝去

崋山と長英』 第4回野間文芸奨励賞受賞

尺八乞食』 (週刊朝日別冊)
(アンソロジー『江戸の商人力に所収,他)
浪人まつり (アンソロジー『素浪人横丁に所収,他)
うどん屋剣法






杉本章子  すぎもと あきこ

福岡県出身 ノートルダム清心女子大学文学部国文学科(現・日本語日本文学科)卒卒業  金城学院大学大学院修士課程修了
1953年5月28日生まれ 2015年12月4日逝去 享年62歳

『男の軌跡』 第4回歴史文学賞文学佳作入賞
東京新大橋雨中図』 第100回直木三十五賞受賞
『おすず』 (「信太郎人情始末帖」シリーズ第1作) 平成14年度中山義秀文学賞受賞

「信太郎人情始末帖
」 シリーズ
水雷屯 (アンソロジー『撫子が斬る』に所収,他)
きずな

『狐釣り』
『火喰鳥』

  起き姫 口入れ屋のおんな
はやり正月の心中 (アンソロジー『吉原花魁』に所収,他)

『お狂言師歌吉うきよ暦』
春告鳥』 (短篇集)
間諜 洋妾おむら』 上・下巻
残映
『写楽まぼろし』



















井川香四郎   いかわ こうしろう

愛媛県出身 中央大学卒業
1957年生まれ (年齢 64歳)

露の五郎兵衛』 小説CLUB新人賞受賞


てっぺん 幕末繁盛記
刀剣目利き神楽坂咲花堂』 シリーズ (鬼心の一刀,…他)
『新・神楽坂咲花堂』 シリーズ

『くらがり同心裁許帳』 シリーズ
『おっとり聖四郎事件控え』 シリーズ
『ふろしき同心御用帳』 シリーズ
『金四郎はぐれ行状記』 シリーズ

船手奉行うたかた日記』 シリーズ

『梟与力吟味帳』 シリーズ
『あばれ旗本八代目』 シリーズ

洗い屋十兵衛江戸日和』 シリーズ

『とっくり官兵衛酔夢剣』 シリーズ
『成駒の銀蔵捕物帳』
『ほろり人情浮世橋』
『それぞれの忠臣蔵』

藁屋の歌
(アンソロジー『欣喜の風』に所収,他)






小杉健治   こすぎ けんじ

東京都出身 東京都立葛飾野高等学校を経て、コンピュータ専門学校卒業後、プログラマーとなり18年間勤務。
1947年3月20日生まれ (年齢 73歳)

『牧原博士、最後の鑑定書』 第21回オール讀物推理小説新人賞候補
『原島弁護士の処置』(のちに「原島弁護士の愛と趨しみ」と改題)第22回オール讀物推理小説新人賞受賞
『赤い証言』 第40回日本推理作家協会 短篇および連作短篇集部門候補

』 第41回日本推理作家協会賞受賞  第98回直木三十五賞候補

『土俵を走る殺意』 吉川英治文学新人賞受賞


跡取り (アンソロジー『欣喜の風に所収,他)
奈落―上州無宿半次郎逃亡記
真の雨』 上・下巻
風烈廻り与力・青柳剣一郎』 シリーズ
札差殺し』 シリーズ

『向島物語』
『元禄町人武士』(のちに「大江戸人情絵巻 御家人月十郎」と改題)
『江戸の哀花』
『七人の岡っ引き』
『隅田川浮世桜』
『烈火の裁き』
『掟破り』
『敵討ち』
『武士の矜持』
八丁堀の刃』 (アンソロジー『大江戸「町」物語
に所収,他)

テレビ映像化多数






佐々木裕一   ささき ゆういち

広島県出身 高校卒業

1967年生まれ (年齢 54歳)

鬼の目にも泪 名奉行金太郎捕物帳』 競作時代アンソロジー「欣喜の風」に所収
公家武者 松平信平』 シリーズ
『狐のちょうちん』
『もののけ侍伝々』
『春風同心家族日記』
『旗本ぶらぶら男夜霧丘馬』
『あきんど百諏』
隠れ御庭番』 シリーズ
龍眼
『ネオ・ワールドウォー』 デビュー作






船山馨   ふなやま かおる

北海道札幌市出身 早稲田高等学院に入学するも、1学期で退学。1934年に明治大学予科に入学し、1937年に商学部の1年のときに退学。
1914年3月31日生まれ 1981年8月5日逝去 享年67歳

『石狩平野』 第14回小説新潮賞受賞
『茜いろの坂』 第15回吉川英治文学賞受賞

『私の絵本』 第2回同人雑誌推薦作候補となる
『北国物語』 第14回芥川賞候補作となる
『三月堂』 第15回芥川賞候補作となる
『笛』『塔』 第5回野間文芸賞奨励賞を受賞する

薄野心中』 (新撰組最後の人) 明治4年9月(1871年)

映像化多数
『悪徳』/『地図のない町』(「悪徳」所収の「殺意の影」)/『お登勢』/『石狩平野(ドラマ)』/『見知らぬ橋』/『放浪家族』/『茜色の坂』(原作「茜いろの坂」)/『北の零年』






岩井三四二   いわい みよじ


岐阜県出身 一橋大学卒業
1958年8月25日生まれ

『一所懸命』 第64回小説現代新人賞
『簒奪者』 第5回歴史群像大賞
『月ノ浦惣庄公事置書』 第10回松本清張賞
『村を助くは誰ぞ』 第28回歴史文学賞
『十楽の夢』 第132回直木賞候補
『清佑、ただいま在庄』 第14回中山義秀文学賞

蛍と呼ぶな (アンソロジー『秋びより』に所収,他)
崖っぷち侍






諸田玲子   もろた れいこ

静岡県静岡市出身 上智大学文学部英文科卒業
1954年3月7日生まれ 66歳
父は詩人の諸田政一

其ノ一日』 第24回吉川英治文学新人賞受賞
奸婦にあらず』 第25回新田次郎文学賞受賞
『四十八人目の忠臣』 第1回歴史時代作家クラブ賞受賞
『今ひとたびの、和泉式部』 第10回親鸞賞受賞

『眩惑』 (デビュー作)
立つ鳥
(アンソロジー『江戸めぐり雨』に所収,他)
べっぴん』 (あくじゃれ瓢六捕物帖)
かってまま』 (短篇七篇かってまま」に所収)
日月めぐる』 (短篇〈連作〉七篇 」…他)
昔日より』 (短篇八篇 ※※似非侍時代小説アンソロジー「夏しぐれ」にも所収子竜」,打役」,船出」…他)
太鼓橋雪景色
黒船秘恋
花見ぬひまの
悲恋(アンソロジー『悲恋に所収,他)
釜中の魚
美女いくさ
炎天の雪
お順
闇の峠
おんな泉岳寺

山流し,さればこそ
未世炎上
恋ほおずき
狸穴あいあい坂
『誰そ彼れ心中』






松井今朝子   まつい けさこ

京都府出身 早稲田大学−大学院文学研究科演劇学修士課程修了
1953年生まれ 67歳
脚本家、演出家、評論家、直木賞作家

仲蔵狂乱』 時代小説大賞 (テレビドラマ化)
吉原手引草』 第137回直木三十五賞受賞
『仲蔵狂乱』 第8回時代小説大賞受賞
『芙蓉の干城』 第4回渡辺淳一文学賞受賞
『幕末あどれさん』 第20回吉川英治文学新人賞候補
『奴の小万と呼ばれた女』 第22回吉川英治文学新人賞候補
『非道、行ずべからず』 第127回直木三十五賞候補
『一の富』 第23回吉川英治文学新人賞候補
『似せ者』 第128回直木三十五賞候補

『東州しゃらくさし』 (デビュー作)
二枚目  並木拍子朗種取帳
恋じまい
(アンソロジー『吉原花魁に所収,他二枚目  並木拍子朗種取帳に所収
老いの入舞い 麹町常楽庵 月並の記』 (連作短篇集 「老いの入舞い」 「母親気質」 他二篇)
縁は異なもの 麹町常楽庵 月並の記






藤水名子   ふじ みなこ

東京都出身 日本大学文理学部中国文学科中退
1964年6月29日年生まれ 56歳

『涼州賦』 小説すばる新人賞受賞
『秘玉』 第3回朝日新人文学賞の候補作
『赤壁の宴』 第16回吉川英治文学新人賞候補作

宿敵の刃 火盗改「剣組」2
惜別姫 (アンソロジー『撫子が斬る』に所収,他)






隆慶一郎 りゅう けいいちろう

シナリオ作家,小説家
東京市赤坂区出身 東京大学文学部仏文科卒業
1923年9月30日生まれ 1989年11月4日逝去 享年66歳
わずか五年の作家活動で急逝。

日本映画プロデューサー協会賞特別賞受賞
『一夢庵風流記』 第2回柴田錬三郎賞受賞
『にあんちゃん』 シナリオ作家協会賞受賞 (映画化)
『影武者 徳川家康』上・下巻 第8回日本冒険小説協会大賞特別賞受賞
柳生非情剣』 (短篇集 「柳枝の剣」(
アンソロジー「武士道」にも所収),他) 第101回直木賞候補
異説猿ケ辻の変
吉原御免状』 (小説家としてのデビュー) 第95回直木賞候補
氷柱折り
『鬼平犯科帳』 (テレビドラマ化)
『鬼魔斬人剣』
『かくれさと苦界行』
死ぬことと見つけたり』上・下巻
『痴人の愛』

映画化多数






宮本昌孝   みやもと まさたか

静岡県出身 日本大学で芸術学部放送学科卒業
1955年生まれ

『乱丸』 第4回歴史時代作家クラブ作品賞受賞
春風仇討行
剣豪将軍義輝
紅蓮の狼
蘭丸,叛く (アンソロジー『時代小説 読切御免第三巻に所収,他)






木下昌輝   きのした まさき

大阪府出身 近畿大学工学部建築学科卒業
1974年生まれ

『宇喜多の捨て嫁』 第92回オール讀物新人賞受賞
慈母のごとく』(単行本)第152回直木賞候補 (アンソロジー『決戦!新選組に所収,他)
『天下一の軽口男』 第7回大阪ほんま本大賞受賞
『絵金、闇を塗る』 第7回野村胡堂文学賞受賞
『まむし三代記』 第9回日本歴史時代作家協会賞受賞
『人魚ノ肉』 第6回山田風太郎賞候補
『敵の名は、宮本武蔵』 第30回山本周五郎賞候補、第157回直木賞候補、第7回山田風太郎賞候補
『宇喜多の楽土』 第159回直木賞候補
第4回歴史時代作家クラブ賞新人賞受賞
第9回舟橋聖一文学賞受賞
第2回高校生直木賞受賞
咲くやこの花賞(文芸その他部門)受賞
日本歴史時代作家協会賞受賞
中山義秀文学賞受賞
  『兵(つわもの)』武田信玄、織田信長、真田昌幸らを描く連作短篇集
『戦国24時 さいごの刻』豊臣秀頼、伊達政宗、今川義元らを描く短篇集
『戦国十二刻 始まりのとき』竹中半兵衛、島津義弘、土岐頼芸らを描く短篇集
『応仁悪童伝』山名宗全、細川勝元らが激突する応仁の京で生き抜く悪童達を描く
『信長 空白の百三十日』信長公記をヒントに信長の知られざる空白期間を描く
『炯眼に候』

怪僧恵瓊』 (
短篇 / (アンソロジー『時代小説 ザ・ベスト2018所収,他

























蓑輪 諒   みのわ りょう


川中島を、もう一度』 短篇集「戦国番狂わせ七番勝負」に所収







東郷 隆   とうごう りゅう

神奈川県横浜市生まれ 國學院大學経済学部卒業
1951年生まれ

『大砲松』 第15回吉川英治文学新人賞受賞
『狙うて候 銃豪村田経芳の生涯』 第23回新田次郎文学賞受賞
『本朝甲冑奇談』 第6回舟橋聖一文学賞受賞

筋目の関ケ原 (アンソロジー『時代小説 ザ・ベスト2018に所収,他)
黒染 (アンソロジー『時代小説 読切御免第三巻に所収,他)
人造記
修羅の励み






井上友一郎   いのうえ ともいちろう

大阪府出身 早稲田大学仏文科卒業
1909年3月15日生まれ 1997年7月1日 逝去88歳

武田観柳斉』 (アンソロジー『新選組烈士伝』に所収,他)
『森林公園』
『残夢』
『波の上』

映画化作品多数。






三好徹   みよし とおる

東京出身 横浜国立大学卒業
1931年1月7日生まれ 89歳

『風塵地帯』 日本推理作家協会賞受賞
『聖少女』 直木賞受賞

私説・沖田総司』 (アンソロジー『新選組烈士伝に所収,他)
『高杉晋作』
さらば新選組
竜馬暗殺異聞
幕末・明治 陰の主役たち
『侍たちの異郷の夢 幕末長崎物語』
『徳川慶喜』
『幕末水滸伝 剣客たちの青春』
『六月は真紅のバラ』
『政商伝』
他,作品多数






井口朝生   いぐち あさお

東京都出身 日本大学文学部卒業
1925年5月6日生まれ 1999年4月9日逝去 享年74歳
父は時代小説作家の山手樹一郎。弟は国文学者の井口樹生。

『雑兵伝』 第1回日本作家クラブ賞受賞
『すみだ川余情』 第1回日本作家クラブ賞受賞
『青雲乱雲』 第45回直木賞候補

ほくろ供養 (アンソロジー『江戸夢あかり』に所収,他)
『風雲独眼竜』
『抑留記』






吉川英治   よしかわ えいじ

神奈川県横浜市中区出身
1892年8月11日生まれ 1962年9月7日逝去 享年70歳

『新・平家物語』 第1回菊池寛賞受賞/朝日文化賞受賞

大谷刑部
『鳴門秘帖』
『宮本武蔵』
『新書太閤記』
『私『三国志』本太平記』
他作品多数






新田次郎   にった じろう

長野県出身 旧制諏訪中学校(現在の長野県諏訪清陵高等学校)・無線電信講習所本科(現在の電気通信大学の母体)・神田電機学校(現在の東京電機大学の母体)卒業 気象学者
1912年6月6日生まれ 1980年2月15日逝去 享年68歳

強力伝』 直木三十五賞受賞 (サンデー毎日創刊30年記念百万円懸賞小説に応募)
『武田信玄』 吉川英治文学賞受賞
『山犬伝』 サンデー毎日第47回大衆文芸賞を再度、受賞

『八甲田山死の彷徨』
太田道灌の最期(アンソロジー『軍師は死なずに所収,他)
孤高の人
『最後の叛乱』
異人斬り
近藤富士
まぼろしの軍師
『小笠原始末記』
『新田義貞』
『孤愁』
武田三代
『武田勝頼』

映画化
八甲田山、 聖職の碑






森村誠一   もりむら せいいち


埼玉県出身 青山学院大学卒業
1933年1月2日生まれ 87歳

江戸川乱歩賞(1969年)
日本推理作家協会賞(1973年)
吉川英治文学賞(2011年)


新撰組剣客伝

『忠臣蔵』

吉良忠臣蔵(上下)』 (松の廊下刃傷事件の背後には冷酷な罠が張り巡らされていた。事件の陰で暗躍する柳沢吉保、討ち入りに怯える吉良上野介、警護に奔走する家臣団…。悪役だった吉良側から描く「忠臣蔵」ロマン。)

紅毛天狗
虹の生涯
悪道御三家の刺客
悪道
毒の鎖
派遣刺客』 (短篇〈連作〉十四篇)
休眠用心棒
死神の町
 
暗殺請負人シリーズ

刺客往来
刺客街
刺客の花道
刺客長屋

非道人別帳
狩人
地獄坂
邪恋寺
敗者の武士道

『魔剣 士魂の音色』 (短篇集 「剣菓」他)

(…他,現代小説省略)



























柴田錬三郎     しばた れんざぶろう

岡山県出身 慶應義塾大学支那文学科卒業
1917年3月26日 生まれ 1978年6月30日逝去 享年61歳

『イエスの裔』 直木賞受賞
『三国志英雄ここにあり』 吉川英治文学賞受賞

一心不乱物語』 (アンソロジー『江戸しのびに所収,他)
剣魔稲妻刀』 (短篇集 「平山行蔵 アンソロジー「武士道」にも所収,映画化),他)
一刀両断』 (短篇集 実説 「安兵衛」 」,アンソロジー『
七つの忠臣蔵に所収,他
岡っ引どぶ
貧乏同心
南蛮船
『剣は知っていた』
『赤い影法師』
『御家人斬九郎』
『水滸伝』
『徳川太平記』
『眠狂四郎』







五味康祐 ごみ こうすけ

大阪府大阪市中央区出身 明治大学専門部文芸科本科に入学するも、終戦直前の1945年(昭和20年)5月に除名されている。
1921年12月20日生まれ 1980年4月1日逝去 享年59歳

喪神』 (デビュー作) 第二八回芥川賞受賞

柳生宗矩と十兵衛』 (短篇集 「堀主水と宗矩」(
アンソロジー「武士道」にも所収)
『柳生武芸帳』 (連載)
『薄桜記』
秘剣
『二人の武蔵』
映画化多数






築山桂 つきやま けい

京都府出身 大阪大学卒業
1969年生まれ 51歳

秋草の花
闇の射手
初雪の日
『緒方洪庵・浪華の事件帳』
『禁書売り』
『北前船始末』






池波正太郎   いけなみ しょうたろう

東京都出身 下谷西町小学校卒業
1923年1月25日生まれ 1990年5月3日逝去 享年67歳

『太鼓』 第2回新鷹会賞奨励賞
錯乱』 第43回(昭和35年度上半期) 直木賞受賞
『殺しの四人』 第5回小説現代ゴールデン読者賞
『仕掛針』 第7回小説現代ゴールデン読者賞
『市松小僧の女』 第6回大谷竹次郎賞
『池波正太郎作品集』 第11回吉川英治文学賞
第36回菊池寛賞

あほうがらす』 (短篇集 「鳥居強右衛門」,「つるつる」,他)
黒幕』 (短篇集  「夫婦の城」(...婚家か生家か、苦渋の決断を迫られた正子が示した驚嘆の覚悟...),他
男振』(『あほうがらす』所収の「つるつる」を原型にした長編)
獅子の眠り
知謀の人
人殺しの掟
真田騒動 恩田木工
妙音記
黒幕
紅炎
動乱の詩人―西郷隆盛』   池波正太郎 『霧に消えた影 池波正太郎傑作歴史短篇集』所収
おっ母,すまねえ
蕎麦切おその
夫婦浪人
正月四日の客
市松小僧始末

出刃打お玉
看板』 (短篇集「谷中・首ふり坂」に所収)
お千代』 (短篇)
ごめんよ』 (短篇)
疼痛二百両』 (短篇)






笹沢佐保    ささざわ しほ


赦免花は散った』  (「木枯らし紋次郎(一)赦免花は散った」に所収)
生国は地獄でござんす』  (「木枯らし紋次郎〈上〉」に所収 / アンソロジー『志に死す』に所収)
塩むすび』 (短篇)
鬼首峠に棄てた鈴






京極夏彦   きょうごく なつひこ

北海道小樽市出身 北海道倶知安高等学校卒業、専修学校桑沢デザイン研究所中退
1963年3月26日 57歳

『魍魎の匣』 第49回日本推理作家協会賞(長編部門)受賞
『絡新婦の理』で第18回吉川英治文学新人賞候補
『嗤う伊右衛門』 第25回泉鏡花文学賞受賞、第118回直木三十五賞候補
『覘き小平次』 第16回山本周五郎賞受賞、第128回直木三十五賞候補
『後巷説百物語』 第130回直木三十五賞受賞
『西巷説百物語』 第24回柴田錬三郎賞受賞

小豆洗い






澤田ふじ子   さわだ ふじこ

愛知県半田市出身 愛知県立女子大学卒業
1946年生まれ 74歳
娘は小説家の澤田瞳子

『石女』 第24回小説現代新人賞受賞
『陸奥甲冑記』 第3回吉川英治文学新人賞受賞
『高札の顔 酒解神社・神灯日記』 第23回京都府文化賞功労賞受賞

寂野
池田屋の虫
雁の絵
狐火の町
討たれざるもの
はぐれの刺客
黒髪の月
いのちの蛍
鴉婆
雪山冥府図
ひとでなし
釈迦の女
神書板刻
神無月の女』 (禁裏御付武士事件簿)
背中の髑髏』 (公事宿事件書留帳5)
奇妙な刺客』/『夜の腕』 (祇園社神灯事件簿)
嵐山殺景』 (足引き寺閻魔帳)
『冬の刺客』
『竹しずく』
『幾世の橋』






藤原緋沙子   ふじわら ひさこ

高知県出身 立命館大学文学部史学科卒業
1947年生まれ 73歳

ひぐらし』 (隅田川御用帳シリーズ 第2回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞受賞)

雨あがり』 (隅田川御用帳シリーズ)
雁の宿

白い霧』 (橋廻り同心・平七郎控シリーズ)
桜雨』 (渡り用人片桐弦一郎控シリーズ)
飛び海』 (切り絵図屋清七シリーズ)
月凍てる』 (人情江戸彩時記シリーズ)
雁渡し』 (藍染袴お匙帖シリーズ)
見届け人秋月伊織事件帖』シリーズ
『冬萌え』

桜紅葉』
紅染めの雨』
秋つばめ―逢坂・秋
番神の梅
かえるが飛んだ アンソロジー「哀歌の雨」に所収)






宇江佐真理   うえざ まり

北海道函館市出身 函館大谷女子短期大学(現・函館大谷短期大学)卒業
1949年10月20日生まれ 2015年11月7日乳癌で死去 享年66歳

幻の声』 オール讀物新人賞受賞 (直木賞候補) (短篇集五篇)
『深川恋物語』 吉川英治文学新人賞受賞
余寒の雪』 中山義秀文学賞受賞

星の降る夜』 (幻の恋 髪結い伊三次捕物余話)
出奔
下駄屋おけい
紫紺のつばめ』 (髪結い伊三次捕物余話)
さらば深川
黒く塗れ
孤拳』 (アンソロジー江戸なみだ橋に所収,他
織部の茶碗
隣の聖人
三日月が円くなるまで
晩鐘
雨を見たか
無事これ名馬
たば風
あやめ横丁の人々
神田掘八さがり
藤尾の局
紫陽花
(アンソロジー『吉原花魁』に所収,他余寒の雪に所収)
浮かれ節』 (短篇)
雑踏
さびしい水音
備後表






中島要   なかじま かなめ

神奈川県横浜市在住 早稲田大学教育学部卒業

『しのぶ梅 着物始末暦』 第8回京都水無月大賞候補
素見(ひやかし)』 第2回小説宝石新人賞受賞 (短篇五篇「ひやかし」に所収,他色男」,夜明」…他)

夫婦千両
江戸の茶碗』 (短篇〈連作〉七篇 江戸の茶碗-真眼」…他)
刀圭』 (若き町医者を描いた長編)
ないたカラス
寝姿指南』 (短篇)
『うき世櫛』
『御徒の女』
晦日の月 六尺文治捕物控
『夫婦からくり』
『かりんとう侍』
『藍の糸』
『夢かさね』
『雪とけ柳』
『涙縮緬』
『錦の松』






北原亞以子   きたはら あいこ

東京市出身 千葉県立千葉第二高等学校卒業
1938年1月20日生まれ 2013年3月12日逝去 享年75歳

『ママは知らなかったのよ』 第1回新潮新人賞受賞
『粉雪舞う』 第12回小説現代新人賞佳作 (司馬遼太郎に賞される)
『深川澪通り木戸番小屋』 第17回泉鏡花文学賞受賞
恋忘れ草』 第109回直木賞受賞 (短篇集 六篇)
『江戸風狂伝』 女流文学賞受賞
『夜の明けるまで』 吉川英治文学賞受賞
歴史時代作家クラブ賞特別功労賞受賞

「慶次郎縁側日記」シリーズ
「深川澪通り木戸番小屋」シリーズ
梅雨の晴れ間
恋しぐれ
吹きだまり
律儀者
臆病者
その夜の雪
』 (短篇)
『歳三からの伝言』
恋知らず
降りしきる
『花冷え』
『まんがら茂平次』
『恋忘れ草』
『暗闇から 土方歳三異聞』
『風よ聞け 雲の巻』
『雪の夜のあと』
『江戸風狂伝』
『消えた人達』
埋もれ火
『妻恋坂』
『誘惑』
『化土記』






宮部みゆき   みやべ みゆき

東京都出身 東京都立墨田川高等学校卒業
1960年12月23日生まれ 59歳

『龍は眠る』 日本推理作家協会賞受賞
『火車』 山本周五郎賞受賞
『理由』 直木賞受賞
『模倣犯』 毎日出版文化賞特別賞受賞
『本所深川ふしぎ草紙』 吉川英治文学新人賞受賞

お勢殺し
曼珠沙華
初ものがたり
堪忍箱
神無月
首吊り御本尊
鬼子母火
鰹千両
『ぼんくら』
『龍は眠る』
『火車』
『理由』
『模倣犯』
『名もなき毒』






平岩弓枝   ひらいわ ゆみえ

東京都出身 日本女子大学卒業
1932年3月15日生まれ 88歳

鏨師』 直木三十五賞受賞
『花影の花』 第25回吉川英治文学賞受賞
菊池寛賞受賞

女ぶり (アンソロジー『江戸しのび雨』に所収,他)
邪魔っけ
心中未遂
おこう
吉原大門の殺人 (アンソロジー『吉原花魁に所収)
ちっちゃなかみさん
初春の客

『御宿かわせみ』 シリーズ
『はやぶさ新八御用帳』 シリーズ
映像化: 「惜春」






土橋章宏 どばし あきひろ

大阪府出身 関西大学工学部卒業
1969年生れ 
脚本家、小説家、放送作家

『スマイリング』 函館港イルミナシオン映画祭 第13回シナリオ大賞グランプリ受賞
『海煙』 第13回伊豆文学賞 優秀作品賞受賞
『緋色のアーティクル』 第3回 TBS連ドラ・シナリオ大賞 入選
超高速!参勤交代』で第37回 城戸賞を同賞初の審査委員オール満点で受賞 (映画化)/第38回日本アカデミー賞 最優秀脚本賞受賞
第1回 MONO-KAKI大賞 入賞
第37回 城戸賞 入選
第3回 TBS連ドラ・シナリオ大賞 入賞

引っ越し大名三千里』 
決死剣』 (アンソロジー『
決戦!新選組に所収,他)








以下,
歴史・時代小説 アンソロジー


歴史小説の世紀  天の巻
「月魄」中山義秀 「梟雄」坂口安吾 「高杉晋作」大岡昇平 「菊女覚え書」大原富枝 「桑名古庵」田中英光 「羽柴秀吉」林芙美子 「末期の水」田宮虎彦 「普門院の和尚さん」井伏鱒二


新選組烈士伝
「私説・沖田総司」三好徹 「新選組物語」 (人斬り鍬次郎,死損ねの左之助)子母澤寛  「武田観柳斉」井上友一郎 「薄野心中」(新撰組最後の人)船山馨  他六篇


新選組興亡録


時代小説傑作選
「国を蹴った男」伊東潤 「錯乱」池波正太郎 「笊ノ目万兵衛門外へ」「山田風太郎」 「直江山城守」坂口安吾 他一篇


武士道』(時代小説短篇傑作集)
「堀主水と宗矩」五味康祐 「放し打ち柳の辻」滝口康彦 「平山行蔵」(映画化)柴田錬三郎 他四篇


軍師は死なず』(傑作歴史小説集)
「太田道灌の最期」新田次郎 「鬼骨の人」−竹中半共衛 津本陽 「背伸び」−安国寺恵瓊 松本清張 「直江山城守」坂口安吾 「紅炎」−毛利勝永 池波正太郎 他五篇


動乱!江戸城
「名君と振袖火事」中村彰彦 「立つ烏」諸田玲子 「世直し大明神」安部龍太郎 「ある寺社奉行の死」松本清張 「柘榴坂の仇討」浅田次郎 他二篇



幕末暗殺
「明治の石」神家正成 「裏切り者」(「新選組藤堂平助」と改題)秋山香乃 「竹とんぼの群青」谷津矢車 「欺きの士道」新美健


大江戸「町」物語
「介錯人別所龍玄始末」辻堂魁  「八丁堀の刃」小杉健治  他三篇


大江戸「町」物語 光
「悲悲……」辻堂魁  「宿場の光」上田秀人  他二篇


血闘!新選組
「五稜郭のタ日」中村彰彦(連作集『新選組秘帖』所収) 「女間者おつな 山南敬助の女」南原幹雄(連作集『新選組情婦伝』所収) 「群狼相食む」宇能鴻一郎(連作集『斬殺集団』所収) 「剣菓」森村誠一(短篇集『魔剣 士魂の音色』所収)


決戦!新撰組
「慈母のごとく」木下昌輝 「死にぞこないの剣」天野純希  「決死剣」土橋章宏 他三篇


『決戦!関ヶ原』


『決戦!関ヶ原2』


『決戦!大阪城』


『決戦!本能寺』


『決戦!川中島』


『決戦!桶狭間』


『決戦!賤ヶ丘』


『決戦!説楽原』 武田軍vs.織田・徳川軍


武芸十八般
「紀州鯨銛(いさなもり)殺法」新宮正春 「鼻くじり庄兵衛」佐江衆一 「野見宿禰(のみのすくね)」黒岩重吾 「武太夫開眼」杉本苑子 「鳴弦の娘」 深田ふじ子 他三篇


『武士の本懐』(八篇)



時代小説 ザ・ベスト2016
「名残の花」澤田瞳子 「直隆の武辺」天野純希 「紛者」朝井まかて 「家康謀殺」伊東潤 他,六篇 
巻末エッセイ:竹田真砂子
……
……しかし今,私は小説というものの存在意義をはっきりいうことができる。
小説でなければ伝えられない「真実」がある,と。
事実は目に見えるし,箇条書きで提示することもできる。しかし,真実を確認することは不可能に近い。なぜなら真実は,層大な細かい事実を繋ぎ合わせてから,なお,あるかなきかの微小な隙間に潜んでいるからだ。時に心情を吐露している本人さえ,自分の言葉の中に真実が宿っていると気付かないこともある。……
……



『時代小説 ザ・ベスト2017』
「役替え」青山文平 「歳神」折口真喜子 「生仏」花房観音 「流人富士」植松三十里 「鈴の恋文」奥山景布子 「越後の女傑」武内 涼 「鯰のひげ」西山ガラシャ 「伊賀越え」村木 嵐 「嘘とまこと」小松エメル 「へうげの茶」仁志耕一郎 「雲州下屋敷の幽霊」谷津矢車 「不屈なれ」吉川永青



時代小説 ザ・ベスト2018
「つはものの女」永井紗耶子 「怪僧恵瓊」木下昌輝 「夢想腹」上田秀人 「川中島を、もう一度」蓑輪 諒 「筋目の関ケ原」東郷 隆 「子捨て乳母」中嶋 隆 「清経の妻」澤田瞳子 「鬼の血統」天野純希 「雲のあわい」村木 嵐 「初陣・海ノ口」高橋直樹 十篇


時代小説 ザ・ベスト2019
「春天」朝井まかて 「扇の要」佐藤巌太郎 他九篇


時代小説 ザ・ベスト2021
「小栗上野介の選択」佐藤巌太郎  「絃の便り」奥山景布子  「千年の松」武川佑  「ヤマトフ」植松三十里  「わらわ鬼」澤田瞳子


志に死す』 人情時代小説傑作選 全五篇
「敵討順逆かまわず」菊池寛 「木綿触れ藤沢周平 「生国は地獄でござんす笹沢佐保 「城中の霜」山本周五郎 「看板」池波正太郎


感涙』  人情時代小説傑作選 全九篇
「夜もすがら検校」長谷川伸 「欅三十郎の生涯」南篠範夫 「老 将」火坂雅志 「遠い砲音」浅田次郎 他五篇


『闇に立つ剣鬼』 時代小説傑作選


人生を変えた時代小説傑作選
「笊ノ目万兵衛門外へ」山田風太郎 「仕舞始」池宮彰一郎 「入れ札」菊池寛  「麦屋町昼下がり」藤沢周平 他二篇


衝撃を受けた時代小説傑作選
「忠直卿行状記」菊池寛 「正義の政府はあり得るか」山田風太郎 「暗殺剣虎ノ眼」藤沢周平 他三篇


『捕物小説名作選 一』 池上正太郎・選 日本ペンクラブ篇


捕物小説名作選』 池上正太郎・選 日本ペンクラブ篇
「耳なし源蔵召捕記事(西郷はんの写真)」有明夏夫 他五篇


時代小説 読切御免第一巻
「決闘小栗坂」南原幹雄 「夜叉鴉」船戸与一 「刈萱」安西篤子 他四篇


時代小説 読切御免第二巻
「一夜の客」杉本苑子 「伏見城恋歌」安部龍太郎 他五篇


時代小説 読切御免第三巻
「黒染」東郷隆 他六篇


※※花と剣と侍』 平岩弓枝 監修 新鷹会・傑作時代小説選 (アンソロジー『花と剣と侍』に所収,他)
※※「末期の夢」鎌田樹 「人間の情景」野村敏雄『歴史街道』五篇に所収) 「五人の武士」武田八洲満 「真田範之助」長谷川 伸 「男谷精一郎信友」戸川幸夫 「海賊船ドクター・サイゾー」松岡弘一


『侍たちの歳月』 新鷹会・傑作時代小説選


『大江戸の歳月』 新鷹会・傑作時代小説選


『武士道春秋』 新鷹会・傑作時代小説選


『武士道日暦』 新鷹会・傑作時代小説選


『武士道歳時記』 新鷹会・傑作時代小説選


『男たちの凱歌』 新鷹会・傑作時代小説選


江戸の老人力』 時代小説傑作選
「いさましい話」山本周五郎 「剣菓」森村誠一 「石目の目切」白石一郎 他九篇



七つの忠臣蔵』 
「実説「安兵衛」」(柴田錬三郎『一刀両断』所収) / 「命をはった賭け 大坂商人 天野屋利兵衛」 (佐江衆一『江戸の商魂』所収) / 「吉良上野の立場」 (菊池寛『仇討小説全集』所収) 他四篇


『迷君に候』


『赤ひげ横丁』 人情時代小説傑作選


『主命にござる』


いのち』 朝日文庫時代小説
「瘡守」澤田瞳子(『師走の扶持 京都鷹ヶ峰御薬園日録』所収) 「駆込み訴え」山本周五郎(『赤ひげ診療譚』所収) 「よわい桜」和田はつ子(『口中医桂助事件帖 南天うさぎ』所収) 「雪の足跡」川田弥一郎(『江戸の検屍官 北町同心謎解き控』所収)  「桜の風」安住洋子(『春告げ坂 小石川診療記』所収)  「駄々丸」朝井まかて(『薮医ふらここ堂』所収) 


いのちを守る』 医療時代小説傑作選
「かさぶた宗建」渡辺淳一  「蜻火」藤原緋沙子 (藍染袴お題帖シリーズ第一弾 所収) 


西郷隆盛 英雄と逆賊』 歴史小説傑作選 五篇
「西郷隆盛と勝海舟」海音寺潮五郎「執念谷の物語」所収   「兄の陰西郷従道小伝」南篠範夫「飢えて死ね!」所収   「可愛岳越え」植松三十里 書き下ろし   「秋霜の隼人」古川薫「狂雲われを過ぐ」所収   「動乱の詩人―西郷隆盛」池波正太郎「霧に消えた影 池波正太郎傑作歴史短篇集」所収


欣喜の風

「藁屋の歌」井川香四郎 「鬼の目にも泪 名奉行金太郎捕物帳」佐々木裕一 「跡取り」小杉健治 全三篇


怒髪の雷


哀歌の雨
「待宵びと」今井絵美子 かえるが飛んだ」藤原緋沙子 他一篇 


楽土の虹』 (競作時代アンソロジ) 全三篇
「鬼しぶ事件帖」辻
堂魁 「多生の縁」坂岡真,


絆を紡ぐ』 (人情時代小説傑作選)
※※「お江さまびょう風」永井路子 (「一豊の妻」所収 ...理屈に合わない歴史の上をしたたかに生きたお江の他に、将軍家の御台所で嫡男を産んだ者はいない。さらに、春日局といえども、うかがい知ることのできなかった、お江の「左様でございますか」 の一言の真意を知ったとき、私たちも懐然とせざるを得ないのだ。...) 
※※「仲秋十五日」滝口康彦 (「薩摩軍法」所収) 
「夫婦の城」池波正太郎 (「黒幕」所収 ...婚家か生家か、苦渋の決断を迫られた正子が示した驚嘆の覚悟...)
他二篇


江戸夢あかり』(市井・人情小説傑作選)
「いぶし銀の雪」佐江衆一 「泣けよミイラ坊」杉本苑子 「ほくろ供養」井口朝生  ※「芍薬奇人」白井喬二 他七篇


江戸なみだ橋』(市井稼業小説傑作選)
「弧拳」宇江佐真理 「仲町の夜雨」山本一力 「けだもの」池宮彰一郎  他三篇


江戸なごり雨』(市井稼業小説傑作選)
思案橋の二人」佐江衆一 他六篇


江戸しのび雨』(市井稼業小説傑作選)
「一心不乱物語」柴田錬三郎 「蔵宿師」南原幹夫 「火術師」五味康祐 「女ぶり」平岩弓枝 他四篇


江戸めぐり雨』(市井稼業小説傑作選)
「泉岳寺の白明」村上元三 「紙漉」諸田玲子 他五篇


撫子が斬る』(女流作家捕物帳アンソロジー)
「初雪の坂」澤田瞳子 「惜別姫」藤水名子 「水電屯」杉本章子 他五篇


吉原花魁
「恋じまい」松井今朝子 ※「はやり正月の心中」杉本章子 「爪の代金五十両」南原幹雄 「三千歳たそがれ 天保六花撰ノ内・三千歳」藤沢周平 他四篇


冬ごもり』(時代小説アンソロジー)
「甲府在番」松本清朝 他五篇


秋びより』(時代小説アンソロジー)
「蛍と呼ぶな」岩井三四二  「解錠奇譚」佐江衆一 他三篇


夏しぐれ』(時代小説アンソロジー)
※※
「似非侍」諸田玲子 他四篇


江戸の商人力』(時代小説傑作選)

「命をはった賭け」-大坂商人・天野屋利兵衛 佐江衆一 「知恵の瑞賢」杉本苑子 「てれん」白石一郎 「あやつり組由来記」南篠範夫 「心中未遂」平岩弓枝 こんにち午の日」山本周五郎 「学者商人と娘仕事人」-桐生商人・吉田清助ー 童門冬二  「尺八乞食」山手樹一郎 他一篇


素浪人横丁』(人情時代小説傑作選)
「浪人まつり」山手樹一郎 「異聞浪人記』」滝口康彦  他三篇


情に泣く
「橋のたもと」杉本苑子 他六篇


親不孝長屋
「釣忍」山本周五郎 「左の腕」松本清張 他三篇


がんこ長屋』 全六篇


世話焼き長屋
「骨折り和助」村上元三 「小田原鰹」乙川優三郎 「お千代」池波正太郎 他二篇


たそがれ長屋
「静かな木」藤沢周平 「疼痛二百両」池波正太郎 他三篇


おやこ』 朝日文庫時代小説
「いさましい話」山本周五郎(『あんちゃん』所収) 「仲蔵とその母」杉本苑子(『冬の蝉』所収) 「つるつる」池波正太郎(『あほうがらす』所収) 「二輪草」梶よう子(『柿のへた』シリーズ所収) 「木戸前のあの子」武田真砂子(『七代目』所収)  他二篇


悲恋』 朝日文庫時代小説
「悲恋」諸田玲子 他六篇